人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちが元気にウラル地方のキーロフ公演へ

 ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちが元気にウラル地方のキーロフ公演へ_a0151913_12274432.jpg
モーチャとホフロフ氏 Photo(C)Комсомольская правда

サーカスのホッキョクグマ調教師であるユリア・デニセンコ女史とその夫であるユーリ・ホフロフ氏がその都市のサーカス団に参加する形で四頭のホッキョクグマであるモーチャ (Мотя)、ウムカ (Умка)、クノーパ (Кнопа)、ドーラ (Дора)を引き連れて巡業を続けていますが、今度はモスクワから900キロ東にあるウラル山脈の西側山麓の都市であるキーロフのサーカス団に加わって6月4日から演技を行うことになりました。
 ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちが元気にウラル地方のキーロフ公演へ_a0151913_23555336.jpg
毎回述べていますが、私はホッキョクグマにサーカスで演技させることはもちろん大反対ではありますが、少なくとも彼らがケガや病気がなく元気でいることを知るためにも、こうして彼らの姿を追い続けているということです。現在世界のサーカスでホッキョクグマが演技を行っているのはこの四頭だけになっているわけです。キーロフサーカス(Кировский цирк)も報道も四頭のホッキョクグマが演技を行うと予告していますので彼等は全て元気であることがわかりました。キーロフサーカスの予告映像を下に御紹介しておきます。



以下に前回2012年にこのホッキョクグマたちがやはりこのキーロフ公演を行った際の彼らの控室での様子を御紹介しておきます。




このキーロフという街の名前はソ連の政治家であったセルゲイ・キーロフ (Сергей Киров 1886~1934)に由来しています。
 ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちが元気にウラル地方のキーロフ公演へ_a0151913_045946.jpg
セルゲイ・キーロフ (Сергей Киров 1886~1934)

このセルゲイ・キーロフはレニングラード(現在はサンクトペテルブルク)の共産党の第一書記でしたが1934年に党員だったレオニード・ニコラエフという男によってレニングラードで暗殺されたわけです。当時キーロフは非常に人気が高かったためにそれを妬んだスターリンによって暗殺されたのだという考え方が現在まで非常に根強かったわけです。ただしその証拠はソ連崩壊後に大量に公開された当時の資料でも発見できていません。
 ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちが元気にウラル地方のキーロフ公演へ_a0151913_131465.jpg
1934年に暗殺されたキーロフの遺体

このキーロフ暗殺事件の背景については不明の点が多いわけですが、殺害の実行者を含め、事件の関係者はすべてその後に抹殺されているという恐ろしさは、やはり黒幕はスターリンだったという説の根強い理由となっています。ソ連崩壊後のロシアでは、さかんにソ連時代の歴史、特に暗黒のスターリン時代について特定の個人にスポットを当てた歴史検証のドキュメンタリー番組がシリーズで非常に多く制作されていますが、私はここのところ週末にはすっかりそれに夢中になっており、一日にいくつもの番組をネット上で見ています。このキーロスについてそういった番組を御紹介しておきます。キーロフの暗殺の真相への考察といったものに触れています。

Исторические Хроники с Николаем Сванидзе - Сергей Киров

次の二つは「キーロフ暗殺の謎(Загадка убийства Кирова)」という二回シリーズのドキュメンタリー番組です。実にスリリングな内容です。





さて、北海道大学のスラブ研究センターの研究員だったアメリカのロチェスター大学のマシュー・レノー氏は実に興味深い内容のエッセイを書いているのですが、このキーロフ暗殺の真相を解く鍵となるものを北海道大学の図書館で発見したわけです。「キーロフ殺害の鍵は北大図書館の本棚にあり」というエッセイ(日本語訳)を是非ご参照下さい。

(資料)
Кировский цирк («Шоу белых медведей»)
Мария ФМ (May.24 2016 - Белые медведи устроят шоу в кировском Цирке)
Vyatka.ru (May.24 2016 - Кировчанам покажут цирковое искусство на грани человеческих возможностей)
Комсомольская правда в Кирове (Mar.24 2012 - Белых медведей в Кирове купают в специальном бассейне и включают музыку на ночь)
Аргументы и Факты (Mar.27 2014 - Человек из Уржума. Правда и мифы о Сергее Кирове)
BBC (Dec.1 2014 - Убийство Кирова: узнаем ли мы когда-нибудь правду?)

(過去関連投稿)
(*サーカスのホッキョクグマ関連)
トスカ(クヌートの母)とサーカス団の悲しきホッキョクグマたち
サーカス団のホッキョクグマ今昔物語
サーカスを「引退」し余生を送るホッキョクグマ ~ ウクライナ・ハリコフ動物園のティムの夏
サーカス団(ロシア)のホッキョクグマの訓練風景
ロシアの氷上サーカスでスケート演技をするホッキョクグマのラパ ~ その引退の日は遠し
ロシアの氷上サーカスのホッキョクグマ ~ 現役で活躍するラパ、そして引退したホッキョクグマたちの余生
ロシアの氷上サーカスのホッキョクグマのラパ、ベラルーシ公演でも大好評となる
ロシアの氷上サーカスに出演のホッキョクグマたち、元気に公演を続ける
ロシアの氷上サーカスに出演のラパたち5頭のホッキョクグマの最近の様子
ロシアの氷上サーカス団のホッキョクグマたち、モスクワのボリショイサーカスに出演し大好評
ロシアの氷上サーカス団でスケート演技をするラパに遂に引退の日来る ~ スタロースコルィスク動物園へ
ロシア・クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官が陸路5日間で無事にスタロースコルィスク動物園に到着
ロシア西部、スタロースコルィスク動物園でのラパとセードフ司令官の近況 ~ ラパの健康状態への危惧
ロシア西部、スタールイ・オスコル市のスタロースコルィスク動物園で、ラパとセードフ司令官の同居が始まる
ロシア・スタロースコルィスク動物園のラパとセードフ司令官が黒海沿岸のゲレンジーク・サファリパークへ
ロシアの氷上サーカス団の四頭のホッキョクグマたち、元気にヴォルゴグラード公演を行う
ロシアのサーカス団の四頭のホッキョクグマたち、元気にロストフ・ナ・ドヌ公演に登場
ロシアのサーカス団の四頭のホッキョクグマたち、元気にサンクトペテルブルク公演へ
極地で死ぬかサーカスで生きるか? - "Смерть на полюсе или жизнь в цирке?"
ロシアのサーカス団の四頭のホッキョクグマたち、元気に今度はイジェフスク公演へ ~ 尊厳とは何か?
ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちがアストラハン、ヴォルゴグラードと元気に公演を続ける
ロシアのサーカス団の4頭のホッキョクグマたちがヴォルガ河下流のサラトフで新演出の公演へ
ロシアのサーカス団の四頭のホッキョクグマたちのサラトフ公演が始まる ~ "Жизнь в цирке"
(*巡回動物園関連)
ロシア・モスクワ郊外の私設動物園の悲惨な現実
サーカス団のホッキョクグマ、ダーニャは何処に消えた? ~ サーカス団と巡回動物園とを結ぶ暗黒
by polarbearmaniac | 2016-05-24 02:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索