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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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モスクワ動物園のウランゲリ (Врангель)とムルマ (Мурма)の近況 ~ 6月16日から営業再開へ

モスクワ動物園のウランゲリ (Врангель)とムルマ (Мурма)の近況 ~ 6月16日から営業再開へ_a0151913_157367.jpg
ウランゲリ (Белый медведь Врангель/Wrangel the Polar Bear)(2019年10月8日撮影 於 モスクワ動物園)
モスクワ動物園のウランゲリ (Врангель)とムルマ (Мурма)の近況 ~ 6月16日から営業再開へ_a0151913_1562692.jpg
ムルマ (Белая медведица Мурма/Murma the Polar Bear)(2019年10月8日撮影 於 モスクワ動物園)

ロシアの首都であるモスクワの動物園ほど私にとって身近に感じられる動物園はそれほど多くはありません。街の中心地にあり交通の便も非常によくモスクワに滞在していると、ついつい行きたくなってくる動物園です。ここ数年はホッキョクグマたちの世代交代の時期にあたっているためホッキョクグマについてはやや精彩が欠けている印象もありますが私はこの動物園で多くの素晴らしい体験ができたことを大変嬉しく思っています。とりわけ圧巻だったのはシモーナ (Симона) が2009年に産んだ双子、2011年に産んだ三つ子、そして2014年に産んだ双子という三シーズンにわたってのシモーナの育児姿をじっくりと見ることができたということは大きな成果だったと思っています。この時期は札幌のララが繁殖に成功してい時期と重なっていたわけで、シモーナとララとの比較という観点から見ると一層興味深かったというわけです。私のホッキョクグマ体験に大きな厚みをもたらせてくれたのはこのモスクワ動物園なのです。私のモスクワ動物園への訪問については下の過去関連投稿の訪問記を御参照下さい。

現在モスクワ動物園で飼育されているのはすでに繁殖からは引退している29歳の雄(オス)のウランゲリ (Врангель) と、同じく29歳の雌(メス)のムルマ (Мурма) です。25歳のシモーナは現在はモスクワ近郊のヴォロコラムスクにある同園の付属施設で暮らしています。ウランゲリは長年にわたってシモーナのパートナーでしたし徳島のイワンの父親ということで日本のホッキョクグマ界と繋がりを持っていますしムルマは男鹿の豪太の母親としてやはり日本のホッキョクグマ界と繋がっています。モスクワ動物園での最近のこの二頭の様子を見てみましょう。最初の映像はウランゲリとムルマが登場しています。最初に水に入っているのがウランゲリです。



次の映像はウランゲリだけが登場しています。



さて、ここしばらく閉園を余儀なくされていたモスクワ動物園ですが6月16日から営業を再開することが発表されています。営業時間はなんと07:30~22:00 と非常に長くなっています。おそらくこれは閉園が続いて入場料収入が絶たれていたいた同園にとって開園時間を長くすることによって来園者を増やそうとしているということだろうと思います。それから、入場券売り場は一時的に閉鎖するそうでwebでのチケット発売に限定するそうです。モスクワ動物園の入場券売り場はいつも行列が長いですので、そういった行列を作らせないようにするためでしょう。欧州の動物園などとは違って入園時間指定ということはないようです。園内の室内展示場は引き続き閉鎖とするそうです。それから園内のベンチは使用できないそうです。それから入園者にはマスク着用が要請されています。さらに同園は、閉園期間が長かったために動物たちはその間、一種独特の静けさに慣れてしまっているために、入園者は飼育展示場では音を立てないことが要請されています。営業再開にあたって入園者への注意事項がありますので、それを紹介したTVニュース映像を御紹介しておきます。



