街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum
by polarbearmaniac
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
ロシア極北・ディクソンで重傷を負いモスクワ動物園で治療されているホッキョクグマのその後 ~ 幼年期に人間に育てられた可能性?
ロシア極北のディクソン (Диксон) で重傷を負った一頭のホッキョクグマが発見され、ロシアの天然資源・環境省の地元出先機関の要請によってモスクワ動物園の専属獣医や連邦政府の検査官など数名がディクソンに飛び、このホッキョクグマを治療のためノリリスク経由でモスクワまで輸送し、そしてこのホッキョクグマは6日にモスクワ動物園に到着したことは前回の投稿で述べています。このホッキョクグマは3歳くらいの若い個体で体重は50〜60kgで、現地での検査ではこの個体は左肩甲骨に銃弾を受け、後肢の麻痺があって頭と前脚しか動かくことができないことが判明したそうです。性別については当初は雌(メス)と発表されたものの、モスクワ動物園で再検査の結果では雄(オス)だったとのことです。ニュース映像を見ておきましょう。
もう一つご紹介しておきます。下をワンクリックして下さい。
モスクワ動物園のアクーロヴァ園長によりますと、このホッキョクグマをモスクワ動物園で麻酔をかけた際によく観察してみると後肢をかなり舐めた形跡があることから、このホッキョクグマは四肢の感覚があるのではないかと推測したともことです。つまり、麻痺しているように見える後肢にも感覚は残っているのではないかということになります。モスクワ動物園に到着した6日と、麻酔から覚醒した7日の朝には牛肉などを食べて食欲が回復している様子が見られるそうです。ただし全体的にはこのホッキョクグマは非常に深刻な状態にあることには変わりがないとのことです。
それからモスクワ動物園のスヴェトラーナ・アクーロヴァ園長は極めて興味深いことを語っています。彼女によれば、この問題のホッキョクグマがスタッフに対して非常に友好的であることについてスタッフは驚いているとのこと。彼はなぜか人間に対して攻撃的なところが全くないそうです。通常、自然界からホッキョクグマがやってくると、みんな攻撃的だそうで、ホッキョクグマが非攻撃的であることは動物園のスタッフにとっては初めて遭遇したと述べています。つまりこのことから言えることは、このホッキョクグマは幼い頃からどこかで人間と一緒に暮らしていたのだろうという以外に説明がつかないとアクーロヴァ園長は語っています。ただしこの見解は果たしてどうでしょうか? このホッキョクグマは重傷を負い動けなくなっていたために空腹で、人間に対して救いの手を自分に差し伸べてほしいと必死に考えてそのような態度を見せているという解釈も可能だと思われます。
ここで7日の朝と思われるモスクワ動物園でのこのホッキョクグマの様子を見てみましょう。下をワンクリックして下さい。
天然資源・環境省の自然管理監督局の責任者であるスヴェトラーナ・ラジオノヴァ氏によりますと「負傷したホッキョククマの X 線の最初の結果が得られました。直径 4 ~ 10 mm の弾丸などに似た多くの異物が見つかりました。幸いなことに骨格は無傷です。弾丸は緊急に除去する必要はありません。弾丸は骨盤四肢の神経障害の原因ではないかもしれません。このホッキョククマは、後肢の可動性喪失の原因を特定するために、さらなる検査を受ける必要があります。獣医師は現在、診断方法の選択(金属製の弾丸のためMRIは危険かもしれません)、可能な手術の検討、今後の治療のための最良の選択肢の選択を行なっています。」ということだそうです。
楽観できない状態であることは間違いありません。仮に非常に幸運にも回復できたとすれば、是非モスクワ動物園でこのホッキョクグマに会ってみたいと思います。
(資料)
РИА Новости (Sep.7 2022 - Раненый медведь сохранил чувствительность лап, допустили в зоопарке Москвы)
Телекомпания НТВ (Sep.7 2022 - Состояние медведя с острова Диксон остается крайне тяжелым)
Фонтанка (Sep.7 2022 - К белому медведю из Диксона вернулся аппетит. Но лапы всё ещё неподвижны)
Вечерняя Москва (Sep.7 2022 - В Московском зоопарке раскрыли подробности о состоянии раненого медведя с острова Диксон)
Подъем (Sep.7 2022 - В Московском зоопарке надеются спасти лапы раненого белого медведя)
Life (Sep.7 2022 - Лапы не двигаются, но начал есть: Стало известно о состоянии спасённого на Диксоне раненого медведя)
Комсомольская правда (Sep.7 2022 - В московском зоопарке предположили, что раненый медведь с Диксона сохранил чувствительность лап)
(過去関連投稿)
by polarbearmaniac
| 2022-09-08 03:00
| Polarbearology
カテゴリ
全体Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類
最新の記事
........and so.. |
at 2023-03-27 06:00 |
モスクワ動物園のディクソン(.. |
at 2023-03-26 03:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-25 02:00 |
ロシア・西シベリア、ボリシェ.. |
at 2023-03-24 02:00 |
鹿児島・平川動物公園でライト.. |
at 2023-03-23 01:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-22 03:00 |
名古屋・東山動植物園でフブキ.. |
at 2023-03-21 01:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-20 02:00 |
モスクワ動物園のディクソン .. |
at 2023-03-18 22:20 |
ロシア・サンクトペテルブルク.. |
at 2023-03-18 03:00 |
以前の記事
2023年 03月2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月