街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum
by polarbearmaniac
ベルリン動物園のカチューシャが展示場内のプールで羽を休めたマガモを捕食

昨日の火曜日の午前のことだったようです。 ベルリン動物園でのホッキョクグマ飼育展示場のプールにマガモが羽を休めるために着水するのはごく普通の光景だったにもかかわらず、この日の一羽のマガモはいささか油断していたようです。 このマガモが水面に降りたのを目ざとく見つけた29歳の雌のホッキョクグマのカチューシャは素早くマガモを両脚で捕まえ、そして匂いをかいだわけでした。非常においしそうな獲物であることがわかったカチューシャはそのマガモをその日二度目の朝食としてしまったそうです。

ベルリン動物園のキューネ飼育員さんは報道のインタビューに答えていともあっさりと、「別にどうということはないですよ。マガモはビタミンA、E,Dが含まれていますからね。」と非常に冷静です。 以前やはりベルリン動物園のホッキョクグマはアオサギを捕まえたことがあったそうですが、アオサギには鋭いくちばしがあったことで救われたそうです。 その点、マガモの丸いくちばしではホッキョクグマに抵抗は不可能だったということになります。
先日もウィーンのシェーンブルン動物園でリンがクジャクとカラスを捕食してしまったことはご紹介していましたが、こういうことはホッキョクグマたちにとっては単調な生活を打ち破る大きな刺激になっているだろうことは間違いないでしょう。 鳥たちには気の毒ですが、まあしょうがないでしょう。 こういう生き物の世界では油断しているほうに非があるということです。
このカチューシャというのは非常に上品な顔立ちをしたホッキョクグマで、現在ベルリン動物園で暮らしている三頭の雌のうちのリーダー格といったところです。 あのクヌートがこの雌の三頭と同居した時にクヌートに最も敵対的な態度をとったのも、このカチューシャでした。 このカチューシャの映像を二つご紹介しておきましょう。 最初のものは2012年、次は2013年、いずれも大晦日の日にベルリン動物園で撮ったものです。
ベルリン動物園では29歳のカチューシャ、27歳のトスカ、そして24歳のナンシーという雌三頭が同居しているわけですが、彼女たちを長い時間観察していますと、ホッキョクグマの世界にもやはり年長者や先輩を敬うという雰囲気があることがわかりました。 少なくともこの三頭の間ではそういう関係があります。 トスカとナンシーがカチューシャに対しては敬意をもって半歩下がっているという感じでした。 こういうことがわかったのもベルリン動物園訪問の成果だったと思っています。
(資料)
B.Z. Berlin (Jul.22 2014 - Eisbär-Happen: So ein trauriges Ente !)
BILD (Jul.22 2014 - So ein Pechvogel | Das nimmt ein schlimmes Ente!)
(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac
| 2014-07-23 21:30
| Polarbearology
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