入場券売り場を一時的ではあれ閉鎖してチケットをネットでの電子決済だけにしてしまうのは営業再開に際してほとんどの動物園で行われていることですが、私がちょっと心配になるのは、入場券売り場で働いでいるおばさんたちのことです。もしこのやり方が恒久化するとすれば、おばさんたちは失業してしまいます。もしそうなったら非常に気の毒なことです。私は動物園の入場券売り場のおばさんたちとはよく話をするのですが、なかなか人懐っこい人が多いのです。これはロシアの動物園だけの話ではありません。ドイツのゲルゼンキルヘン動物園とかベルリン動物公園とかヘラブルン動物園などでも同じです。「おや、あなたは昨日も来ましたね。動物園お好きなのですね。」などと言ってきます。そういった時に私は、「この動物園は大変広いですし動物たちは活き活きしていますので一日だけで見るのは全く不可能です。全部見るまでは何日でも続けて来ますから。」と言うと窓口のおばさんは非常にうれしそうな顔をするのです(実は私はホッキョクグマのところだけに粘っているだけなのですが)。そういった方々の働く場所を失わせるようなことをしてはほしくありません。

(資料)
Московский зоопарк (Jun.11 2020 - ЗООПАРК ОТКРЫВАЕТСЯ С 16 ИЮНЯ!)
Город Москва (Jun.11 2020 - Московский зоопарк откроется 16 июня)

(過去関連投稿)
(*2010年5月、7月 モスクワ動物園訪問記)
・はじめまして、モスクワ・ツインズちゃん!!
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・モスクワのホッキョクグマ赤ちゃん狂騒曲
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・モスクワツインズちゃん、また会う日まで!
・モスクワ動物園の今回の印象
・猛烈な暑さのモスクワ動物園です!
・モスクワの一人っ子ちゃん
・モスクワツインズとシモーナお母さん
・モスクワ動物園の重鎮、貫禄のムルマお母さん
・モスクワ動物園・ホッキョクグマ舎のバックヤード
・シモーナお母さんとモスクワツインズ
・モスクワツインズの性格の違い
・ムルマさん、シモーナさん、本当にありがとう!
・3頭のモスクワの赤ちゃん、お元気で!
(*2011年8~9月 モスクワ動物園訪問記)
(*2012年3月、9月 モスクワ動物園訪問記)
・モスクワ動物園の三つ子ちゃん、はじめまして!
・三つ子の世話はシモーナお母さんにとっても大仕事 ~ 3頭の性格の違いは?
・小雪降るモスクワ動物園 ~ 三つ子ちゃん元気に遊ぶ
・モスクワ動物園の三つ子ちゃん、その多彩な表情
・みぞれ混りの雪が降り続いたモスクワ動物園 ~ 長時間のお昼寝の後の三つ子ちゃん
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・シモーナお母さんと三つ子ちゃん,その多彩な表情 ~ 三つ子の撮影の難しさは予想以上だった!
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・シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月22日) のアルバムより ~ 行動の力学
・シモーナお母さんと三つ子の子供たちの姿 ~ 今日 (9月23日) のアルバムより ~ お元気で!
(*2013年10月 モスクワ動物園訪問記)
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・性格円満のウランゲリ、最近はお昼寝が大好き?
(*2014年9月 モスクワ動物園訪問記)
・秋晴れのモスクワ動物園を訪問  ~  ホッキョクグマたちに御挨拶
・モスクワ動物園が世界に誇るシモーナとウランゲリの名ペアの成功の理由の一端を垣間見る
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・冷雨のヴォロコラムスクのモスクワ動物園附属・保護施設でのシモーナとの再会とニカとの出会い
・野生孤児出身のニカ (Белая медведица Ника) の姿
・「偉大なる母」であるシモーナ (Белая медведица Симона) との再会
(*2019年10月 モスクワ動物園訪問記)
・モスクワ動物園のホッキョクグマたちの秋の日
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・秋の日のムルマ (Белая медведица Мурма)
・モスクワ動物園訪問二日目 ~ ウランゲリさん、ムルマさん、お元気で!

by polarbearmaniac | 2020-06-15 02:00 | Polarbearology

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