人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果

ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_23592712.jpg
性別の異なるこの双子の赤ちゃんたちを見ていると興味が尽きることが無い。どうもこの双子の赤ちゃんたちは私が今までのホッキョクグマの赤ちゃん観察経験には無い非常にユニークな存在のように感じる。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_004916.jpg
私は今まで国内外でホッキョクグマの赤ちゃんの観察を数多く行ってきたつもりだが、今回のノヴォシビルスク動物園の双子の赤ちゃんの観察についてはまさに未踏の領域のように感じられる。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_0114517.jpg
少し抽象的な言い方になるが、何故このノヴォシビルスク動物園の双子の赤ちゃんがユニークかと言えば、それは「対比効果」というものがあるからだと私は考える。たとえばスイカに塩をかけて食べると甘さが増す。もともとスイカは甘いのに、何故「甘さ」とは逆の味覚の塩をかけるとよりスイカの甘さが増すのか? 実はこういったことがこの双子の赤ちゃんたちの関係に感じられるのである。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_0141230.jpg
この双子の赤ちゃんたちの性格の差は実はほんの少ししかないと私は考える。ところがこの二頭が一緒になると、それぞれの赤ちゃんが「対比効果」によって本来の性格がより強調されて外に出てきてしまうのだ。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_0202039.jpg
そしてなんと行動のベクトルが性格差を逆向きの方向を示すのだから一層複雑になるのである。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_0284563.jpg
これがこういう形を取るかと言えば、「甘えっこちゃん」は母親から若干の距離をおき、そして「独立志向ちゃん」は母親にぴったりとくっつくという、まるで倒錯したような関係を現実の多くのシーンは見せてくれるのである。まさに一筋縄ではいかない今回のノヴォシビルスク動物園の双子の赤ちゃんである。「味覚の対比効果」によって生じる赤ちゃんたちの性格差を平面、そして行動ベクトルの逆方向性を高さ、そう考えて形成される三次元的世界において赤ちゃんたちは行動している。実に複雑な変数が存在するのだ。


仲の良いところを見せる双子の赤ちゃん - The Polar Bear twin cubs getting along well at Novosibirsk Zoo, Russia, on Apr.22 2019.
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_128247.jpg
向かって左側が「マーちゃん(仮称)」、右側が「ポーちゃん」。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_229419.jpg
これも向かって左側が「マーちゃん(仮称)」、右側が「ポーちゃん」である。「マーちゃん(仮称)」は性格的にやや優しいが幾分独立志向がある。「ポーちゃん(仮称)」は性格的にはやや強いところがあるがゲルダお母さんのすぐそばに行きたがる。私はすでに「マーちゃん(仮称)の姿とその性格」と「ポーちゃん(仮称)の姿とその性格」という二つの投稿を用意していたのだが、結論を急がずにもっと見極めていきたいと考え、その二つの投稿を現時点では保留にしておきたい。

さて、以下のシーンを是非ご覧いただきたい。ゲルダお母さんの授乳の最後にこの双子の赤ちゃんの激しい争いが起きるのである。見ていて心配になるほどだった。札幌のララならこういう場合にすぐ止めるのだがゲルダお母さんは放置している。これはゲルダお母さんが怠慢なのではなく、ゲルダお母さんはこの争いは重大な結果をもたらすと考えていないから放置しているのだろう。何故ゲルダがそう考えるのかが問題なのだが、それは先に仕掛けたのが性格のやや優しい「マーちゃん(仮称)- おそらく雌(メス)」だから問題は無いと考えているのだろう。「弱い者いじめ」ならばゲルダお母さんはすぐに止めるのだが、このシーンは「強い者いじめ」なので問題は無いというのがゲルダお母さんの考え方だと思われる。


授乳後の双子の赤ちゃんの争い - The Polar Bear twin cubs quarreling after getting nursed, at Novosibirsk Zoo, Russia, on Apr.22 2019
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_2113939.jpg
今回のゲルダお母さんの育児能力は素晴らしいの一言に尽きる。シルカの時と比較すると進境著しい。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_2165471.jpg
押さえるべきところをしっかりと押さえていて非の打ちどころが無い。さすがにロシアのホッキョクグマだけのことはある。赤ちゃんたちが水に入るのはまだ危険だと考えているらしいゲルダお母さんは、自分から水に入ることは一切しなくなった。子供たちの状態から判断して水に誘うことはやめてしまったのである。このあたりの母親としての判断は的確だと思われる。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_249103.jpg
だからゲルダお母さんの体は汚れたままである。この汚れこそが優秀な母親としての証なのだ。来たるGWに「ノヴォシビルスク動物園ツアー」に参加されてこの動物園に来る方々は幸いである。ゲルダのような優れた母親とその双子の赤ちゃんを見ることができるというのは最高の体験となるだろう。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_342576.jpg
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_2393162.jpg
カイ(クラーシン)の今日の動きはなかなか活発である。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_2404253.jpg
体の動きに切れ味があるのがカイ(クラーシン)の持ち味である。
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_2432275.jpg
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_331433.jpg
授乳は比較的頻繁に行われる。1時間半~2時間おきといった程度である。さて、この下の映像の授乳は先にご紹介した映像の次の授乳である。さすがにこの時には「ポーちゃん(仮称)」は控えめな態度をとって「マーちゃん(仮称)」に襲われないように注意深く行動しているのがよくわかる。「ポーちゃん[仮称)」もよく考えているのだ。


授乳後の双子の赤ちゃんの微妙な関係 - The Polar Bear twin cubs getting delicate again at Novosibirsk Zoo, Russia on Apr.22 2019
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_2253935.jpg
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_348254.jpg
ノヴォシビルスク動物園訪問5日目 ~ 双子の赤ちゃんの「スイカと塩」の味覚の対比効果_a0151913_3482645.jpg
SONY α7 III
FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS
SONY RX100M5A
Panasonic HC-W870M
(Apr.22 2019@ロシア、ノヴォシビルスク動物園)
by polarbearmaniac | 2019-04-22 23:30 | 異国旅日記

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索