ベルリン動物園の36歳のカチューシャ(Katjuscha)の近況 ～ 最高齢のホッキョクグマへの地元ファンの暖かい視線

カチューシャ(Katjuscha)　Photo(C)Zoo Berlin

COVID-19 の影響で閉園を余儀なくされたり、あるいは開園はしていても訪問が難しかったりという動物園は多いのですが、こういった場合に心配になるのは高齢のホッキョクグマたちの動向です。いつのまにか亡くなってしまったりということがあると残念です。現在の世界の飼育下のホッキョクグマのなかでは最高齢となっている1984年11月16日生まれで36歳のベルリン動物園(Zoologischer Garten Berlin/Zoo Berlin) のカチューシャ(Katjuscha)ですが、地元のファンの方々はしっかりと彼女の姿を定期的に映像に収め、そして公開しています。そういった映像の中から一つご紹介しておきましょう。これは今年2021年1月18日の映像のようです。

その他、1月17日の映像もあります。1月23日の映像もありますが、これは静止画主体の動画です。このカチューシャにはどうしても再会したいと思っています。
実は今だから正直に言うのですが、私は昨年12月の下旬に睡眠中に非常に奇妙な夢を見ました。夢の中でどういったわけか「ホッキョクグマの神様」が姿は見えないものの天井のあたりから声が聞こえてきたのです。それはまるで亡き父であるデンマーク王の亡霊の声を聞いたハムレットのような感じでした。私はその「ホッキョクグマの神様」に向かって、「どうか仙台のポーラが出産に成功できるようにしてやって下さい。お願いします！」と言いました。そうしたところ「ホッキョクグマの神様」の声がどこからか聞こえてきました。「よかろう。お前の望み通りにしてやろう。そのかわりナナの命と引き換えだぞ。」という声です。私は思わず、「そんな条件を受け入れるわけにはいきません！」と声を荒げました。そこで目が覚めたのでした。私は一年に一回ほどこういったホッキョクグマ関連の夢を見ます。今年の1月になってしばらくは八木山動物公園からポーラの出産についての情報はなかなか流れてきませんでした。そして1月20日にポーラには出産がなかったという発表がありました。その時、私は残念だと思うという以上に「これでナナの命は奪われずに済んだ。まだ彼女に会える。」と勝手に解釈して、もしろ喜んだといったところでした。いつの間にか、夢で告げられた「ホッキョクグマの神様」の言葉を現実のものとして勝手に解釈したのです。ところがどうでしょう、1月24日になってナナの訃報が出ました。要するに「ホッキョクグマの神様」はポーラに出産させないだけではなく、ナナの命まで奪っていったというわけです。実に理不尽です。
これは今までも御紹介してきたいくつかの例があるのですが、若いホッキョクグマが出産に成功するのと前後して同じ動物園に暮らす老齢の雌（メス）のホッキョクグマが亡くなるというケースです。タリン動物園のヴァイダ然り、カザン市動物園のディクサ然り.....。いや、それだけではありません、明らかに「主役交代」を感じ取った老齢のホッキョクグマが時期を前後して亡くなるというケースはよくあります。日本平動物園のピンキー、ベルリン動物公園のアイカ、ペルミ動物園のアンデルマ、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャなどなど。
今回のベルリン動物園のカチューシャは依然として同園の主役の座にあります。彼女が仮に人間ならば「まだまだ私は頑張るぞ」、そう思っているだろうと勝手に想像しています。彼女は長寿でしょう。

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