人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

ドイツ・ロストック動物園のフィーテの成長 ~ 「ロストック系」のプリンスの逞しさ

ドイツ・ロストック動物園のフィーテの成長 ~ 「ロストック系」のプリンスの逞しさ_a0151913_001473.jpg
フィーテ (Eisbär Fiete/Белый медведь Фиете)
Photo(C)Zoo Rostock & Darwineum

一昨年2014年の12月3日にドイツ北部にあるロストック動物園でヴィルマお母さんから誕生した雄のフィーテ(Fiete)については久し振りの投稿になります。考えてもみれはこのフィーテは札幌のリラや浜松のモモと同じ年齢であるわけです。ただしこのフィーテは雄(オス)ですので、彼と雌(メス)であるリラやモモの違いというのは成長するにつれやはり感じてくることは間違いないものと思われます。昨年に「ドイツ・ロストック動物園のフィーテが一歳へ ~ 彼こそがリラの将来のパートナーの最有力候補か?」という投稿を行っているのですが、仮にもし円山動物園が欧州との個体交換交渉に成功したとすればこのフィーテは血統面からも年齢面からも札幌にやってくるその最有力候補のうちの一頭となるでしょう(まあそううまくはいかないでしょう)。フィーテはいわゆる「ロストック系」のプリンスという存在だからです。そうした観点からこのフィーテの成長を追っていくのも興味深いことかもしれません。

さて、前回の投稿は昨年12月に行われたフィーテの一歳の誕生会についてでしたが、それから今日までのフィーテ、そして彼の母親である現在13歳であるヴィルマお母さんの姿をいくつかの映像で見てみましょう。

まず下は昨年12月30日のものです。



ウーン.....私の目には昨年の12月頃の大阪のモモのほうがもっと器用に遊んでいたように記憶していますが......。 さて、次は今年の2月の映像です。寝ているのはヴィルマお母さんです。フィーテが授乳を求めて唸りまくっていますので音声をonにして下さい。



ヴィルマお母さん、「しょうがないわね。」という感じで体勢を変えています。フィーテの体が急に成長したような印象も受けます。 さて、次は今年の5月の映像です。フィーテの動きもなかなか逞しくなっています。さすがに雄のホッキョクグマだと思います。



ロストック動物園というのはおもちゃをいくつも与えるといったエンリッチメントはあまりやっていないようす。 さて、次は今年の7月の映像です。下にいるのがフィーテです。



とにかくフィーテの成長によって体がますます逞しくなっているのに驚かされます。しかしヴィルマお母さんは終始そのフィーテに対して力による優位性を維持して譲りません。これは母親として大事なことなのです。しかしそれがいつまで続くかは問題でしょう。

このフィーテはおそらく秋には欧州における雄の幼年個体の集中プール基地であるイギリスのヨークシャー野生動物公園に移動するものと思われます。ちなみにこのフィーテの父親はあの故クヌートの父親であったラルス(現 デンマーク・オールボー動物園)です。先日の投稿のように「猫は父親の性格が遺伝する」というのがホッキョクグマにも当てはまるとすれば、フィーテと故クヌートの性格は似ていなければならないわけですが、こればかりは何とも言えません。このフィーテの成長をこれからも注意して追い続けたいと思います。

ホッキョクグマには本来、国民性などあるはずはないのですが、私にはやはりロシアのホッキョクグマとドイツのホッキョクグマはどこかが違っているように見えてしょうがありません。年齢が一歳違うので本当は比較するべきではないのですが、私の感じでは同じ雄でもこのフィーテよりもノヴォシビルスク動物園のロスチクのほうに親近感を感じます。ロシアのホッキョクグマであるロスチクのほうがフィーテよりも将来的にはパートナーに対して包容力のあるホッキョクグマになるような感じがしてしょうがありません。血統面を全く無視すれば札幌のリラのパートナーはフィーテよりもロスチクのほうが向いているように思います。ロスチク、そしてその他のロシアのホッキョクグマのほうが傍若無人なところのあるリラをうまく受け止められるような気がするのです。

(過去関連投稿)
ドイツ・ロストック動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ ヴィルマが自己の12歳の誕生日に出産
ドイツ・ロストック動物園で誕生の赤ちゃんは順調に生後五週間が経過 ~ 性別判定を急ぐ同園
ドイツ・ロストック動物園で誕生の赤ちゃんは順調に生後7週間目へ ~ ヴィルマお母さんの母性
ドイツ・ロストック動物園の赤ちゃん、産室内で運動量が増す ~ ヴィルマお母さんの丁寧な育児
ドイツ・ロストック動物園の赤ちゃん、産室内で転げまわる ~ 生後58日が経過
ドイツ・ロストック動物園でヴィルマお母さんから誕生した生後二か月の赤ちゃんの性別は雄(オス)と判明
ドイツ・ロストック動物園で誕生した雄の赤ちゃんに各国メディアが注目 ~ クヌート関連でスターの座へ
ドイツ・ロストック動物園で誕生の雄の赤ちゃんが、より活発になる ~ うまく対応するヴィルマお母さん
ドイツ・ロストック動物園で誕生の雄の赤ちゃん、生後86日が経過 ~ まだ足取りは幾分安定せず
ドイツ・ロストック動物園で誕生の雄の赤ちゃん、産室内でおもちゃのボールで遊ぶ
ドイツ・ロストック動物園で誕生の雄の赤ちゃんの候補名5つが選考される ~ ネットでの最終投票へ
ドイツ・ロストック動物園の雄の赤ちゃんの名前が "フィーテ(Fiete)" に決まる ~ 命名式が開催される
ドイツ・ロストック動物園の雄の赤ちゃん、フィーテの近況 ~ おもちゃ好きな性格
ドイツ・ロストック動物園の雄の赤ちゃん、フィーテの生後半年のお祝い会が開催される
ドイツ・ロストック動物園のフィーテがヴィルマお母さんと共に広い展示場(Bärenburg)へ移動
ドイツ・ロストック動物園のフィーテの近況 ~ 元気の良さに手こずるヴィルマお母さん
ドイツ・ロストック動物園のフィーテが一歳へ ~ 彼こそがリラの将来のパートナーの最有力候補か?
ドイツ・ロストック動物園のフィーテの一歳の誕生会が開催される ~ 成長をどう見守り何に昇華させるか?
by polarbearmaniac | 2016-08-23 01:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索