街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum
by polarbearmaniac
ロシア・サンクトぺテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとハールチャーナの夏の日


ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園といえば世界でもモスクワ動物園に次ぐホッキョクグマ繁殖成功の実績をもつ動物園です。それは歴代この動物園で飼育されてきた雌(メス)のほとんどが繁殖に成功してきたという実績があるからです。近年では日本のホッキョクグマ界にも非常に関係の深い現在31歳のウスラーダは16頭もの子供たちを生み育て、一時代を築き上げた世界でも屈指の偉大なホッキョクグマです。ここで一つだけ貴重な映像をご紹介しておきます。これは2008年の春の映像で映っているのはウスラーダ、そして大阪のシルカの父親であるクラーシン(現在はノヴォシビルスク動物園で「カイ」と呼ばれています)、そしてピョートル(現在は日本平動物園で「ロッシー」という名前と呼ばれています)という双子兄弟の映像です。レニングラード動物園の当時の担当飼育員さんの語ったクラーシン(カイ)とピョートル(ロッシー)の双子兄妹の性格の違いがこの映像に反映していると考えれば、最初に映っているのはピョートル(ロッシー)であり、次に水から上がってくるのがクラーシン(カイ)でしょう。ピョートル(ロッシー)はあわててウスラーダのそばに逃げていきます。しかしまたウスラーダから離れるのですが、その後最初に水に飛び込むのがクラーシン(カイ)、そして後に続くのがピョートル(ロッシー)でしょう。
ウスラーダ、そしてカイ(ノヴォシビルスク動物園 - *大阪のシルカの父)とロッシー(日本平動物園)の双子兄妹(2008年春)
ウスラーダはすでに繁殖からは引退しており、同園で彼女の後を継ぐホッキョクグマとして期待されているのが現在2歳のハールチャーナです。ハールチャーナはウスラーダの15番目の子供である雄(オス)のロモノーソフと野生孤児出身の雌(メス)のコルィマーナとの間にヤクーツク動物園で生まれ、その後満一歳になると同時にレニングラード動物園に移動してきました。これはレニングラード動物園とヤクーツク動物園との間の事前の契約に沿った移動でした。すなわちロモノーソフがヤクーツク動物園に移動したのはBL契約だったからです。
さて、5月にレニングラード動物園のホッキョクグマ飼育展示場の改良工事が終了して長屋のような場所で暮らしていたハールチャーナはようやく6月にメインの飼育展示場に移されたわけですが、勿論ウスラーダとは別区画の場所で暮らしています。ウスラーダとハールチャーナの最新の映像をご紹介しておきます。これはサンクトペテルブルクのTV局が撮影したものです。下の写真をワンクリックしていただいて開いたページでご覧ください。

ウスラーダも元気そうですので安心しました。最近のレニングラード動物園のホッキョクグマに関する写真や映像は圧倒的にハールチャーナを写したものが多いのですが、それはレニングラード動物園がハールチャーナの存在を来園者にアピールしようとしているからでしょう。

ホッキョクグマに会いにロシアに行こうという方がいれば、やはりこのウスラーダに会っておくことを強くお勧めしたいと思います。二年ほど前ならばアンデルマに会うことを強くお勧めしたのですが、アンデルマは亡くなってしまいましたので現在ではなんといってもこのウスラーダに会っておくことが重要なのです。

このハールチャーナの将来のパートナーがどの個体になるのかはわかりません。なんといっても雄(オス)の個体が不足しているのがロシアと欧州(そして日本)のホッキョクグマ界なのです。
(資料)
ГАТР (Aug.23 2019 - Обновление дома для белых медведей в Ленинградском зоопарке)
(過去関連投稿)
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダが満30歳となる
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園でハールチャーナ到着の日のウスラーダの姿
ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園に到着したハールチャーナの姿
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園でハールチャーナの引き渡し式が行われる
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のハールチャーナへの市民の関心の高さ
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園がハールチャーナのパートナー探しに早々と着手へ
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園での「国際ホッキョクグマの日」
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の春のプール開き ~ 人気者となったハールチャーナ
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとハールチャーナの夏の日
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとハールチャーナの近況
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとハールチャーナが待つ冬の到来
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のハールチャーナが満二歳となる
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園でウスラーダとハールチャーナの合同誕生会が開催
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のハールチャーナに「雪だるま」のプレゼント
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の「国際ホッキョクグマの日」
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のハールチャーナの新スペースでのデビュー
ロシア・サンクトぺテルブルク、レニングラード動物園の二歳のハールチャーナの近況
(*2019年4月 レニングラード動物園訪問記)
二年振りのレニングラード動物園へ ~ 依然として完成しないハールチャーナの飼育展示場
レニングラード動物園訪問二日目 ~ 「昭和生まれ」の至高のホッキョクグマ、ウスラーダ健在
レニングラード動物園訪問三日目 ~ 「愛されるよりも尊敬されるホッキョクグマ」、ウスラーダの素顔
by polarbearmaniac
| 2019-08-31 03:00
| Polarbearology
カテゴリ
全体Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類
最新の記事
........and so.. |
at 2023-03-27 06:00 |
モスクワ動物園のディクソン(.. |
at 2023-03-26 03:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-25 02:00 |
ロシア・西シベリア、ボリシェ.. |
at 2023-03-24 02:00 |
鹿児島・平川動物公園でライト.. |
at 2023-03-23 01:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-22 03:00 |
名古屋・東山動植物園でフブキ.. |
at 2023-03-21 01:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-20 02:00 |
モスクワ動物園のディクソン .. |
at 2023-03-18 22:20 |
ロシア・サンクトペテルブルク.. |
at 2023-03-18 03:00 |
以前の記事
2023年 03月2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月