街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとハールチャーナの夏の日

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ウスラーダ (Белая медведица Услада)
Photo(C)Комитет по культуре Санкт-Петербурга
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ハールチャーナ (Белая медведица Хаарчаана) 
Photo(C)Комитет по культуре Санкт-Петербурга

ロシアのサンクトペテルブルクもとうとう最高気温が30℃になったそうでレニングラード動物園に暮らすホッキョクグマたちにも中に魚と果物が入った氷のケーキのプレゼントがあったそうです。この動物園で飼育されているホッキョクグマといえば、これはもちろん現在の世界の飼育下の雌(メス)のホッキョクグマとしては最高の位置にある30歳の雌(メス)のウスラーダ、そしてヤクーツク動物園で生まれた一歳半の雌(メス)のハールチャーナという二頭です。このハールチャーナはウスラーダの孫娘にあたるわけですが将来この動物園で繁殖を担う主役の座につくことが期待されています。

このレニングラード動物園ではハールチャーナはまだ依然として長屋のような場所の区画をぶち抜いてスペースを作った場所で飼育されておりウスラーダの暮らす飼育展示場には移されていないようです。夏頃までに移動するというのが当初の予定のはずで、そうなってからレニングラード動物園を訪問したいと私は考えているわけですが、このままですと同園を訪問するのは秋になりそうな気配です。

先日、静岡新聞が7月12日付けの電子版の記事でレニングラード動物園に関して述べています。そこでウスラーダについて同園の担当者の発言として「(同園の)一番の人気者」として紹介しています。レニングラード動物園で最も有名な存在であることはもちろんのこと、ロシア全体で最もよく知られたホッキョクグマであるだけではなく、現在では世界最高の雌(メス)のホッキョクグマとしての位置を不動のものにしているのがウスラーダなのです。16頭もの子供たちの出産と育児に成功している彼女については今まで多くの投稿を通じてその偉大さを述べてきたつもりです。今更繰り返すのもくどい話ですが、ラダゴル(カイ - 仙台)、ピョートル(ロッシー - 静岡)の母であり、イワン(旭川)、シルカ(大阪)の祖母にあたります。しかし不思議なことにホクト(姫路)、ゴーゴ(白浜)、モモ(浜松)とは全く血の繋がりはありません。この三頭と血の繋がりがあるのはウスラーダのパートナーだった故メンシコフというわけです。ウスラーダは強靭な身体と剛毅ともいえる精神の備わったホッキョクグマである点で、同じような傾向を持つ雌(メス)のホッキョクグマは日本だけでなく多分欧州にも見いだせないでしょう。ウスラーダに最も似たタイプのホッキョクグマといえば、それはやはり彼女の妹であるカザン市動物園のマレイシュカということになるでしょう。それから先程の静岡新聞の記事でも軽く触れられていたピョートル(ロッシー)の来日にまつわる件ですが、これについては通常日本で語られていることと実相はまるで異なっているわけで、日本側が全く知ることのできなかった当時のロシアのホッキョクグマ界の抱えていた複雑な事情が背景にあることは以前にもご紹介しています。

さて、過去の映像を再度ご紹介しておきましょう。まず下は2012年9月の映像ですが、ウスラーダと彼女の15番目の子供であるロモノーソフ(現 ヤクーツク動物園)の映像です。このロモノーソフこそ、ハールチャーナの父親となったというわけです。


ウスラーダとロモノーソフ - Uslada and Lomonosov get refreshment treat at Leningrad Zoo, in Saint Petersburg, Russia, on Sep.17 2012

次はウスラーダと彼女の16番目の子供であるザバーヴァ(現 イジェフスク動物園)です。非常に珍しいことにウスラーダが居眠りをしています。


居眠りをするウスラーダ - Uslada is dozing off with Zabava, at Leningrad Zoo, in Saint Petersburg. Russia, on Sep.15 2014.

次はウスラーダの映像ではありませんが、彼女の最初の子供であるシモーナ(現 モスクワ動物園 ヴォロコラムスク附属保護施設)、そしてシモーナの三つ子の子供たちの2012年9月のモスクワ動物園での映像です。このシモーナは自分の母親であるウスラーダとは全く異なるアプローチで子供たちに接します。自分を子供たちと同一地平線上におくというやり方です。


シモーナと三つ子の子供たち - Simona and her triplet cubs are playing with a plastic material at Moscow Zoo, on Sep.20 2012.

ウスラーダを中心にしてホッキョクグマの母親像を考察していくことは非常に興味深いことなのです。

(資料)
Комсомольская Правда (Jul.19 2018 - Жара в Петербурге: Животным в зоопарке ввели в рацион ледяной торт)
Life.ru (Jul.19 2018 - Зоопарк в Петербурге готовит для животных "ледяные торты")
Российская газета (Jul.19 2018 - Обитателей Ленинградского зоопарка начали кормить "ледяными тортами")
Ленинградский зоопарк (Jul.3 2018 - Внимание! Каждую пятницу проходит уборка бассейна белых медведей.)

(過去関連投稿)
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダが満30歳となる
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by polarbearmaniac | 2018-07-21 02:00 | Polarbearology

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