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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ハノーファー動物園で誕生の赤ちゃんが生後2週間となる ~ 再説「赤ちゃん成育の第一関門」

ドイツ・ハノーファー動物園で誕生の赤ちゃんが生後2週間となる ~ 再説「赤ちゃん成育の第一関門」_a0151913_3291591.jpg
Photo(C)Erlebnis Zoo Hannover

ドイツのハノーファー動物園 (Erlebnis Zoo Hannover) で11月20日(もしくは21日)にミラーナから誕生した赤ちゃんですが生後二週間が無事経過しました。ホッキョクグマの赤ちゃんの成育について「第一関門」「第二関門」といった考え方があるわけですが、それを生後何日に設定するかは考え方の違いによります。これについては「ベルリン動物公園で誕生の赤ちゃん、生後10日間の関門を無事に突破」、及び「デンマーク・コペンハーゲン動物園で誕生の赤ちゃんの近況 ~ 成育の「第一関門」をどう考えるか?」という二つの投稿を御参照下さい。

「第一関門」について私は、やはり生後72時間ととらえたいと思っています。これは誕生した赤ちゃんが母親の授乳なしに生きていられる限界の時間であり、この時間内に母親が授乳に成功することがその後の生存の絶対の条件になるからです。この「第一関門」についてはその他の考え方として生後10日間という考え方、そして生後3週間という二つの考え方があるわけですが、そのどちらも比較的最近欧州で行われ始めた考え方です。生後10日間を「第一関門」とする考え方というのは赤ちゃんの死亡率に力点をおいた考え方です。つまりこの生後10日間における赤ちゃんの死亡率が50%であるといった統計から導いた「第一関門」というわけです。生後3週間を「第一関門」とする考え方は、この時期までに親子の特殊な絆が形成され以降の食害や育児放棄の危険はなくなるといった、これは親子関係の発展を重視した考え方です。私個人としては生後72時間を「第一関門」、「生後3週間」を第二関門として分けて考えるのが正しいと思っています。ちなみにアメリカ動物園・水族館協会(AZA)のマニュアル ("Polar Bear Care Manual") でもやはり生後72時間を特別なものとしてとらえる考え方をしています。ちなみにこの生後72時間という壁を意識して懸命に格闘したのがスカンジナヴィア野生動物公園です。その息詰まる戦いについては「デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 乳腺刺激薬投与へ」、「デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園のイルカお母さん、乳腺刺激薬の効力で再び母乳が出るようになる」、「デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園で誕生の双子の赤ちゃんは両頭共に死亡」、「デンマーク・スカンジナヴィア野生動物公園で死亡した赤ちゃんの検死結果出る ~「授乳音 ≠ 授乳」」という投稿を是非御参照下さい。こういった情報と知識が得られるのは海外の動物園の事例研究によってのみなのです。

さて、昨日ハノーファー動物園が生後二週間となった産室内の赤ちゃんの様子について情報を発表したのは「関門 etc」といった観点とは無関係に、赤ちゃんの様子を報告したいという意図からであるのは明確です。園長さんによればミラーナお母さんは赤ちゃんをしっかりと抱きかかえてケアしているそうです。私に言わせれば、それは全く不思議ではないということです。シモーナの娘であるミラーナはモスクワ動物園のヴォロコラムスク附属保護施設からハノーファー動物園に来園した当初より「将来の母親」といった雰囲気をプンプンと周囲に漂わせていたわけですから。ミラーナのハノーファー動物園来園直後の姿をご紹介しておきます。

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(資料)
Erlebnis-Zoo Hannover (Dec.4 2019 - Bärenstarke News)
NDR.de (Dec.4 2019 - Zoo Hannover: Eisbär-Baby ist "quietschfidel")

(過去関連投稿)
ドイツ・ハノーファー動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ ミラーナが待望の出産
by polarbearmaniac | 2019-12-05 03:00 | Polarbearology

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