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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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モスクワ動物園の重傷を負ったディクソン (Диксон)、リハビリと傷の治療の進行の近況

モスクワ動物園の重傷を負ったディクソン (Диксон)、リハビリと傷の治療の進行の近況_a0151913_01571572.jpg
ディクソン (Диксон) Image: Московский зоопарк

ロシア極北のディクソン (Диксон) の集落付近で銃弾によって重傷を負って保護・治療のために9月6日にモスクワ動物園に移送されて治療とリハビリが行われている推定3歳の雄(オス)のホッキョクグマのディクソン (Диксон)について、10月24日から11月5日までの動向をまとめておくこととします。ですから本投稿は前々回の投稿である「モスクワ動物園の重傷を負ったディクソン (Диксон)、体内に残る銃弾の影響を感知している様子はなく、摘出手術は不要との見解」の続きです。この10月24日から11月5日までの期間中には非常に重要な出来事がありました。それについては「モスクワ動物園の重傷を負ったディクソン (Диксон)、遂に屋外に登場し特別仕様のプールを初体験 ~ 火花が散った二人の女性のドラマ」を御参照下さい。では、先月24日から今月5日までのモスクワ動物園の公開した映像を繋げたものを下でご覧いただくこととします。ワンクリックしていただくと見ることができます。

モスクワ動物園の重傷を負ったディクソン (Диксон)、リハビリと傷の治療の進行の近況_a0151913_23543007.jpg
上の映像についてモスクワ動物園のアクーロヴァ園長がSNS上で述べているコメントを御紹介しておきます。

・00:00 - 00:51 (10月25日)
「昨日、ディクソンの寝姿の撮影に成功しました。この日の訓練を終えて専門の担当者たちは、やっぱりディクソンが落ち着くのを待とうということになりました。眠っているディクソンを撮影するために何度も試み、そしてついに成功しました。彼が私たちを騙したかもしれないと思いますか?」

・00:52 - 04:59 (10月26日)
「ディクソンは、本物のプロフェッショナルと、彼を大切にする人たちによってケアされています。囲いの掃除、食事の調理、積極的なトレーニング、そして義務付けられた「雪の支給」など。これらは言葉だけでなく、モスクワ動物園の職員が日々行っているハードワークでもあるのです。今日、彼らは私たちの映像のヒーローなのです。専門の担当者たちが、ディクソンと彼との仕事について、愛情を込めて語っていることをご覧ください。私たちは、その一人ひとりを、そしてもちろん、裏方に徹してきた人たちを誇りに思っています。」

・05:00 - 06:03 (10月27日)
「誰もいないときのディクソンの寝姿はこんな感じです。彼の囲いに隠しカメラを設置し、夜の様子を確認しました。ディクソンは寝返りを打っては眠り、また起きては伸びをし、寝返りを打ち、水を飲んでまた眠るということを繰り返していました。このような断続的な睡眠は、彼の体調を考えると当然といえば当然です。そして午前6時、ディクソンはすでに座って専門の担当者たちを待っていました。あくびをしながら。」

・06:04 - 09:49 (10月28日)
「ディクソンが初めてプールで泳ぎました。ついに、みんなが待ち望んでいたことが実現したのです! 専門の担当者たちは、ディクソンの限られた身体能力に対応するために用意されたプール付きのケージにディクソンをデビューさせました。当初、ディクソンは新しい環境、匂い、他の動物たちの気配などを求めて隅から隅へと移動し、ある場所では小石を掻くなど、探索行動を見せました。彼は20分ほどでプールにやってきました。ディクソンは水中に入ると、すぐに深い場所に入り、安心して頭から飛び込んでいったのでした。溺れる心配はまったくなく、プールの深さは場所によって35cmから75cmと差があり、スムーズでした。最初の泳ぎで、深さを55cmから85cmにそれぞれ増やせるようになったことがわかりました。専門の担当者たちは、プールに向かう途中や水中で、ディクソンの太ももの筋肉が動いていることに注目しました。これは彼が自分の体を引き上げようとしていたことを意味します。ディクソンは約1時間、楽しそうにプールに入り、初めてのプールは成功だったと評価しています。そして、自分の意志でプールから上がり、無事に囲いの中に戻ってきました。あとは彼が新しい環境に適応するのを待ち、専門の担当者が水中訓練を開始する予定です。」

