街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ムルマ(Белая медведица Мурма)の置かれた苦境 ~ ウランゲリとの微妙な関係

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このムルマはなんといっても男鹿水族館の豪太の母親として日本との繋がりをもっている。彼女はバレンツ海出身の野生個体であり、現在推定24歳、または25歳である。彼女はロシアの血統情報の混乱はあるにせよ、現在まで8頭の子供の出産・育児に成功していることになっている。札幌のララと同数である。
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このムルマは雌としてはかなりの巨体であり、シモーナよりも一回り以上大きく見える。
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彼女はいわゆるロシアの飼育下の雌のホッキョクグマ特有の体型をしており、この上の写真のような状態だからといって出産に備えて給餌量が増やされているとは言えないのである。そもそも以前にもご紹介しているが、モスクワ動物園は繁殖を担う雌は通常の時期でも給餌量が多く、秋口から大きく増やすということはやらない方針だそうである。ムルマは育児中であってもこのような体型をしていたのを私は見ている。

今日のムルマの様子

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しかしそのムルマがピンチである。 彼女のパートナーだったウムカ(ウンタイ)が亡くなってしまったために彼女にはパートナーがいなくなってしまい、モスクワ動物園は急遽ウランゲリを彼女のパートナーに当てがったのである。今年はシモーナが育児の年回りなのでウランゲリを暇にさせておかずにムルマとのペアリングを狙ったのだが、ウランゲリとムルマの相性は私が見たところあまり良好ではない。
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ムルマの現在の年齢から言えば、このウランゲリとの間での繁殖に成功しないと、これからの彼女が繁殖に貢献することが極めて難しい年齢になっていくのである。
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しかしウランゲリはもうあまりムルマのことを考えていないようにも見える。
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モスクワ動物園の担当者がマスコミに語ったところによれば最初はウランゲリは攻勢をとっていたがムルマに嫌われたらしい。私の見たところウランゲリはムルマの存在を避けているようになってきたのである。ある意味ではウランゲリは開き直ってしまったのである。

ムルマの存在を気に留めず寝ているウランゲリ

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いささか困った状況である。ムルマには後がないといった状態である。 来年春の繁殖シーズンにはウランゲリは再びシモーナと同居するだろう。 そうなるとムルマのパートナーは他園から連れてくるということなのだろうか?
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事態の進行を注意深く見守りたい。 モスクワ動物園のお手並み拝見といったところである。

Nikon D5500
AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR
Panasonic HC-W870M
(Sep.29 2015 @モスクワ動物園)

(過去関連投稿)
モスクワ動物園の飼育主任エゴロフ氏の語るシモーナとムルマ ~ 幼年個体の単純売却は行わない方針へ
by polarbearmaniac | 2015-09-30 05:50 | 異国旅日記

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