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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・イジェフスク動物園のプルガの満一歳の誕生会が開催される ~ ガイドラインは守られるか?

ロシア・イジェフスク動物園のプルガの満一歳の誕生会が開催される ~ ガイドラインは守られるか?_a0151913_14501457.jpg
ドゥムカとプルガ Photo(C)Зоопарк Удмурти





ロシア・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園(公式にはウドムルト動物園 - Зоопарк Удмуртии)で昨年2017年11月22日に当時13歳のドゥムカ (Думка) お母さんから誕生した雌(メス)のプルガ (Пурга) が満一歳となり昨日11月22日の誕生日に誕生会のイベントが開催されました。地元のファンや支援企業、そして同園のスタッフからプルガにおもちゃやアイスクリームなどの好物、そして誕生祝のカードや氷のケーキなどのプレゼントがあったそうです。蜂蜜やスイカはおもちゃの中に隠してあったようでプルガは大喜びの様子だったそうです。今回はホッキョクグマへのプレゼントとしてはおそらく過去には例がないと思われるものがプレゼントされたようで、それはスノーボードだったそうで、案の定プルガはこの珍しいプレゼントに真っ先に突進したようです。
ロシア・イジェフスク動物園のプルガの満一歳の誕生会が開催される ~ ガイドラインは守られるか?_a0151913_145199.jpg
Photo(C)Зоопарк Удмуртии

私は5月にイジェフスク動物園を五日間にわたって訪問してこの親子の様子をじっくりと観察してきましたが(過去関連投稿参照)、プルガは優れた個体であることは勿論のこと、母親であるドゥムカが非常にスケールの大きな母親であることに魅了されてしまいました。母親として能力的にも優秀であり彼女がこれほどまでに素晴らしい母親であったかと驚いてしまいました。野生出身の彼女は以前のパートナーであるノルド(現 コペンハーゲン動物園)ではなく野生出身のアイオンと組んで今回のプルガの誕生となったわけで野生出身同士のペアによる新血統としてプルガは多分欧州に移動することになるでしょう。
ロシア・イジェフスク動物園のプルガの満一歳の誕生会が開催される ~ ガイドラインは守られるか?_a0151913_1501925.jpg
Photo(C)Зоопарк Удмуртии

欧州やアメリカならばプルガはもう一年は確実に母親と一緒に暮らすことになるはずですがロシアでは母親との同居が一年というケースが今までは非常に多かったわけです。つまり欧州やアメリカでは「三年サイクル」の繁殖を行いロシアでは「二年サイクル」の繁殖を行ってきました。この「二年サイクル」の繁殖は動物福祉 (Animal welfare)上では問題が多いということは以前に何度も投稿しています。ところが2016年にロシアでは正式に「ホッキョクグマ飼育ガイドライン ("МЕТОДИЧЕСКИЕ РЕКОМЕНДАЦИИ по содержанию белых медведей в условиях зоопарков России") 」が発表されており、それによれば「誕生した個体は少なくとも18ヵ月間は母親と同居させることが必要である。」と規定されました。これはロシアでも欧米と同じようにホッキョクグマの繁殖に「三年サイクル」が採用されたことを意味します。これについては是非「ロシアの動物園のホッキョクグマ飼育ガイドラインよりの考察 ~ (1) 繁殖 - 「三年サイクル」を採用へ」という投稿を御参照下さい。
ロシア・イジェフスク動物園のプルガの満一歳の誕生会が開催される ~ ガイドラインは守られるか?_a0151913_163265.jpg
Photo(C)Зоопарк Удмуртии