・09:50 - 10:35 (10月31日)
「プールを探索し続けるディクソンです。ディクソンは水に入り、陸に上がり、好きなときに元の囲いに戻るなど、すべて自分の意志で行っています。専門の担当者の観察によると、ディクソンはプールの中でより活発に動き、小石はマッサージ効果を発揮し、小石とこすれて筋肉を鍛えるのだそうです。だから、ケージには砂ではなく小石が敷き詰められているのです。砂は紙やすりのようなもので、こすると肌に大きなダメージを与えます。一方、専門の担当者たちはディクソンの足の傷の治癒を早めようとしています。一日に数回、一般の購読者から寄贈された特別なジェルで治療しています。結果は出ています。傷は少しずつ癒えています。」
*ちなみに、ビデオのこの部分を語っている方はモスクワ動物園で長くホッキョクグマを担当していたイーゴリ・エゴロフさんです。エゴロフさんは私にモスクワ動物園のバックヤードの見学を許可してくれ、私に案内や説明もしてくれた方です。エゴロフさんはシモーナの産んだ子供たちの全頭、ムルマの産んだ子供たちの全頭、それらを全て主任として担当しています。モスクワ動物園でホッキョクグマ専属の主任獣医であるドミートリイ・エゴロフさん(ディクソンに対して現地で最初の救急医療を行った人です)は、この方の息子さんではないかと私は思っています。顔がよく似ていますので。

・10:36 - 11:27 (11月 1日)
「ディクソンには低体温症の危険はありません。彼はプールから上がると、きれいに体を振って、ほとんどの水を振り払ってしまいます。そして、野生のホッキョクグマは雪の上で体を拭きますが、私たちの場合は小石の上でディクソンが「乾く」のです。そして、高炭水化物食のおかげで、今は脂肪の層がしっかりあり、これは当然、低体温の予防になるのです。多くの動物がそうであるように、寒くなる前後に現れる下毛も役に立っています。しかし、もしディクソンがプールで落ち着かないときは、いつでも自分の室内の部屋に戻り、そこにある木質の毛皮に潜り込むことができるのです。」

・11:28 - 11:59 (11月 3日)
「動物学者の担当者はディクソンの傷を1日2回治療します。トレーニングでは、セルジェルの開発者の一人である科学者・皮膚科医のセルゲイ・ゴルツォフ氏から寄付されたセルジェル (Cellgel gel) を塗ります(宣伝しているわけではありません)。再生効果のある製品です。傷口は薄い膜に包まれ、しばらくの間、汚染や感染から守られます。ディクソンの脚に包帯を巻くのは不可能です。まず、巻くこと自体が担当獣医にとっては非常に危険ですし、長時間巻いているとディクソンは包帯を破ってしまうからです。しかし、私たちはあきらめずに、傷口を覆う効果的な方法を探し続けます。」

・12:00 - 12:55 (11月 4日)
「「ディクソンはガラスの向こうにあるものに興味津々です。今のところディクソンの囲いは外部から遮断されていて訪問者は入れませんが、彼はまだガラスに手を伸ばしており、そこから匂いなど新しい気配が聞こえてきます。ディクソンは専門担当者に囲まれていることが多いのですが、人間との出会いはとてもスリリングなので、もう少し時間をかけて慣らしていきたいと思います。」

モスクワ動物園の重傷を負ったディクソン (Диксон)、リハビリと傷の治療の進行の近況_a0151913_02500163.jpg
ディクソン (Диксон) Image: Московский зоопарк

ここで、この10月24日から11月5日までの間にディクソンについて報じたロシアのTVニュースの映像を、まとめてご紹介しておきましょう。やはりディクソンのモスクワ動物園での屋外初登場とプール初体験の内容がメインになります。下をワンクリックして下さい。

モスクワ動物園の重傷を負ったディクソン (Диксон)、リハビリと傷の治療の進行の近況_a0151913_02155014.jpg

私が以前から心配していたのは、ディクソンは背骨や脊椎に損傷を受けていますので、彼がプールに入った後に体から水を切る行動ができないのではないかということでした。できないとすれば彼の体は水で濡れたままの状態が続き、冬の夜の低温によって体が凍り付いてしまうのではないかという危険性があったわけです。ところが実際の映像を見てみますと、彼は正常なホッキョクグマに近い形で自分で水を切っています。これができるということですからディクソンの体が低体温に陥るということはないわけです。アクーロヴァ園長が11月1日に述べているメッセージの内容はまさにこのことです。
モスクワ動物園の重傷を負ったディクソン (Диксон)、リハビリと傷の治療の進行の近況_a0151913_02521093.jpg
ディクソン (Диксон) Image: Московский зоопарк

ロシア人のこのディクソンに対する関心は減少することがないようです。多くの人々がディクソンに声援を送り続けています。ロシア国外では全く報じられていません。

(資料)
Первый Севастопольский (Oct.28 2022 - Раненый медведь Диксон смог поплавать в бассейне)

by polarbearmaniac | 2022-11-06 03:00 | Polarbearology

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