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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドのリアが急死 ~ 双子の相次ぐ死の奇妙な偶然

オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドのリアが急死 ~ 双子の相次ぐ死の奇妙な偶然_a0151913_081141.jpg
リア Photo(C)News Corp Australia

オーストラリア・クイーンスランド州のゴールドコーストにあるシーワールドが12月30日に発表したところによりますと、同施設で飼育されていた19歳の雌(メス)のホッキョクグマであるリア (Liya) が12月28日の土曜日の夜に急死したとのことです。このリアは言うまでもなくあのウスラーダの娘であり、つい先日の10月にアラスカ動物園で亡くなった雄(オス)のリューティクとは双子の関係です。シーワールドはリアの死因については述べていませんが「予想外の死」という表現を行っていますので、これは事実上は「急死」を意味することになります。飼育下におけるホッキョクグマの19歳での死は、やはり早死だという感じを拭えません。リアは二頭の子供たちを生み育てています。最初は2013年5月生まれの雄(オス)のヘンリー(現 カナダ・コクレーン、「ホッキョクグマ居住村」)、二番目は2017年4月生まれの雌(メス)のミシュカです。このミシュカはまだこのシーワールドで暮らしています。
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドのリアが急死 ~ 双子の相次ぐ死の奇妙な偶然_a0151913_1534541.jpg
リア Photo(C)Daily Mail Australia

ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園で現在も暮らす32歳のウスラーダの産み育てた16頭の子供たちのうち、これで二頭が亡くなったことになりますが、奇しくもこの二頭が双子であり、そして近接した時期に亡くなってしまったというのは不思議な話であり、いろいろなことを考えてみたくなってくるわけですが、しかしこの双子の相次ぐ死は全くの偶然でしょう。これでシーワールドのハドソンとネルソンというカナダの野生孤児出身の双子兄弟(共に繁殖能力を証明済み)にはパートナーがいなくなってしまったことになります。現状の世界のホッキョクグマ界では彼らの新しいパートナーを得ることは難しいでしょう。ごく最近ホッキョクグマファンになった方に説明しておきますが、このハドソンとネルソンのうちどちらかが男鹿水族館のオープンに際して日本に来るはずだったわけですが、それは実現せずに2005年に豪太が来日したということなのです。今さらどうこう言ってもしょうがありませんが、この時にハドソンかネルソンという野生出身個体が男鹿水族館に来ていれは日本のホッキョクグマ界の血統問題は幾分緩和されていたでしょう。そして円山動物園が豪太の弟でありノヴォシビルスク動物園で一時期暮らしていたこともある雄(オス)の個体(現在は中国)を札幌に導入してアイラ以下のララファミリーの雌(メス)の個体のパートナーにしていたならば理想的でした。ところがハドソンやネルソンの代わりとして男鹿水族館にやってきたのはモスクワ動物園のムルマの息子である豪太でした。ムルマの子供たちの血統はそれまで日本にはありませんでしたので貴重ではあったわけですが、しかしここで日本のホッキョクグマ界は早々と意図しない形で「ムルマカード」を切ってしまったことになったわけです。その時にこの「ムルマカード」を切らずに「温存」できていれば、その後で豪太の弟である個体に対して切ることができたのです。

さて...そうなると次に私の頭は以下のように回転していきます。「ララファミリーの雌(メス)の個体、つまりアイラという一頭、あるいはマルルとポロロの二頭の両方をシーワールドに送り出してハドソンかネルソンのパートナーにしてもらいハドソンかネルソンのどちらかを円山動物園に連れて来て日本に残っているララファミリの雌(メス)の個体のパートナーとしてはどうか?」という考え方です。ただし近年は繁殖計画自体が行き詰っている日本にハドソンやネルソンがやって来ること自体が考えにくい話ではありますが....。

謹んでリアの死に哀悼の意を表します。

(資料)
Sea World - Gold Coast, Australia (Dec.30 2019 - We’re deeply saddened by the death of much-loved 19-year old Polar Bear, Liya)
7NEWS.com.au (Dec.30 2019 - Popular Sea World polar bear Liya dies on the Gold Coast)
Brisbane Times (Dec.30 2019 - Polar bear mum dies suddenly at Sea World)
Daily Mail Australia (Dec.30 2019 - Sea World Gold Coast's mother polar bear Liya dies mysteriously aged 19 leaving behind a heartbroken cub Mishka - after leading Australia's first breeding program)
ABC News (Dec.30 2019 - Sea World polar bear Liya dies on the Gold Coast)

(資料)
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのホッキョクグマたち ~ 繁殖への期待、豪太との関係
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドでホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生!
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の双子の赤ちゃんのうち一頭が死亡
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃんが生後一ヶ月を無事に経過
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドの赤ちゃんが産室内で第一歩を踏み出す
オーストラリアのシーワールドで誕生の雌(メス)の赤ちゃんの名前が「ミシュカ (Mishka)」に決まる
オーストラリアのシーワールドで誕生の雌(メス)のミシュカ (Mishka) の一般公開が開始となる
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのミシュカが間もなく生後半年へ ~ 深いプールにデビュー
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドのホッキョクグマ親子のハロウィン
(*リューティク関連)
ウスラーダお母さんの2頭の子供たちとの別れ
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の女帝ウスラーダの15頭の子供たちの姿
アメリカ・アラスカ動物園のリューティク逝く ~ ウスラーダの子供たちの初めての死
by polarbearmaniac | 2019-12-31 04:00 | Polarbearology

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