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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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独立自尊のミルク、その涙無しの旅立ち ~ また釧路でお会いしましょう、お元気で!

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このミルクが男鹿水族館で展示されるのは明日の日曜日一日を残すのみとなった。 
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この「遊びの天才」 ミルクは来週30日には釧路市動物園に向かうことになる。
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私は、このミルクの釧路市動物園への旅立ちには不思議と感傷的なものは感じないのである。 それは、一昨年に札幌でアイラを見送った時とはかなり感じが違うのである。
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それはやはり、母親とのかかわり方の違いだろう。 このミルクは少なくとも昨年5月の公開以降はここで母親に多くのものを負ってはいないのである。
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このミルクには独立自尊の精神が育まれた。 このミルクとその母親クルミとの関係は基本的には以下のような場景に凝縮される。

ミルクを傍観者とさせて自らは遊ぶクルミ

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このミルクは後を振り返ることなく、ここを旅立っていくことになるだろう。
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このミルクは、考えていることが全て外に行動として現れてくる。 そこが札幌のマルルとポロロとの違いである。 マルルとポロロは必ずしも自分たちの考えが行動として外に出てくるとは限らず、多少なりとも 「母親の存在」 という抑制のフィルターを通した行動を行うが、このミルクはそうではない。 多くの点でミルクの行動はストレートであるように思う。
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運動能力という点でミルクは泳ぎの習得は別として、マルルとポロロを依然としてリードしている。 私はこの差がだんだんと縮まるだろうと思っていたが、思ったほどは縮まらなかった。 やはりマルルとポロロは昨年秋以降、その行動に外部的要因によって若干の制限がつけられてしまったことも原因だろう。 しかしやはり、与えられるおもちゃの種類の多さに、これを説明する鍵があるように思われる。

ミルクの多彩な水遊び (約20分間)

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このミルクは疲れを知らないホッキョクグマのように見える。 少なくとも私が彼女が昼寝をした場面を見たことがない。 そのエネルギーには驚嘆するのである。 こういった幼年個体は世界でも稀だろう。 あの札幌でのアイラの何時間にも及ぶ母親と共にした昼寝やモスクワのシモーナの三つ子のように最大5時間もの長い昼寝とは大違いである。 クルミお母さんが昼寝をする習慣がないためにこのミルクも昼寝をしないのかもしれない。 しかし、それだけでは到底説明はできないだろう。
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このミルクの将来のパートナーが誰になるかはわからない。 しかし、ララファミリーの個体ではないように思われる。 やはり、「アンデルマ/ウスラーダ系」のような気がする。
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このミルクは世界的に見ても他にあまり類型のないタイプのホッキョクグマに見える。 多く考え、そして多く行動するという珍しいタイプである。 それはやはり彼女の母親であるクルミが非常に特異な母親であることが理由だろう。 ミルクの多彩な行動は見ている者を飽きさせないのである。
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札幌でララの子供たちの旅立ちの時となって初めて、本当のドラマの主人公は子供たちであるイコロやキロルやアイラではなく実はララお母さんであったことに気が付いたものである。 しかし、今回のこの男鹿水族館のドラマの本当の主人公はクルミお母さんではなく、やはり徹頭徹尾このミルクであったことを痛感するのだ。 札幌の役者は「ララ親子」である。 しかしこの男鹿水族館の役者は「クルミ親子」ではなくミルクそのものである。 ここに大きな違いが存在している。

遊び疲れて一息だけ入れるミルク

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ミルク、釧路に行ってもその遊びの才能を最大限に発揮して下さい。 またあなたに会いに釧路に行きますので、その節にはよろしくお願いします!  お元気で!
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明日の日曜日のお別れ会には都合で出席できない。 そのため、今日が私にとってミルクの男鹿水族館での見納めとなった。 ミルクの健闘を祈り、今シーズンの一連の男鹿水族館訪問をひとまず終えることにする。 次は繁殖に挑戦しているクルミと豪太への応援に、再びここに戻りたい。

Nikon D5200
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR
(Jan.25 2014 @秋田県、男鹿水族館)

(過去関連投稿)
*男鹿水族館訪問記
男鹿水族館の赤ちゃん、はじめまして!!
クルミの赤ちゃん(クーシャ - 仮称) の素顔と性格 ~ 一般公開日初日の印象
クルミお母さんの性格と母親像 ~ その 「対象非関与型母性」への評価について
梅雨期の出羽の国、男鹿水族館でクルミ母娘との再会
美しく成長を遂げつつあるミルク ~ その素顔と性格
クルミお母さんの母親像を再度考える ~ 「求心性」、「非求心性」の第三の座標軸から見えてくること
クルミ母娘の夏の日 ~ 大きな展示場へ移動した親子との再会
"La tristesse allante de Milk" ~ クルミとミルクの母娘関係と行動の基本的構図を探る
悪天候、そして夏の終わりの男鹿水族館 ~ 転換点を迎えたクルミとミルクとの母娘関係
驚くべき進化を遂げつつあるミルク ~ "Efforcez-vous d'entrer par la porte étroite..."
過ぎ去らない夏の残る男鹿水族館 ~ クルミとミルクの母娘模様
ミルクの楽しいおもちゃ遊び ~ 超一流の遊びの能力
*ホッキョクグマの母親像
「情愛型」 と 「理性型」、「対象関与型」 と 「対象非関与型」 のそれぞれの母親像の違いを探る
クルミお母さんの母親像を再度考える ~ 「求心性」、「非求心性」の第三の座標軸から見えてくること
by polarbearmaniac | 2014-01-25 23:50 | しろくま紀行

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