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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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札幌・円山動物園の「ホッキョクグマ館 (Polar Bear Museum)」の問題点を探る (1)

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昨日に続いて円山動物園にやってきた。
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今日は昨日とは打って変わって曇天。雨の降り出しそうな天気である。
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ララさん、リラちゃん、今日もよろしくお願いいたします。
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水の中では互いに刺激を与え合うこの親子である。
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互いにとっては相手の存在そのものがまるでエンリッチメントの実現でもあるかのように作用する。


水の中のララとリラ - Lara and Lilas the Polaer Bears together in the water at Sapporo Maruyama Zoo, Japan, on Jun.20 2018.

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ホッキョクグマ館、この壁が大きな問題である。この壁こそがホッキョクグマ観察を極めて不自由なものにしているのだ。要するにこの壁は邪魔なのである。
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飼育展示場側から見るとこの部分である。何故ここの部分をガラスにして来園者側から飼育展示場が見えるようにしなかったのかが大きな疑問である。この点がこの新しいホッキョクグマ館の来園者側からの最も大きな欠陥であるように思う。ある方のお話によると、これは耐震構造の維持に関係があるということだが、しかしそれはコーナーの部分に太い柱を設置すればクリアしたはずである。
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それからもう一つ不思議なことがある。
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この親子は広い飼育展示場の約半分ほどしか活動範囲としていないように見えることである。
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飼育展示場の左側のこの部分、ここをララ親子はほとんど活動領域としていないように見えるのである。それには理由があるように私には思われる。
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リラはプールに飛び込んで水中で見えるものに非常に大きな興味を示す。
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彼女の好奇心は同年齢の他の幼年・若年個体をかなり上回っているように思う。
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ララについても似た要素がある。
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ララは私が予想していた以上にプールに入ることを好むようになっている。


水の中のララ - Lara the Polar Bear in the water, at the "Polar Bear Museum" of Sapporo Maruyama Zoo, Japan, on Jun.20 2018.

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つまりリラもララも、自分なりにこの飼育展示場において水に入ることを好んでいるのである。
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つまり、プールから遠い場所にあるこの左側の場所を彼らが自分たちの活動範囲にすることには気が向かないということなのである。 加えて、左側のこの場所には彼らにとって活動のインセンティブとなるものが乏しいように見える。つまりこのことが彼らはこちらの側には滅多に来ないということの理由だと私は考える。この場所に彼らが頻繁に来てくれると写真撮影には有利である。何故ならここには来園者とホッキョクグマたちを隔てるガラスボードがないからである。
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私は円山動物園のこの新しい飼育展示場を基本的には評価するが、しかし一つだけ本質的な問題点を指摘しておきたい。それは、この飼育展示場のプールに付与されている性格である。
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このプールはホッキョクグマたちをある特定の方向性をもった行動に駆り立ててしまっているということである。
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それを具体的に言えば、アザラシというものに対する反応を半ば強制でもしているかのように私には思えるのである。プールにはそのような「仕掛け」は不要であると考える。彼らが水に入りたい時に自らの意思で彼ら自身の時間を過ごさせてやればそれでよいのである。先月訪問したタリン動物園のプールはホッキョクグマたちをある一定の方向の行動に導くような「仕掛け」がない。だから彼らの自由意思と行動が自然に保障されているのである。
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飼育展示場の一部にホッキョクグマたちがある特定の行動を行うように仕向けた「仕掛け」があるのを私は支持しない。ところがその「仕掛け」が存在していのがこの動物園のホッキョクグマ館なのである。それを私は残念に思う。これはあくまで私個人の意見である。
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ただしかし、円山動物園のこの新飼育展示場は男鹿水族館や上野動物園のいわゆる「基準をクリアしている」とされる施設よりもはるかに優れていることは間違いない。


背中を掻くララ - Lara the Polar Bear, scratching her back on the ground at Sapporo Maruyama Zoo, Japan, on Jun.20 2018.

動物園からホテルに帰る際にタクシーに乗ったが、その運転手が言うには、今年の春以降は円山動物園正門前のタクシー乗り場で客待ち待機しているタクシーの回転が非常に早くなっているそうである。そしてその理由について彼はホッキョクグマ館のオープンがこれに寄与していると言っていた。このことから考えるに、おそらく今まで動物園に来たことの無い人々が動物園にやってきていることを示しているように思う。要するにそういった人々がタクシーを利用しているということだろうと思われる。常連客は通常は帰路にタクシーを利用しないからである。ホッキョクグマ館の話題を聞いてやってきた「一見客」を常連客にするためにはホッキョクグマの個体差を理解するように誘導していくことが望ましいと思われる。個体差を理解するとホッキョクグマ館、ひいては動物園そのものの常連客になる可能性が比較的高くなるからである。そのためにはいかにしてイベントを行っていくかもポイントとなるだろう。

SONY DSC-RX10M4
Panasonic HC-W870M
(Jun.20 2018 @札幌・円山動物園)
by polarbearmaniac | 2018-06-20 23:00 | しろくま紀行

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