街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum
by polarbearmaniac
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
WWFロシア支部がディクソンの集落でのホッキョクグマ遭遇事故への対策を提案 ~ モスクワ動物園は基金を立ち上げ救済募金を募る
ディクソン (Диксон) Image: Фонд национальной природы
WWF (世界自然保護基金) のロシア支部が今回のディクソンの集落で重傷を負ったホッキョクグマであるディクソンの件に関連して提案を行っています。その前提としてまず、ディクソンには外部からの二つの要素によって重傷を負ったことを指摘しています。一つは言うまでもなく銃弾(正確には”大粒の散弾”)、もう一つは脇腹への強い力ということです。後者についてはモスクワ動物園の獣医師は、ディクソンが蹴られたのではないかと考え、一方で自然管理監督局の責任者であるスヴェトラーナ・ラジオノヴァ氏は車と衝突した(具体的にはバンパーにぶつかった)のではないかと考えています。
こういった二つの異なる見解を受けてWWF ロシア支部のバルバラ・セメーノヴァ氏は「このホッキョクグマに何が起こったのか、徹底的に調査する必要があります。人間による正当防衛なのか、密漁なのか、何が原因でこのような事態となったかが明らかにされるべきです。また、集落のホッキョクグマにどのような問題があり、今後どのようにすれば同様の事態を回避できるかを理解するためには、今回の事件の経緯を知ることが重要です。」と語っています。そしてさらに「近年、北極圏の活発な開発や世界的な気候変動により、氷のない時期に海岸でホッキョクグマを目撃することが多くなっています。また、通信手段の発達により、ホッキョクグマの目撃情報や事件がメディア空間で報じられることも多くなってきました。これにより、緊急時の対応がより迅速に行えるようになりました。8月にディクソンの集落を自由に歩くホッキョクグマの映像がネットに現れましたが、人が住む領域からホッキョクグマを追い出そうという本格的な動きは何も起こりませんでした。ホッキョクグマとの遭遇が多い極北の地では、住民によるボランティアチーム「ベア・パトロール隊 (Медвежий патруль)」が、村からホッキョクグマを遠ざけ、彼らを寄せ付けないようする活動を行っています。 ところがディクソンには現在そのような部隊はなく、警告システム、ビデオ監視、学校など社会的に重要な施設の近くにフェンスを設置するなどといった「ホッキョクグマ対策」のための特別なインフラもありません。」と語ります。
そしてさらに、ロシアでこのようなインフラの活用に成功した事例の一つとしてアンデルマ (Амдерма) の街の例を挙げています。旭川のホクトや横浜のゴーゴの母親であるアンデルマはこの街に突然現れたため、彼女の名前はそれにちなんで「アンデルマ」となったことはもちろんです。WWFロシア支部の支援によりこのアンデルマ (Амдерма) の街に地域住民に注意を喚起するための警報システムが稼働しており、光とサイレンの音でホッキョクグマが村に侵入したことを住民に知らせ、すぐに安全な場所に避難するよう呼びかけるシステムが機能しており、15個のアラームがポールに設置されホッキョクグマが街に侵入すると地元の行政によってスイッチが入れられるようになっているそうです。それに関する映像を御紹介しておきます。
WWFロシア支部は、こういったシステムをディクソンの集落に導入する用意のあることを申し出ています。また、ホッキョクグマとの紛争予防と管理の問題は、既存の法律や規制の枠組みでは十分に対処されておらず、WWFロシア支部が行った分析によると、ホッキョクグマに対する餌付けや挑発行為は法律で何ら規制されていないことが判明したtのこことで。少なくともホッキョクグマなどレッドリストに掲載されている動物の給餌については行政の介入を導入することでホッキョクグマとの紛争を緩和することができるだろうとも述べています。
モスクワ動物園のスヴェトラーナ・アクーロヴァ園長は、ロシアで非常に多くの人々が重傷を負ったホッキョクグマのディクソンの運命を追い続け。多くの人々が「何とかしてあげたい」と手紙をくれると語っています。しかし問題なのはディクソンだけではなく他のホッキョクグマたちも私たちのケアを必要としていると語り、「国家自然保護基金(Фонд содействия сохранению национальной природы)」を設立し、募金を募ることにして募金はすべてホッキョクグマたちへの救済に役立てると述べています。
課題の解決のためのロシアの関係者の努力は不断のようです。
(資料)
WWF России (Sep.13 2022 - ПОСЕЛКУ ДИКСОН НЕОБХОДИМА СИСТЕМА ПРЕДОТВРАЩЕНИЯ КОНФЛИКТОВ С БЕЛЫМИ МЕДВЕДЯМИ)
Фонд национальной природы (Sep.13 2022 - История о белом медведе, которого сотрудники Московского зоопарка спасли от неизбежной гибели, вызвала большой общественный резонанс)
Moscow 24 (Sep.13 2022 - Фонд дикой природы заявил, что Диксону нужна система предотвращения проблем с медведями)
ТАСС (Sep.13 2022 - Московский зоопарк открыл сбор средств на помощь и спасение белых медведей)
(過去関連投稿)
by polarbearmaniac
| 2022-09-14 03:00
| Polarbearology
カテゴリ
全体Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類
最新の記事
........and so.. |
at 2023-03-27 06:00 |
モスクワ動物園のディクソン(.. |
at 2023-03-26 03:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-25 02:00 |
ロシア・西シベリア、ボリシェ.. |
at 2023-03-24 02:00 |
鹿児島・平川動物公園でライト.. |
at 2023-03-23 01:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-22 03:00 |
名古屋・東山動植物園でフブキ.. |
at 2023-03-21 01:00 |
ロシア・ノヴォシビルスク動物.. |
at 2023-03-20 02:00 |
モスクワ動物園のディクソン .. |
at 2023-03-18 22:20 |
ロシア・サンクトペテルブルク.. |
at 2023-03-18 03:00 |
以前の記事
2023年 03月2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月