ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のジフィルカ (Зефирка)、産室内で満10歳の誕生日を迎える

ジフィルカ (Зефирка/Zefirka)

Photo(C) Николаевский зоопарк

ウクライナ南部の都市であるムィコラーイウ (Миколаїв/Mykolaiv) にあるムィコラーイウ動物園 (Миколаївський зоопарк/Николаевский зоопарк) で飼育されている雌（メス）のホッキョクグマであるジフィルカ (Зефирка) は彼女の満10歳の誕生日を産室内で迎えています。彼女は2011年11月27日にモスクワ動物園でシモーナの産んだ三つ子の一頭として誕生しており、2014年3月からムィコラーイウ動物園で飼育されています。彼女のパートナーとなったのはチェコ・ブルノ動物園生まれの1年年下のナヌク (Nanuk) であり、このナヌクとの間に2017年12月8日に娘のスメタンカ (Сметанка) が誕生しています。

ジフィルカ (Зефирка/Zefirka)

Photo(C) Миколаївський зоопарк

ジフィルカとナヌクは共に「カザン血統」で、いとこ同士の関係であるためナヌクはジフィルカとのペアを解消させられる形で今年の7月にベルギーの原生サファリパークに移動となっています。また、ジフィルカとナヌクの間に生まれたスメタンカはそういった両親の血統的な近さが原因してか中国に移動することが決まっていますが、コロナウィルス感染症の影響のためか、まだムィコラーイウ動物園に留まっています。ナヌクがベルギーに去る前にジフィルカとの間に繁殖行為が確認されていたためジフィルカは現在産室に留まり、ムィコラーイウ動物園ではホッキョクグマの飼育展示場付近で立ち入り制限措置がとられているそうです。26日に公開された産室内のジフィルカの姿を下に御紹介しておきます。ジフィルカの行動には落ち着きがなく、これから約1週間～10日以内が出産の山場のような気がします。

このジフィルカはシモーナの娘といった血統的な要素によっても、私は彼女の出産の確率は今回も高いのではないかと予想しています。ちなみに、ゲルダ（ノヴォシビルスク動物園）、ミラーナ（ハノーファー動物園）、トーニャ（ベルリン動物公園）はこのジフィルカの姉にあたります。

このムィコラーイウ動物園におけるホッキョクグマ飼育・繁殖の歴史については「ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のホッキョクグマ飼育・繁殖の歴史 ～ 謎多きソ連時代の実態」という投稿を御参照下さい。過去のソ連時代における実態については、非常に謎の残るムィコラーイウ動物園なのです。

（資料）

Николаевский зоопарк (Nov.26 2021 - Тиха година у Зефірки) (Nov.27 2021 - Сьогодні, 27 листопада свій день народження святкує наша красуня, біла ведмедиця Зефірка.)

КП в Украине (Nov.27 2021 - В Николаевском зоопарке празднуют 10-летие белой медведицы Зефирки)

（過去関連投稿）
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（ジフィルカのモスクワからムィコラーイウへの移動関連）
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（＊2018年8月 ムィコラーイウ動物園訪問記）

・ポーランドのワルシャワからウクライナのオデッサ (Odessa)、そしてムィコラーイウ (Mykolaiv) ヘ
・ムィコラーイウ動物園へ ～ ジフィルカとの再会、そしてミコルカ（仮称）との出会い
・ナヌク (Lední medvěd Nanuk)、その姿と実像 ～ 偉大な雄（オス）の風格が備わるのはまだ先か？
・ジフィルカ (Белая медведица Зефирка)、天性の母親の資質
・ミコルカ (仮称 - Белый медвежонок Мыколка)、素顔とその性格
・ムィコラーイウ動物園訪問二日目 ～ ジフィルカ親子の示す愛情の絶妙な相互関係
・ムィコラーイウ動物園訪問三日目 ～ ジフィルカの自己犠牲的献身性の母親像
・ムィコラーイウ動物園訪問四日目 ～ 猛暑の中で頻繁に授乳を行うジフィルカの体力的強靭さ
・ムィコラーイウ動物園訪問五日目 ～ ジフィルカさん、ミコルカ（仮称）ちゃん、ナヌクさん、お元気で！