街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カザン市動物園、その疑惑と謎に満ちた不可解な状況 ~ マレイシュカとの再会

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さて、問題のカザン市動物園(Казанский зооботсад /Зоопарк в городе Казань) にやってきた。ここに来るのは三度目である。前回訪問した二年前と違い、ちゃんとした正門ができている。
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マレイシュカさん、二年ぶりになりますね! ペルミであなたの娘であるユムカに会ってきました。実に元気でしたよ。
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このマレイシュカは現在19歳でサンクトペテルブルクの女帝ウスラーダの妹にあたるのである。 顔付きは確かにウスラーダに非常に似ており、そしてウスラーダの長女であるモスクワ動物園のシモーナにも似ているのだ。彼女は現在まで四頭の出産・育児に成功している。彼女は誕生から今までをずっとこの動物園で暮らしてきた。


マレイシュカの表情

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問題のユーコンの姿は影も形も見えない。マレイシュカが一頭でいるだけである。
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本当に劣悪な飼育環境である。


カザン市動物園ホッキョクグマ飼育展示場概観

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ユーコンはいつもこちら側にいて、ここからよく外を眺めていた。その彼の姿はもうないのである。
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昼の給餌の時間となった。


マレイシュカへの給餌

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上の映像の飼育員さんに聞いてみる。この方は副担当ではないかと思われる。「ユーコンはどこにいるのですか?」、「ユーコンはいませんよ。彼は帰郷しました。」、こういう返事であった。 飼育員さんは「帰還」に"домой"、という単語を使っていたが、これは「ダモイ」、つまり第二次大戦で満州でソ連軍の捕虜になった日本軍の兵士に対してソ連軍が「これからあなた方はダモイだ。」と言ったために日本人捕虜は帰国できると大喜びしたにもかかわらず、乗せられた列車は日本海の方角ではなくシベリアの奥地に向けて移送され、そして日本人捕虜に待っていたのはシベリアでの重労働だったのである。 これが「シベリア抑留」ということである。日本人捕虜たちは"домой"(ダモイ)というロシア語は全員知っていた。なぜなら"домой"(ダモイ)と言われることは待望の日本帰国を意味していたからである。今回の件で飼育員さんが"домой"と言ったのは、チェリャビンスク動物園から繁殖のために出張してきていたアルツィンがチェリャビンスクに戻ったことを指しており、ユーコンのことではないと考えられる。こうやっていつもいつも、その場限りの返事をするのがこの動物園のスタッフなのである。ではユーコンはどこに行ったのか? 彼はペルミに"домой"(ダモイ)したわけではないのである。何故なら私は昨日までペルミにいたがペルミ動物園にユーコンの姿などなかったからである。ユーコンは「消えた」のである。
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Nikon D5500
Tamron 16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO
Panasonic HC-W870M
(Aug.14 2015 @ロシア連邦タタールスタン共和国、カザン市動物園)

(過去関連投稿)
ゴーゴの父親ユーコンがペルミ動物園を去り新天地へ!
ロシア・カザン市動物園のユーコン、その日常の姿 ~ 遠征での映像より
ロシア・カザン市動物園のユーコン (大阪・ゴーゴの父) の惨憺たる悲惨な姿 ~ 環境改善を!
ロシア・カザン市動物園の移転計画とその障害 ~ 劣悪な飼育環境の改善は実現するか?
ロシア・カザン市動物園に短期出張したアルツィンがチェリャビンスク動物園に帰還 ~ 行方不詳のユーコン
by polarbearmaniac | 2015-08-15 05:15 | 異国旅日記

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