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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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デンマークのオールボー動物園が雌のメーリクとヴィクトリアのパートナー候補の雄を世界中に求めて調査中

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メーリク Photo(C)Sussi Køber/Aalborg Zoo
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ヴィクトリア Photo(C)Sussi Køber/Aalborg Zoo

実に興味深いニュースがデンマークより流れてきています。 昨年の4月に「デンマーク・オールボー動物園でヴィクトリア、メーリク、ミラクの雌3頭の奇妙な同居生活 ~ 展望なき繁殖」 という投稿をしていますが、デンマークのオールボー動物園で暮らす雌のメーリク(14歳)とヴィクトリア(18歳)には現在はパートナーがいないため、オールボー動物園はこの二頭の雌のパートナーを得るために世界中の動物園を視野に入れて雄のホッキョクグマを探しているというニュースです。 このメーリクとヴィクトリアはすでに出産経験も育児経験もあるわけで繁殖能力は証明済みですから、さらに繁殖に寄与させたいということが理由のようです。 ヴィクトリアの娘のミラクはカナダのサンフェリシアン原生動物園に最近移動していますので現在のオールボー動物園にはメーリクとヴィクトリアの雌の二頭しか飼育されていないわけ繁殖への環境条件は揃っているわけです。 オールボー動物園が求める雄のホッキョクグマについてはBL、もしくは無償譲渡を条件としているそうです。
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ロストック動物園のラルス Photo(C)Rostock Heute

オールボー動物園の担当者によりますと、すでに候補として考えているのはドイツとカザフスタンのそれぞれ一頭のホッキョクグマのようです。 前者はロストック動物園のラルスだそうで、ラルスはメーリクのパートナーとして3月にオールボー動物園に移動してくる予定ではあるものの暫定的な賃借であり、いつまでオールボー動物園に留まるかはわからない不安定な状態での移動のようです。 ですからまだ完全には決定という段階ではないような印象を持ちます。 ラルスの現在のパートナーはヴィルマであり、ヴィルマは現在産室内で育児中ですのでラルスの出張は確かに可能ではありますね。 
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ノイミュンスター動物園のカップ Photo(C)Tierpark Neumünster

私はノイミュンスター動物園の13歳の雄のカップが何故第一候補に挙がってこないのか不思議に思うのですが、カップはまだパートナーがいないわけでノイミュンスター動物園も彼のパートナーを獲得したいと以前から考えていることは度々報じられているわけです。 これは推測ですがカップが第一候補となっていないのは彼に本当に繁殖能力があるのかが証明されていないということに難点があるからかもしれません(その点ラルスは完全に証明済です)。 カップはモスクワ動物園でムルマお母さんの二番目の子供として生まれているのですが、このムルマの血統というのは「アンデルマ・ウスラーダ系」と比較すると繁殖能力の点でいささか難点があるのではないかと私は以前から考えており、こういった点において血統的にはシモーナのほうがムルマよりも遥かに優っているように考えています。 
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アルマトイ動物園のアリコル 
Photo(C)Алибек Кенжебеков/Казинформ

それからもう一頭のカザフスタンのホッキョクグマですが、これはもうあのアルマトイ動物園のアリコルに間違いないでしょう。 オールボー動物園はすでにアルマトイ動物園に問い合わせを入れたそうですが現在のところまだ色よい返事がないそうです。 アリコルはもう25歳になっているはずですしアルマトイからデンマークまでの輸送というのは通常は運送量の多くない路線ですのでいざ運送しようとすると予想以上の金がかかることは間違いないでしょう。 しかしアリコルはメーリクやヴィクトリアとは全く血の繋がりがありませんのでオールボー動物園はその点で彼を評価しているようです。 しかしアルマトイ動物園とは意外なところにまで眼を付けたものです。 (*追記 - このアリコルは繁殖能力は証明済みです。 チェコ・ブルノ動物園のウムカはこのアリコルの息子です。)
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イコロ (2012年10月21日撮影 於 おびひろ動物園)
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キロル (2013年3月16日撮影 於 浜松市動物園)

さて、私に言わせれば日本のイコロとキロルは本当のところ、こうしたものに手を挙げておいて欧州に認知を得ておくことが必要だろうと思います。 いつかも書きましたが、健康証明やら予防接種証明やらという欧州行には極めてハードルは高いと思いますが、「ダメでもともと」 でオールボー動物園に話をしてみるのは悪いことではないと思います。 特に「ロストック系」のヴィクトリアのパートナーとしては年齢差があるものの、欧州サイドから見ればイコロやキロルは「ロストック系」以外の得難い血統ですから、考え様によっては魅力的に映るはずです。 ただしこの二頭は繁殖年齢には達しているものの繁殖能力が証明されていない点ではノイミュンスター動物園のカップのケースと同じということです。 しかしイコロとキロルについては国際的な観点に視野を広げつつパートナー探しをしておくことが早急に必要でしょう。 日本国内ばかり見ていては埒があきません。 チャンスを見つけて思い切ってこの二頭のうちのどちらかを早めに欧州に送り込むべきでしょう。 そうでないと彼らにはパートナーを得る見込みは非常に少なくなってしまうわけです。

それからもう一つ気になるのは、このオールボー動物園はEAZAのコーディネーターの動きとは別の形で独力でメーリクやヴィクトリアのパートナー探しをしているようで、これは以前から私が感じているのですがオールボー動物園とEAZAのコーディネーターとの間のギクシャクとした関係を示していることなのかもしれません。

(資料)
NORDJYSKE (Jan.23 2015 - To hun-isbjørne søger nu herrebekendtskab)
TV2 (Jan.23 2015 - Nordjyske single-isbjørne søger friske handyr)
Казинформ (Nov.8 2014 - Алматинский зоопарк отмечает 77-летие)

(過去関連投稿)
デンマーク・オールボー動物園でヴィクトリア、メーリク、ミラクの雌3頭の奇妙な同居生活 ~ 展望なき繁殖
ドイツ・ノイミュンスター動物園、悲願へのハードルの高さ ~ カップのパートナー探し難航
モスクワ動物園のムルマ(3) ~ 初産、そして訪れた危機
ドイツ・ノイミュンスター動物園のカップが同園展示場の地表改良工事のため一時的にハノーファー動物園へ
ドイツ・ハノーファー動物園のカップ (豪太の兄)が施設改修工事の終了したノイミュンスター動物園に帰還
カザフスタン・アルマトイ動物園、アリコルの独居の「孤独」
カザフスタン ・ アルマトイ動物園に暮らすアリコルへの朗報 ~ 動物園大改修計画による飼育環境改善へ
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの近況 ~ 地元のファンの温かいまなざし
by polarbearmaniac | 2015-01-25 07:00 | Polarbearology

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