街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ワルシャワ、旧ゲットー地区を歩く(8)~ オコポヴァ通りのユダヤ人墓地、そしてユダヤ人大量処刑場跡

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プラガ地区のユダヤ人墓地から旧ゲットー地区のオコポヴァ通りのユダヤ人墓地にやってきた。ワルシャワに二つあるユダヤ人墓地としてはこちらのほうが有名である。
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入るとすぐにこの墓地の以前の門柱が展示されている。
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この墓地はかなりの広さがあるので、ほんの一部だけ見学することにしたい。
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このオコポヴァ通りのユダヤ人墓地はユダヤ人でも比較的中産階級以上の人とか有名人が多く眠っている。
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これは人工言語であるエスペラント語の創始者であるルードヴィク・ザメンホフ (Ludwik Zamenhof 1859~1917) の墓である。
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そしてその近くにあるのがゲットー時代にユダヤ人評議会の議長をしていたアダム・チェルニャクフ (Adam Czerniaków 1880~1942)の墓である。彼については「ワルシャワ、旧ゲットー地区を歩く(3)」で触れている。
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彼はユダヤ人のまとめ役として結果的にはドイツ軍に協力したことになるわけだが、それでも懸命に抵抗した。いくらかのユダヤ人の移送免除を得たがコルチャクの孤児院の子供たちの移送免除を得ることはできなかった。子供たちもが移送されてしまうようではもうユダヤ人には未来はないと悲観して自ら命を絶ったのである。
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これはホロコーストで命を失った子供の犠牲者記念碑である。
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ホロコーストで犠牲となった子供たちは百万人にのぼるとされている。
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さらにその奥にあるのが「ヤヌシュ・コルチャクと子供たち」という記念像である。
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ユダヤ人の孤児院の院長であったコルチャクは彼の最後の孤児院(昨日の投稿参照)から子供たちと共に移送貨車のあるウムシュラークプラッツ (Umschlagplatz - 積替場/集荷場)まで堂々と列を組んで行進したのである。これはコルチャクと子供たちのドイツに対するまさに精神的な抗議行動として理解しても不思議ではないのである。
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ホロコーストの時代において最も高い精神性で無言で抗議したのはこのヤヌシュ・コルチャクと、そしてアウシュヴィッツ=ビルケナウ絶滅収容所で死刑に選ばれた男性の身代わりとなって死んだマクシミリアン・コルベ (Maksymilian Kolbe 1894~1941) 神父の二人にとどめを刺すだろう。
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この像の子供たちはみんなうつむきかげんである。彼らには未来は全くなかったのである。
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深い感慨を抱いてこのユダヤ人墓地から出ることにする。
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続いてこのユダヤ人墓地の南側にあるギバルスキ通りを、かなり南側から北に戻る形で歩くことにする。
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このあたりにはかつて運動場があったそうだ。この場所でドイツのワルシャワ占領軍は6500人以上のユダヤ人を射殺によって処刑したそうである。ユダヤ人たちは絶滅収容所に移送される前からこうしてドイツのワルシャワ占領軍(SSを含む)によって虫けらのように射殺されていたのである。
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現在でも何か不気味な感じがする。そういういわくつきの場所であるためか、現在でも駐車場にもならずに全く何もない土地としてこうして存在している。何が肌寒さを感じる風景である。
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その一角に記念碑が設けられている。
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戦後に行われた遺体発掘調査の際の写真が展示してあった。
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これが記念碑である。文字は全く記されていない。
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記念碑のあるこの一角、ここが遺体集積所だったそうである。
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すぐ隣は集合住宅になっている。ここに住んでいる人はかつてこの場所で何が行われたのかを知っているのだろうか?
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逆側にはユダヤ人墓地の区画の壁がある。実に興味深い一角である。

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(Sep.17 2018@ポーランド、ワルシャワ)

(資料)
記憶するワルシャワ : 抵抗・蜂起とユダヤ人援助組織Zegota「ジェゴタ」
ワルシャワから : 記憶の案内書 : トレブリンカ、ティコチン、パルミルィ、プルシュクフへ
by polarbearmaniac | 2018-09-18 06:40 | 異国旅日記

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