
街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum
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札幌・円山動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 「大本命」 ララの堂々たる出産

札幌・円山動物園より発表がありました。 同園で飼育されている20歳のララが12月21日の日曜日、夜8時過ぎに一頭の赤ちゃんを出産したそうです。 誕生後三日間が経過した現時点では授乳音も確認できているそうです。
(*追記 - 北海道放送の報道 によれば、「鳴き声は、21日の午後8時15分ごろに記録され、そのおよそ2時間後には授乳する音も確認されました。」 ということだそうです。) 今回は撮影範囲外となる奥側の産室で出産しているためモニター映像では出産および赤ちゃんの様子を映像では確認できない位置にいるとのことです。 生後約72時間の最大の関門突破を目安として本日の午後に発表になったのだろうと思います。 ホッキョクグマの繁殖に関する情報発表ではいつもの同園らしい、なかなか手堅い出産の事実公表のスケジュールだろうと思います。 それにしても、さすがに 「世界レベル」 の雌のホッキョクグマの実力を見せつけられたというところでしょうか。

さて、今回のララの出産ではララの妊娠期間 (Pregnancy Duration/Total Gestation times) は260日間となるはずです。 先日の投稿である 「円山動物園のララの出産日、出産頭数、性別を過去のデータで予想する(後) ~ データが示すララの"女腹"」をご参照頂きたいのですが、出産日の範囲の 「(8)ララが12月21~25日に出産した場合」 に該当します。 その時の予想では、「この場合ですが、妊娠期間 (Pregnancy Duration) は260日から264日となります。 この期間では双子の確率は減り一頭の出産となる確率が増えます。 そして性別は雌の可能性が高いでしょう。」 と私は述べたのですが、頭数についてはその予想でほぼ当たっていたことになり、問題は性別ですが現在でもやはりその予想を維持して、私は今回の赤ちゃんの性別は「雌(メス)」 と予想しておくことにします。 つまり、ツヨシ、ピリカ、アイラに続く雌の一頭ということになるだろうと思っています。

それにしてもさすがに「大本命」である世界のララだけのことはあります。 私の出産日の予想では12月15日をその出産の可能性のピークとする12月13日~18日の間と考えていましたが、イーゴリ・トゥマノフ氏の研究報告のデータからの予想よりはやや少し遅れたかなという程度でしたね。 ちなみに今までのララの出産における妊娠期間 (Pregnancy Duration/Total Gestation times) をまとめておきます。
1.ツヨシ (2003年12月11日誕生) 253日間
2.ピリカ (2005年12月15日誕生) 216日間
3.イコロ、キロル(2008年12月9日誕生) 264日間
4.アイラ (2010年12月25日誕生) 273日間
5.マルル、ポロロ (2012年12月8日誕生) 264日間
6.NN (今回) (2014年12月21日誕生) 260日間
さて、こうやって並べてみますと今回のララの260日間という妊娠期間 (Pregnancy Duration/Total Gestation times) は彼女にとってはごくごく平均的な日数ですね。 出産が少し遅いのではないかと心配する向きもあったかもしれませんが、彼女にとっては今までの出産と似たようなペースの道のりを歩んできたということです。 ですから、今回の出産が遅かったということにはならないわけです。10月、11月と出産を期待されている彼女の様子を静かに観察していましたが、マルルとポロロを産む直前の時期よりもさらに一層、もう完全に「筋に入った」 という様子でした。 あの状態では年末のララの出産は当然だといった感じでした。 (*追記 - 朝日新聞の25日付報道では円山動物園の担当者の話として、「ララは慎重な性質だが今回は例年以上に落ち着いた様子で出産に臨んだ」 というコメントを掲載しています。)
産室収容を控えたララの表情(1) - Lara in meditaion (1), before
her full retreat to the maternity den, at Sapporo Mauruama
Zoo, Japan, on Nov.3 2014.
産室収容を控えたララの表情(2) - - Lara in meditaion (2), before
her full retreat to the maternity den, at Sapporo Mauruama
Zoo, Japan, on Nov.3 2014.
それにしてもデナリの冴えわたった、ここが勝負所といった時を決して逃さない「勝負師」 としての仕事振りは今回も実に素晴らしいものでした。 ララとキャンディの二頭を妊娠させた能力は実にたいしたものです。 「仕事師デナリ」 の面目躍如といったところでしょうか。

オランダ・レネンのフリーダム、モスクワのシモーナ、札幌のララが今年の繁殖シーズンにおける出産可能性としては世界の 「大本命(S)」 の 「三羽烏」 と私は考えてきましたが、これでフリーダムとララが出産し、残るはシモーナですが、おそらくもう彼女も出産しているでしょう。 シモーナの場合は来年発表になると思います。
産室内では全てをララにまかせるしかありません。 我々は黙って見守る以外にはないということです。
(資料)
札幌市・円山動物園 (動物園たちの様子/Dec.24 2014 - ホッキョクグマのララが出産しました! )
Reproductive Biology of Captive Polar Bears (by IGOR TUMANOV. Research Institute of Nature Conservation of the Arctic and North, St. Petersburg, Russia)
ホッキョクグマの繁殖に関する一考察 (札幌市円山動物園)
(過去関連投稿)
ララが降誕祭に生んだ赤ちゃんの性別を予想する!
ホッキョクグマ出産統計から見た傾向を再確認する ~ 出産シーズンに向けての知識整理
ドイツ・ヴッパータール動物園で誕生の赤ちゃんの性別を過去のデータで予想する
ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(5) ~ 赤ちゃんの頭数・性別は事前予測可能か
ララの赤ちゃんたちの性別を過去のデータを用いて予想する!
札幌・円山動物園のキャンディにとっての12月6日 ~ 平均出産予定日とイケメン飼育員さんが救った命
男鹿水族館のクルミの出産日、出産頭数、性別を過去のデータで予想する ~ 「11月30日前後に雄か雌の一頭」
円山動物園のララの出産日、出産頭数、性別を過去のデータで予想する(前) ~ 「12月15日前後に雌の双子」
円山動物園のララの出産日、出産頭数、性別を過去のデータで予想する(後) ~ データが示すララの"女腹"
ララが忘れぬ童心 ~ 新しい感情領域 ("Larasophia") を切り開き、新境地を開拓した名ホッキョクグマ
仕事師デナリ、その活躍の光と影 ~ 彼の繁殖の舞台からの 「強制引退」 はありえるのか?
by polarbearmaniac
| 2014-12-24 15:00
| Polarbearology
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