グラン・ブルヴァール、その19世紀の劇場と盛り場の面影

パリの旧オペラ座。現在ではパレ・ガルニエ (Palais Garnier) というのが正式名称である。
その前の広場はいつも車と人が多い。
カプシーヌ通りに入る。
オッフェンバックが「ホフマン物語」を作曲した住居であることを示すプレート。



ジャック・オッフェンバック (Jacques Offenbach 1819～1880) は興味深い作曲家である。彼はフランスの第二帝政期という時代を象徴する作曲家だった。
やがてブルバール・デ・ジタリアン (Boulevard des Italiens) に入る。
これはクレディ・リヨネの本店だった建物。
ここはメゾン・ドレ (Maison dorée) という名レストランだった建物である。
鹿島茂氏によれば「レストランの歴史に残る名店」ということだそうである。
メゾン・ドレの向かい側にあるこの建物はかつて「カフェ・アングレ」という店があり高級娼婦と紳士が一時を過ごす場所だったそうである。
オペラ・コミック座 (Théâtre national de l'Opéra-Comique)。
ビゼーの「カルメン」やオッフェンバックの「ホフマン物語」はここで初演された。



かつてのパリにおける良い意味での「嫌らしさと退廃」を象徴している存在に見えるのがこのオペラ・コミック座である。
1807年創立のヴァリエテ劇場 (Théâtre des Variétés) の一角。



ヴァリエテ劇場もオッフェンバックの作品のいくつかが初演されている。
ポワソニエール通り27番地。ここは作曲家のフレデリック・ショパンがパリにやってきて初めて住んだ住居である。1831年9月、彼が21歳のときのことであった。彼がこの頃に作曲した「ノクターン　作品9-3」。


Heinrich Neuhaus (Генрих Густавович Нейгауз 1888～1964) plays Nocturne in B major Op 9 No 3 by Frédéric Chopin

彼はその後、二度と祖国ポーランドには戻らなかった。
Olympus OM-D E-M1 Mark II
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH
（Dec.21 2019@パリ）