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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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ポロロの二つの「動と静」のドラマ (前) ~ 水中での避暑と遊びとを共存させ 「痛みを経ての快感」 へ

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すっかり自分のペースを掴んでしまったポロロである。 彼女に会うのは一か月振りである。
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今日の徳島は暑いとといえば暑いが、気温は30℃には達していない。 何か今年の6月は最高気温にリミッターでもかかっているかのように、ある程度以上は上昇しないような印象すら受ける。
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ポロロは午前中はほとんど水の中で過ごしている。 明らかに避暑の意図だろう。
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悠々としているかのようにすら見えるポロロである。

水中でゆったり過ごすポロロ(1)

水中でゆったり過ごすポロロ(2)

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そうした中でも、札幌時代からのこの黒い蓋を依然としてお気に入りのおもちゃにしているのを見ると、本当にうれしくなってしまうのだ。 札幌でも徳島でも、ポロロはポロロなのである。
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一時期この黒い蓋に飽きてしまって、あまり遊ばなくなっていたそうだが、最近はまたお気に入りとして復活してきたらしい。
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今日の午前中のポロロの黒い蓋遊びは実にスリリングだった。 この蓋を咥えて水中に潜り、そしてこれをプールの補助台のフレームの中に入れてしまい、そして今度はそれを自分で潜って取り出すという実に刺激的な遊びである。 これを5回ほど繰り返してやっていた。 こういう遊びを行う幼年個体を見た記憶がないのである。 わざわざ取りにくい場所に蓋を入れ、そしてそれを一生懸命回収するという実に冒険心に満ちた遊びである。 見ていてハラハラしたほどである。 その映像を下のように撮ってみた。



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こうしてお気に入りの黒い蓋を回収して満足感を味わうのである。 今までとは少し違うポロロの一面を見た気がする。 進化するホッキョクグマ、ポロロである。
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このポロロは、やはり徳島の気温は不快だとはっきりと感じているように見える。
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不快だからこそポロロは水の中にずっと留まっているのである。 ところが、やはり暑い土地の動物園で暮らすホッキョクグマには、あまり暑さを感じていないかのようにそれほど水に入らない個体もいるのである。 私はそういう個体はむしろ危険なのではないかと考えている。 「暑い土地にもかかわらず...」 という 「かかわらず」 を忘れては困るのである。 彼らに無理を強いていることを認識しておかなければならないだろう。
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このポロロは高い気温の不快感を自分なりのやり方で回避・克服しようとしている。
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それはまるで、「痛みの快感」 を感じさせるリヒャルト・ヴァーグナーの音楽のようですらある。
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モスクワ動物園の飼育担当主任がかつてこう言っていたのを聞いたことがある。 「ホッキョクグマの繁殖にとっては、夏の暑さは必ずしも問題があるとは言えない。 ただし、冬になってマイナスの気温が何日も続くことが重要である。 冬になって寒冷化しない土地では、雄(オス)の繁殖能力に悪い影響が出てくる...。」  ポロロは雌だからあまり関係がないということになるのだろうか。
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ポロロは避暑をしているだけではない。 遊び心を自ら点火させ、そして遊び始める。
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水中では「動(遊び)と静(避暑)」の二つの面を見せてくれるポロロである。

Nikon D5300
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR
(Jun.28 2014 @とくしま動物園)

(過去関連投稿)
とくしま動物園でのポロロ歓迎式、そしてポロロの自信に溢れた徳島での公式デビュー
ポロロ、その優れた適応性、そしてその執着力が予感させる器の大きさ ~ 大輪晩開の花
熊本市動植物園での、いささか精彩に欠いたマルルの熊本公式デビュー ~ "Marle of Our Time"
マルル、その「正統派ホッキョクグマ」 が克服を期待される試練 ~ 「我らが時代」のホッキョクグマの姿
熊本市動植物園でマルルの歓迎会が開催される
大きく成長を遂げつつあるポロロ ~ クーニャよりもシヌックの影を強く感じるララファミリーの子供たち
冷雨の日曜日、間近に見るポロロの表情 ~ 亡きシロー爺さんに見守られているポロロが優位に立つ
マルルの "Perpetuum mobile" ~ 公開後、約一か月が経過したマルル
マルルに当分の苦境は続くか? ~ "Every cloud has a silver lining."
マルル、まどろみの日曜日
ポロロとマルルが暮らす徳島と熊本の二つの動物園の印象 ~ 「組織の徳島、人の熊本」
マルルが取り戻した快活さの裏側 ~ 多大な労力で「幻影」の維持を強いられる飼育員さんへの同情
熊本の夏の入り口の暑さにも動きが鈍らないマルル ~ in/outdoorの扉開放方式の試験的導入が成功
夏の暑さの到来した徳島にあっても、立ち止まることなく前進するポロロの「快進撃」
ポロロこそララの後継熊なのか? ~ マルルを突き放し姉のアイラに肉薄する稀有の逸材の歩む道
真夏日の徳島、ポロロのゆったりとした日曜日
「正統派・アポロ的ホッキョクグマ」であるマルルの逆襲の条件を探る ~ 精神の自由の付与で「快適さ」へ
by polarbearmaniac | 2014-06-28 23:30 | しろくま紀行

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