人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

兵庫県西宮市・甲子園阪神パークの苦闘の繁殖記録 ~ 記憶と歴史の彼方のホッキョクグマたち

兵庫県西宮市・甲子園阪神パークの苦闘の繁殖記録 ~ 記憶と歴史の彼方のホッキョクグマたち_a0151913_21035911.jpg
兵庫県西宮市・甲子園阪神パークの苦闘の繁殖記録 ~ 記憶と歴史の彼方のホッキョクグマたち_a0151913_21214102.jpg
甲子園阪神パークのホッキョクグマペア (1970年) 
Image:K.Kitamura

兵庫県の西宮市に今から17年前の2003年まで存在していた甲子園阪神パーク (Koshien Hanshin Park) は私のように関東の人間には馴染みのなかった場所ですが、かつてこの施設の一部には動物園があってホッキョクグマも飼育されていました。今回はこの甲子園阪神パーク(以下 "HKP" と略記します)におけるホッキョクグアたちのことを、世界の飼育下のホッキョクグマの血統情報を管理しているロストック動物園の資料から記録を辿ってみることにします。

HKP がホッキョクグマを導入したのは1957年のことだったようです。その年の10月30日に来園した雄(オス)の個体 (#1218 1956~1985?) ですが、飼育下の生まれであった可能性はあるものの現実はやはり野生出身だったと考えてよいでしょう。そして同じ日に雌(メス)の個体 (#1283 1956~1971) もHKP に入園した記録が残っています。彼女については旧ソ連(ロシア)で捕獲された野生出身個体であることが記録上明示されています。このホッキョクグマのペアの1970年の姿を映した極めて貴重な映像がありますので下に御紹介しておきましょう。映像開始後29秒あたりからです。


この雄(オス)の個体 (#1218) と雌(メス)の個体 (#1283) との間での繁殖の試みについてロストック動物園は以下の記録を残しています。

① 1970年12月7日 1頭誕生 (#1268)  性別はF 12月10日死亡

このペアはこの時は共に14歳だったわけです。上でご紹介した映像は1970年に撮影されたものだそうですから、ちょうどその年の12月に雌(メス)の個体 (#1283) は出産があったということになります。

さて、1970年12月に出産があった雌(メス)の個体 (#1283) ですが、大変残念なことに翌年1971年の7月31日に14歳で死亡してしまいます。その後ですが、雄(オス)の個体は一頭で飼育されたようです。別の個体が HKP に入園した記録がありません。その後の雄(オス)の個体 (#1218) ですが、1985年2月20日までは確実に HKP で飼育されていた記録が残っているのですが、2月21日に動物商に所有権が移転した記録があります。その後についてはロストック動物園の記録では「消息不明」となっています。1985年2月といえばその雄(オス)の個体は28歳になっていましたから、その年齢のホッキョクグマを受け入れてくれる動物園は多分なかっただろうと思います。ですから所有権は動物商に移転していたとしても引き続き HKP で飼育されていただろうというのが私の推測です。ただし、その後いつ亡くなったのかは推測も難しいですね。

HKP で飼育されていたホッキョクグマはこの二頭だけでした。現在においては誰にも語られることのないホッキョクグマたちです。せめてその記録だけでも残しておいてやりたいと思います。ロストック動物園の記録をまとめますと、甲子園阪神パークで誕生したホッキョクグマは1頭、成育した個体はいなかったということになります。


HKP は2003年3月31日にその歴史の幕を閉じています。今から17年前のことでした。

(過去関連投稿)




by polarbearmaniac | 2020-10-16 00:30 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索