アメリカ・シンシナティ動物園のアナーナ（札幌のデナリの妹）がデトロイト動物園へ

アナーナ　Photo(C)Cincinnati Zoo & Botanical Garden

アメリカ・オハイオ州のシンシナティ動物園が発表したところによりますと、同園で飼育されている19歳の雌（メス）のホッキョクグマであるアナーナ (Anana) が繁殖の目的でデトロイト動物園に移動して新しいパートナーとペアになるとのことです。アナーナは3繁殖シーズン（2017～19）にわたってシンシナティ動物園で雄（オス）のリトルワンとペアを組んで繁殖が試みられてきましたが成功せず、リトルワンも昨年暮れに30歳という年齢になっていますのでこれ以上リトルワンと組んで繁殖を試みても成果は得られないという判断したのでしょう。アナーナはすでにバッファロー動物園で2012年に（人工哺育にはなりましたが）ルナを産んでおり繁殖能力があることが証明されているため現在の彼女の19歳という年齢を考えれば早く新しいパートナーを得たほうがよいというのも移動の理由だろうと思います。ニュース番組を御紹介しておきます。



メディアのインタビューに答えてシンシナティ動物園のカーリー氏は、「今回こそアナーナが出産するだろうという強い期待を抱いていました。アナーナの産室内の行動は間違いなく妊娠しているという兆候を強く示すものだったからです。リトルワンは北米において遺伝的観点から最も貴重な血統であり("the most genetically valuable male polar bear in the North American zoo population”)、どうしても彼の繁殖への寄与の成功を私たちは願っていました。」と語っています。おそらく相当に落胆しているのでしょう。前回の投稿でも改めて述べましたが、リトルワンの血統は世界には他に旭川のサツキしかいないというほど貴重な血統なのです。その意味をシンシナティ動物園はよく理解していることがよく伝わってきます。

アナーナは一週間以内にデトロイト動物園に移動する予定であるとメディアは報じています。デトロイト動物園におけるアナーナの新しいパートナーは15歳のヌカ (Nuka) となることも報じられています。

（資料）
Cincinnati Zoo & Botanical Garden (Jan.24 2020 - Anana will be paired with a male at the Detroit Zoo)
WVXU (Jan.23 2020 - The Cincinnati Zoo's Female Polar Bear Is Moving On, Here's Where She's Going And Why)

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