ロシアのロスネフチ社が国内の動物園のホッキョクグマたちに新しいおもちゃのプレゼント

Photo(C)Роснефть

ロシア最大の資源会社であるロスネフチ社が、ここ数年間にわたってロシア国内の動物園で飼育されているホッキョクグマに対して資金的な援助を行い続けていることはすでに何回も投稿しています。この援助は飼育展示場の新設・改良工事であったり飼料援助であったり健康診断のための獣医派遣費用であったりと多種に及んでいますが、これらは全て費用負担という形で行われてきました。ロスネフチ社の今回の援助は現物支給という形をとった今までにはない新しい支援形態が新たに加わったことを同社のＨＰで述べています。
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ロスネフチ社は専門家の協力の下で飼育下のホッキョクグマたちの行動を調査して常同行動を行う場合におもちゃを与えることによって彼らが別の行動への興味を引き出すことが最も有効であるという結論を得て、さらにどのようなおもちゃを与えればよいかも研究を重ねた結果として球状のものと円筒型のものを製造してホッキョクグマたちに与えることにしたそうです。体重をかけても壊れない耐久性を備えたそういった球状・円筒状のおもちゃをロシアの会社が製造することになり、ロスネフチ社がそれを買い取ってロシア国内の動物園のホッキョクグマたちに配布することになったそうです。同種の球状のものはアメリカやドイツの会社も製造しているそうですがロシア国内で製造すると費用は三分の一で済むそうです。

さて、この球状のおもちゃはまずクラスノやルクス動物園のホッキョクグマたちに贈られたそうで、その様子をクラスノヤルスクの地元TV局が放送した映像を下にご紹介しておきます。



以前にもご紹介したドイツ製のものとの違いは、今回の新しいおもちゃはホッキョクグマたちの好物を隠しておく穴の存在です。内部が空洞になっているのではありませんから完全に水が入っておもちゃがプールに沈んでしまうことがないのが利点です。

日本でも企業がホッキョクグマたちに継続的な援助をしてくれるとありがたいのですが「何故ホッキョクグマだけに？」という声が挙がるでしょう。ロシアの場合、このロスネフチ社は北極圏で資源開発を行っているために、そこに住むホッキョクグマたちの生態に悪影響を与える恐れがあって批判の対象となっているわけです。そういう批判をか回避しようとしてロスネフチ社がロシアの動物園の飼育下のホッキョクグマたちに多大な援助を行っていることは明らかです。つまりロスネフチ社が援助を行うのはホッキョクグマだけであるという理由がここにあるわけです。

実は日本の動物園はホッキョクグマたちに与えるおもちゃの多彩さにおいては世界の最先端をいっています。日本の社会では使わなくなってポリタンクやら大きなプラスチック製品は比較的容易に入手できるからです。道路工事の際に使われる三角コーンなどは世界で一番早く日本のホッキョクグマたちに与えられたのです。大阪のファンの方がノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマたちのおもちゃとして黄色いガス管を現地にもって行かれましたが、日本の動物園のホッキョクグマ飼育展示場ではもう見慣れているあのガス管もノヴォシビルスク動物園ではホッキョクグマたちのおもちゃとしては想像もできなかったでしょう。あのガス管はノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマたちの「守り神」として「締め縄」に結び付けられて飼育展示場の売店の外に飾られて同園のホッキョクグマたちを見守っているのです。これはこれで非常に有意義な贈りものだったと思っています。ですから、あれをノヴォシビルスクまで持参された方の熱意は十分に報いられていると私は思います。あのガス管をあそこに飾ったノヴォシビルスク動物園はセンスがあると私は感じました。

（資料）
Роснефть (Jul.18 2019 - Специалисты «Роснефти» совместно с «Обществом дикой природы» разработали игрушки для белых медведей)
ТВ-Енисей (Aug.28 2019 - Белым медведям из «Роева Ручья» привезли уникальные игрушки)