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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ミュンヘンのヘラブルン動物園の産室内カラー映像の秘密 ~ 赤外線映像のカラー化処理か?

ドイツ・ミュンヘンのヘラブルン動物園の産室内カラー映像の秘密 ~ 赤外線映像のカラー化処理か?_a0151913_2214168.jpg
ジョヴァンナお母さん
Photo(C)Süddeutsche Zeitung/Stephan Rumpf

12月9日にミュンヘンのヘラブルン動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃんが誕生した件についてはすでにご紹介していますが、現在ドイツではホットな話題になっており現地のTV局も特集の形でこれを伝えたりしているようです。 産室内の鮮明なカラー映像のインパクトの大きさには驚きを感じます。 誕生してからまだ4日間しか経過していないのにもかかわらず、もう何日も前に生まれていたような印象を持ってしまいます。 ヘラブルン動物園はまたここで一つ最新の映像を公開しましたのでご紹介しておきます。これは12月11日夜(日本時間では12日朝)の映像です。 ジョヴァンナお母さんが赤ちゃんをしっかり抱いているのがわかります。



このジョヴァンナお母さんは初産であるものの実に落ち着いているように見えます。 見ていて安定感を感じます。 なかなか大物お母さんですね。 こうしてまた欧州に一頭、素晴らしいお母さんが登場したわけです。

それから、今回の産室のような光の無い場所でなぜこのようなカラー撮影が可能だったかですが、実は産業技術総合研究所がすでに高精細な赤外線カラー暗視撮影技術を開発しており、同研究所もしくは同じ技術を開発していた別の機関がそれをヘラブルン動物園に試験用として納入していたのではないかと思われます。 実はこういった新しい技術の機材を無償で欧州の関係機関に納入して試験的に使ってもらうというのは比較的よくあるケースなのです。 どういう技術かといいますと産業技術総合研究所によれば、「暗闇にある被写体に赤外線を照射し、被写体から反射してきた赤外線を独自の高感度赤外線撮影技術により検出し、弱いながらも存在する物体の可視光領域における反射特性と赤外線領域における反射特性の相関関係に基づいて、表色処理を行うことによって可視光下での被写体の色と同一かそれに近い色によるカラー動画を得る、これまでにない新しい撮影技術」 ということだそうです。 実はすでに、かなり暗い場所でもカラー映像を撮影できるBMC SG860C-8M という白色LEDライトを搭載した機種はすでにあるのですが、私はさすがにホッキョクグマの産室では白色LEDライトの使用は万が一のリスクが大きくて使用されていないように思います。 ですので、「赤外線投光器で赤外線を投射して赤外線映像を撮影し、カメラ内部の画像処理系によりカラー化する」 といったように最終的な画像処理の段階でのカラー化という最新の技術が使用されているのだろうと考えます。 BMC SG860C-8Mやその他の同種の機種では今回のようなジョヴァンナお母さんの体毛の一本一本まで見えるような精密なHD画像は無理です。 それに、このヘラブルン動物園の産室内の映像を見ますと全体が一様な明るさに見えることから、あくまでも画像の最終処理の段階でカラー化したと考えざるを得ません。
ドイツ・ミュンヘンのヘラブルン動物園の産室内カラー映像の秘密 ~ 赤外線映像のカラー化処理か?_a0151913_22433289.jpg
Photo(C)独立行政法人 産業技術総合研究所

(資料)
独立行政法人 産業技術総合研究所 (高精細な赤外線カラー暗視撮影技術を開発

(過去関連投稿)
ドイツ・ミュンヘンのヘラブルン動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!
ドイツ・ミュンヘンのヘラブルン動物園でジョヴァンナお母さんの出産の瞬間の画期的なカラー映像が公開
ドイツ・ミュンヘンのヘラブルン動物園で誕生の双子の赤ちゃんの産室内映像 ~ 及び出産映像完全版
by polarbearmaniac | 2013-12-14 00:30 | Polarbearology

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