街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ポロロこそララの後継熊なのか? ~ マルルを突き放し姉のアイラに肉薄する稀有の逸材の歩む道

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一週間前の熊本でマルルに会い、マルルが自分のペースを掴む糸口を見出しつつあることから考えて、このポロロと熊本のマルルの差は縮まっただろうと考えていた。 ところがそれは大きな間違いだった。
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このポロロは熊本のマルルに対してさらに大きくリードを広げていた。
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ポロロは完全に自分の生活のリズムを獲得し、そしてこのとくしま動物園の飼育展示場の空間を完全に自分の支配下においたのである。
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「熊本のマルルはこの徳島のポロロ以上に元気に遊んでいる。 だからポロロとマルルとの間には差がついてはいない。」 という見方は確かに存在しているかもしれない。 しかし熊本のマルルが活発なのは全て飼育員さんが苦心して外部からマルルに与えている刺激のためである。 先週も書いたが、マルルの快活さは飼育員さんが苦労して作った illusion である。 何百枚、何千枚マルルの遊んでいる写真を提示してみたところで、その本質は変わらない。 ところが今回のポロロの姿はもうそういった illusion ではなくなっている。マルルは自分の生活のペースを自ら作り上げるに至っていないし、あの熊本の飼育展示場の空間を完全に支配するに至っていないのだ。 マルルはまだスタートラインに着いていないが、ポロロはもうスタートしていて成長と過去の自己の脱皮を行うまでに着実にレールの上にのっている。 外面的な行動ではなく、その本質を見なければいけない。 今日のポロロの姿に「幻影」は消え去っている。 現時点でのマルルとポロロにおいては生活における「遊び」の意味合いと位置付けはまるで違っているのである。
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現時点で何故このポロロと熊本のマルルとの間に大きな差がついたかだが、それはやや抽象的な言い方になるがポロロの性格とこの徳島の飼育展示場の構造とが非常に相性がよいということが理由ではないだろうか? このとくしま動物園の展示場のほうが落ち着けるのである。 だから本来やや夢想的な性格のあるポロロは、この展示場で自分のペースを掴むことに成功しやすかったのだと考えられる。 それから、この動物園の飼育員さんとポロロの相性が良いということも原因かもしれない。 しかし、それらすべてを考慮しても説明のつかない「何か」があるというのが正確なのではないだろうか?
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私はこういう考え方は好きではないのだが、その「何か」 をここでかつて暮らしていたシロー爺さんの存在に求めざるを得ないように感じてしまうのである。 思い出してみてほしい。 このポロロの歓迎式で園長さんは「天国のシローとともに皆さんもポロロの成長を温かく見守ってほしい。」と言ったのである。 園長さんも飼育員さんもそういう気持ちでこのポロロに接しているのだ。 そういう気持ちがどこかでポロロに伝わっていると思われる。 そこに何か名状しがたい、飼育員さんとポロロとの見えざる信頼関係がどこかで何らかの作用をしているとしか思えない。
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今は亡きシロー爺さんはやはりこのポロロをしっかりと見守っているのである。 そう考えないと説明がつかないのである。
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円山動物園の飼育員さんは、このポロロはララお母さんに性格的に似たところがあるので将来偉大なる母親になる可能性があると考えているようだ。 私はこのポロロの性格がララお母さんに似たところがあるという見解には必ずしも賛成しない。 しかし、ポロロが将来偉大なる母になる可能性があることについては賛成したい。
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このポロロは二歳年上のアイラを猛追しているように思われる。アイラとポロロの性格差は非常に大きい。 しかし、どちらも大物の片鱗を感じさせる素晴らしい逸材である。 「アイラ vs ポロロ」 というララお母さんの後継熊の「争い」がすでに「始まっているのかもしれない。 そこにいつマルルが一枚かんでくるかが問題である。 アイラが母親になればウスラーダやフギースのような「理性型」の母親となる可能性がある。 ポロロが母親になったらララやシモーナのような「情愛型」になるだろう。
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シロー爺さんに見守られながら成長の階段を力強く一気に登り始めたポロロである。
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ポロロの歩む道は一頭の雌の偉大なホッキョクグマへの道である。
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私は「ホッキョクグマの神様」に問うてみたい。 「マルルとポロロをこうまでして全く別の道を歩ませるのが本当に正しいことなのですか?」と。  神様はこう答えるかもしれない、「私は昨年の秋に幼いマルルの命を助けたのだ。それ以上の何を私にせよと言うのか?」と。
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Nikon D5300
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
(May.31 2014 @とくしま動物園)

(過去関連投稿)
とくしま動物園でのポロロ歓迎式、そしてポロロの自信に溢れた徳島での公式デビュー
ポロロ、その優れた適応性、そしてその執着力が予感させる器の大きさ ~ 大輪晩開の花
熊本市動植物園での、いささか精彩に欠いたマルルの熊本公式デビュー ~ "Marle of Our Time"
マルル、その「正統派ホッキョクグマ」 が克服を期待される試練 ~ 「我らが時代」のホッキョクグマの姿
熊本市動植物園でマルルの歓迎会が開催される
大きく成長を遂げつつあるポロロ ~ クーニャよりもシヌックの影を強く感じるララファミリーの子供たち
冷雨の日曜日、間近に見るポロロの表情 ~ 亡きシロー爺さんに見守られているポロロが優位に立つ
マルルの "Perpetuum mobile" ~ 公開後、約一か月が経過したマルル
マルルに当分の苦境は続くか? ~ "Every cloud has a silver lining."
マルル、まどろみの日曜日
ポロロとマルルが暮らす徳島と熊本の二つの動物園の印象 ~ 「組織の徳島、人の熊本」
マルルが取り戻した快活さの裏側 ~ 多大な労力で「幻影」の維持を強いられる飼育員さんへの同情
熊本の夏の入り口の暑さにも動きが鈍らないマルル ~ in/outdoorの扉開放方式の試験的導入が成功
夏の暑さの到来した徳島にあっても、立ち止まることなく前進するポロロの「快進撃」
by polarbearmaniac | 2014-05-31 23:45 | しろくま紀行

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