人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

姫路市立動物園のユキが男鹿水族館への移動の方向へ

姫路市立動物園のユキが男鹿水族館への移動の方向へ_a0151913_9383213.jpg
ユキとルトヴィク(ホクト) Photo(C)産経新聞社

男鹿水族館が21日付けで「ホッキョクグマの国内繫殖における取組の一環として、兵庫県姫路市のご協力をいただき、姫路市立動物園にいるユキを当館に搬入する方向で今後調整することとなった」と述べています。つまり豪太の新しいパートナーが当面はユキ(1999年11月26日、セルビア・パリッチ動物園生まれ・血統番号 1739)となることを意味するわけですが、「ホッキョクグマの国内繫殖における取組の一環として」とも述べていますので種別調整者の意図によるものだと思われます。このことは日本のホッキョクグマ界の血統の遺伝子的多様性の維持には好ましいことだと思われます。つまりユキは日本の二大血統である「ララファミリー」でも「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」のどちらにも属さないからです。しかしそのことよりも需要だと思われるのは、姫路市立動物園はホッキョクグマの繁殖について事実上の断念に追い込まれたに等しい状況になったことだと思われます。となると、今までユキのパートナーだったルトヴィク(ホクト)の新しいパートナーが姫路市立動物園に入園するよりもルトヴィク(ホクト)もユキに続いて他園に移動する可能性が出てきたのではないかということです。ルトヴィク(ホクト)は白浜のゴーゴの兄でありペルミ動物園の故アンデルマの息子です。ただし彼にはウスラーダの血は入っていません。

ユキは今年の繁殖シーズンに於いてルトヴィク(ホクト)との繁殖行為が確認されているそうですから、男鹿水族館に移動するにしても少なくとも来年の2~3月になるでしょう。所有権の移動なしのBL契約になる模様ですが、秋田県としては以前から県に所有権のあるホッキョクグマを切望してきましたので豪太とユキとの間での繁殖に成功すれば通常のBL契約の条項とは異なる第一子の所有権の確保を狙って姫路市との最終交渉に臨むのではないかと想像できます。「秋田県/釧路市」といった関係から切り離された移動となりますが、このほうがツヨシが男鹿水族館に移動するよりもスッキリした形になるでしょう。しかしこういう時に限って姫路市動物園で今年の11~12月にユキが出産とその後の育児に成功するというケースがありえます。ホッキョクグマの神様はこういう「いたずら」を時として行うのです。

ユキの男鹿水族館への移動が本当に実現するかは、まだわからないような気もします。

(資料)
男鹿水族館 (Sep.21 2018 - ホッキョクグマについて)
秋田魁新報 (Sep.21 2018 - 「豪太」新花嫁候補に「ユキ」 姫路から借り受け、県調整)

(過去関連投稿)
25年前の東ドイツにいた「もう一頭のクヌート」 ~ ユキ(姫路)とポーラ(仙台)の父親の物語
セルビア・パリッチ動物園のビョルン・ハインリヒ死す ~ ユキ(姫路〕 とポーラ(仙台) の父親の訃報
セルビア・パリッチ動物園のシンバ (姫路のユキ、仙台のポーラの母) がハンガリーのソスト動物園へ
ハンガリー、ニーレジハーザのソスト動物園の28歳のシンバと36歳のオーテクの老境に咲く満開の花
ハンガリー・ニーレジハーザのソスト動物園、シンバ (姫路のユキ、仙台のポーラの母) の夏の日
ハンガリー・ニーレジハーザ、ソスト動物園のシンバ (姫路のユキ、仙台のポーラの母) の近況
ハンガリー・ニーレジハーザのソスト動物園のホッキョクグマたちの近況 ~ 若いペアを見守るシンバ
by polarbearmaniac | 2018-09-22 09:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索