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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のネラとノビの双子の人気衰えず ~ ドイツと日本の意識の違い

ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のネラとノビの双子の人気衰えず ~ ドイツと日本の意識の違い_a0151913_16471355.jpg
ネラとノビ Photo(C)muenchen.de

昨年12月9日に南ドイツ、ミュンヘンのヘラブルン動物園でジョヴァンナお母さんから誕生した雌のネラ と雄のノビの双子の赤ちゃんですが、ここのところこのブログでその様子はご紹介していなかったものの相変わらず地元では大人気のようです。 昨日6月12日に入園者が今年の百万人目を数え、その家族連れに花束と年間パスの贈呈が行われたそうです。 ヘラブルン動物園としては設立以来の最速で入園者百万人を達成し、これは昨年よりも六週間早いペースだとのことです。 ヘラブルン動物園の年間入園者数は2012年には約162万人、2013年には約172万人だったそうで、今年はこのままのペースでいけば200万人にどれだけ迫れるかといった数になるのではないでしょうか。 こういった今年の入園者増の原因を同園では第一に天候の良好さ、そしてなんといってもホッキョクグマの双子の赤ちゃんの一般公開にその理由を求めていますが、それは納得のいくところでしょう。 このホッキョクグマの赤ちゃんの人気の理由ですが、仮にマスコミにマイクを向けられて理由を聞かれたとすれば即答には困りそうな気がします。 さて、ここで最近のネラとノビの双子の映像を見てみましょう。





それから、ドイツ人のファンと我々日本人のファンとの間にあるホッキョクグマの赤ちゃんに対する感じ方の違い...これは間違いなくあるように私には感じられます。 それを推し量る材料はネット上に存在する動画でしょう。私は以前からドイツのファンの方々が撮られた多くの映像を丹念に見ていますが、我々日本人のファンにとってホッキョクグマの赤ちゃんは、要するに「Xお母さんとYとZの双子の赤ちゃん」という位置付けであるのに対してドイツ人のファンは「YとZの双子の赤ちゃん」というのが基本的な意識と認識なのではないでしょうか。 つまり我々日本のファンは母親の存在というものをドイツのファンよりも意識しているということに尽きるように思います。 それは仮に赤ちゃんを映した動画の映像に母親の姿が多く登場するかそうでないかといった単純な問題ではないように思います。
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のネラとノビの双子の人気衰えず ~ ドイツと日本の意識の違い_a0151913_17102197.jpg
ネラとノビ Photo(C)Sonja Bogisch/Tierpark Hellabrunn

日本のファンの撮ったホッキョクグマの赤ちゃんの映像には、母親が多く映っていようがいまいが、映像の奥のどこかに母親の存在の影を感じ取ることができます。 ところがドイツのファンの方々の撮った映像には仮に母親が多く映っていようが焦点と主役は赤ちゃんたちである...私にはそう感じます。 ですから個々の撮影者の技術の問題は別にしてドイツの場合はマスコミの撮った映像は別にしてもファンの方々の撮る映像は「赤ちゃんの成長」といったものを我々日本人よりも明確に捉える傾向が強いように思います。 人間社会でもドイツの子供たちは日本の子供たちよりも「乳離れ」がはっきりとしており、成人になれば親とは全く別の単位の個人として存在するのに対し日本では成人になってもどこかに「家族単位」の考え方が色濃く残るといった社会背景もこうしたものの感じ取り方の後ろにありそうな気がします。
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のネラとノビの双子の人気衰えず ~ ドイツと日本の意識の違い_a0151913_17162139.jpg
Photo(C)muenchen.de

さて、「ホッキョクグマの赤ちゃん」の登場に対するこうしたドイツと日本のファンの間に存在する意識の微妙な違いを私は感じ取り、そして熱心にホッキョクグマの赤ちゃんの姿を映像に記録されているドイツのファンの方々に大きな敬意を払いつつも、赤ちゃんたちが一般公開され、そして旅立っていった後になって振り返ってみるとやはり 「YとZの双子のドラマ」 の本当の主人公は誰だったかと考えれば、それは実は母親Xではなかったかという考え方が正しいだろうと思っています。 そういう視点に立って私の体験で日本以外の国、たとえばロシアでウスラーダやシモーナやムルマと彼女たちの赤ちゃんたちの姿を観察してみた時に、そこから得るものが非常に大きく感じられるということです。 ですから、「YとZの双子」の成長を主眼に追いかけるよりも、「母親XとY,Zの双子」という単位でその関係と変化を時間の推移で捉えた方が興味深いものが多く見えてくるという考えを私は実感として持っています。
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のネラとノビの双子の人気衰えず ~ ドイツと日本の意識の違い_a0151913_17165426.jpg
Photo(C)muenchen.de

今回のミュンヘンのジョヴァンナお母さんはいったいどういう母親なのか、ブレーマーハーフェンのヴァレスカお母さんの母親像とはどういうものなのかについてネット上に多く存在する映像はあまり多くのものを語っていないように私の眼には見えてきてしまいます。 それが映像で語られてこそ本当のおもしろさがあるように私には思うのですが...。

(資料)
Tierpark Hellabrunn (Jun.12 2014 - Der millionste Besucher 2014)
tz online (Jun.12 2014 - Tierpark: Eine Million Besucher – so früh wie nie!)
muenchen.de (Eisbären-Babys in Tierpark Hellabrunn - So süß sind die Münchner Eisbären-Babys)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2014-06-13 18:00 | Polarbearology

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