街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum
by polarbearmaniac
鹿児島・平川動物公園のホクトが亡くなる ~ 34歳の老いた母を遺して相次いで逝った三頭の息子たち

鹿児島の平川動物公園から発表がありました。 同園で飼育されていた24歳の雄のホッキョクグマであるホクトが肝臓がんのため3月12日に亡くなったとのことです。 同園の発表によれば昨年11月中旬頃から体調不良で元気がなくなり、食欲不振が続いていたため補液や抗生剤、ビタミン剤等の投与を続けていたものの回復することはなかったそうです。

それにしても偶然とは思えぬような兄弟の相次ぐ死です。 去る2月5日にこのホクトの弟であるオランダ・ロッテルダム動物園のエリックが21歳の若さで腎不全で亡くなったばかりです。 このホクト、そしてエリックの母親は現在ベルリン動物園で暮らす34歳のアイカです。

このアイカには三頭の息子がおり、長男が人工哺育された故ビョルン・ハインリヒ、二男がホクト、三男がエリックというわけです。 この長男のビョルン・ハインリヒは2011年にやはり24歳で亡くなっているのですが、彼の娘が姫路のユキと仙台のポーラということになります。 ですからホクトはユキとポーラの叔父でもあったわけです。 このホクトに対する私の抱く感情については「南国・薩摩に生きるホッキョクグマたち ~ 欧州現代史激動期のベルリンに生を受けたホクトへの親しみ」 という投稿をご参照下さい。 「私にとってのホクト」 は全てそれに書いてある通りです。 私はこのホクトも彼の兄であったビョルン・ハインリヒと同様に人工哺育されたのではないかと考えていたわけで(後日、そうではないことが判明しました)、その点については 「ホクト(鹿児島・平川動物公園) の行動から推測する彼のベルリンでの幼年時代」 という投稿をご参照下さい。

ホクトの健康状態が悪化していて全く展示されていない状態だという話は今年に入ってから聞いていた話でした。 内心危惧していましたが、やはりこうして彼の訃報に接しますと、私に思い浮かんだのは初秋のベルリンの青い空でした。 彼の魂は生まれ故郷のベルリンに戻ったのだと私は信じています。
謹んでホクトの死に哀悼の意を表します。安らかに眠ってください。
(資料)
平川動物公園 (お知らせ/Mar.13 2015 - ホッキョクグマの「ホクト」が死亡しました。)
読売新聞 (Mar.14 2015 - ホッキョクグマのホクト天国へ 平川動物公園飼育23年)
(過去関連投稿)
南国・薩摩に生きるホッキョクグマたち ~ 欧州現代史激動期のベルリンに生を受けたホクトへの親しみ
旧東ベルリンのベルリン動物公園へ ~ アイカとトーニャの2頭の雌に御挨拶
32歳となったアイカの素顔 ~ 老いを感じさせぬプライドの高さと足腰の強靭さ
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セルビア・パリッチ動物園のビョルン・ハインリヒ死す ~ ユキ(姫路〕 とポーラ(仙台) の父親の訃報
ホクト(鹿児島・平川動物公園) の行動から推測する彼のベルリンでの幼年時代
33歳になったアイカ、その誇り高きプライド ~ 心配される足腰の衰え
オランダ・ロッテルダム動物園のエリックが亡くなる ~ 双子の赤ちゃんを遺した父親の21歳の早過ぎる死
by polarbearmaniac
| 2015-03-14 17:30
| Polarbearology
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