このガイドラインの規定に沿うならばプルガの欧州での移動は来年の秋以降になるはずです。しかし仮に彼女が今年の12月から来年の3月頃までの間に欧州に移動するということになればこのガイドラインの規定は守られないこととなるわけです。仮に守られないでプルガが欧州に早々と移動するならば、そこには欧州側 (EAZA)の強い意向(早期の欧州への移動の要求)の存在を意味することになります。「ホッキョクグマ親子の同居は二年間(つまり三年サイクルの繫殖)」としている欧州側が、ロシアの動物園のホッキョクグマならば母親との同居は一年程度でよいと考えてプルガの欧州への早急な移動をロシア側に求めるならば、それはまさに欧州側にダブルスタンダードが存在することを意味することになります。自分たち(欧州)の動物園のホッキョクグマ親子の動物福祉は尊重してもロシアの動物園のホッキョクグマ親子の動物福祉は軽視するということになるわけですから、それは欧州側に狡猾な偽善的態度があることを意味することになるでしょう。プルガがいつまでイジェフスク動物園に留まるか.....それを以上の観点から注目して見守りたいと思っています。

(資料)
Зоопарк Удмуртии (Новости/Nov.22 2018 - День рождения белого медвежонка Пурги)
Вести.Удмуртия (Nov.23 2018 - День рождения белого медвежонка отпраздновали в зоопарке Ижевска)
Сусанин (Nov.23 2018 - В ижевском зоопарке отпраздновали день рождения белой медведицы)

(過去関連投稿)
ロシア・イジェフスク動物園のドゥムカの幼年時代 ~ モスクワ動物園での「発達障害」の克服
ロシア・イジェフスク動物園がドゥムカの出産準備体勢へ ~ 野生出身のペアによる「新血統」誕生なるか?
ロシア・イジェフスク動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 遂に「新血統」の誕生!
ロシア・イジェフスク動物園で誕生の赤ちゃんが生後一ヶ月を無事に通過し両目も開く
ロシア・イジェフスク動物園で誕生の赤ちゃん (仮称 スネジンカ・アイオノヴナ) が無事に生後二ヶ月となる
ロシア・イジェフスク動物園で誕生の赤ちゃん (仮称 スネジンカ・アイオノヴナ) が生後三ヶ月へ
ロシア・イジェフスク動物園の赤ちゃん(仮称 スネジンカ・アイオノヴナ) が間もなく生後四カ月へ
ロシア・イジェフスク動物園の赤ちゃんが初めて屋外に登場!~ 性別は雌(メス)と判明
ロシア・イジェフスク動物園の雌(メス)の赤ちゃんの名前の公募が始まる
ロシア・イジェフスク動物園のドゥムカお母さんと雌(メス)の赤ちゃんの活動範囲が拡大する
ロシア・イジェフスク動物園の雌(メス)の赤ちゃんが元気に生後四カ月が経過
ロシア・イジェフスク動物園の雌(メス)の赤ちゃんの名前が "プルガ (Пурга)" に決まる
ロシア・イジェフスク動物園のドゥムカお母さんとプルガの近況 ~ 「種」より「個」への発想
ロシア・イジェフスク動物園の赤ちゃんのプルガが初めてプールに入る ~ 注目すべき今後の成長
ロシア・イジェフスク動物園のドゥムカ親子とアイオンの近況
(*2018年5月 イジェフスク動物園訪問記)
・4年振りのイジェフスク動物園訪問でザバーヴァとバルーのペアに再会 ~ 活動の変化のリズムが合致するペア
・ザバーヴァ (Белая медведица Забава)、これからのロシアで期待される新星の素顔
・バルー (Белый медведь Балу)、成長した姿とパートナーに対する絶妙な距離間系を維持
・プルガちゃん、初めまして! ドゥムカお母さん、四年振りになりますね!
・ドゥムカ、母親としての本質的な能力が開花 - 世界のトップレベルの母親のグループに仲間入り
・イジェフスク動物園訪問二日目 ~ ドゥムカ親子との充実した一日
・イジェフスク動物園訪問三日目 ~ ドゥムカ親子、バルー、ザバーヴァのそれぞれの一日
・イジェフスク動物園訪問四日目 ~ ホッキョクグマたちの生活のリズムの変化
・イジェフスク動物園訪問五日目 ~ 快晴の土曜日のホッキョクグマたち
・イジェフスク動物園訪問六日目 ~ ドゥムカお母さん、プルガちゃん、バルー君、ザヴァーバさん、お元気で!
by polarbearmaniac | 2018-11-23 17:00 | Polarbearology

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