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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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モスクワ動物園のディクソン(Диксон)、抜歯手術を受ける ~ ディクソンを支えるスタッフ、声援を送るロシア国内の多くの人々

モスクワ動物園のディクソン(Диксон)、抜歯手術を受ける ~ ディクソンを支えるスタッフ、声援を送るロシア国内の多くの人々_a0151913_02143176.jpg
ディクソン (Диксон)  Image: Московский зоопарк

ロシア極北のディクソン (Диксон) の集落付近で散弾によって重傷を負い、9月6日からモスクワ動物園で保護・治療されている推定3~4歳の雄(オス)のホッキョクグマのディクソン (Диксон) について、前回の投稿から現時点まで (11月16日~28日) の動向をまとめておきます。この期間中の11月21日にはディクソンの折れた歯を取り除く手術が行われるといった大きな出来事がありました。まずこの手術に関する映像だけをまとめたものを最初に御紹介しておきます。


そして次にこの期間中 (11月16日~28日) 全体についてモスクワ動物園が公開したディクソンについての映像の全部を結合して御紹介しておくこととします。下をワンクリックしていただくと見ることができます。

モスクワ動物園のディクソン(Диксон)、抜歯手術を受ける ~ ディクソンを支えるスタッフ、声援を送るロシア国内の多くの人々_a0151913_01143951.jpg
上の映像についてモスクワ動物園のアクーロヴァ園長がSNS上で述べているコメントを御紹介しておきます。

・00:00 - 01:01 (11月16日)
「ディクソンはケージでは仲間を必要としません。ディクソンが一人で退屈しているのではと心配し、動物を「預ける」ことを提案する人も少なくありません。しかし、その必要はないです。まず、ホッキョクグマはもともと単独で行動する動物であること、そして、今はリハビリテーション期間中であるため、非常にさまざまな作業があることです。ディクソンは定期的にトレーニングを受け、専門の担当者とコミュニケーションをとりながら、精神的、肉体的に成長していきます。彼は退屈に悩まされることがないのです。しかし、縄張りにいる別の動物が餌と間違えて彼に食べられてしまうこともあります。ディクソンは、その点では申し分なく、スピードも機敏になっています。」

・01:02 - 01:06  (11月18日)
「ウファの幼稚園の子どもたちが、ディクソンの絵を描き、一刻も早い回復を願っています。特に若い読者からの支持は、ディクソンを大切に思うすべての人にとって大変嬉しいことです。子供たち、そしてディクソンのことを気にかけてくれるすべての人に感謝します。」

・01:07 - 02:00  (11月21日)
「ディクソンの折れた歯を抜きました。本日、モスクワ動物園に入園した時にはすでに折れていたディクソンの折れた歯の抜歯手術を行いました。ディクソンの病状が深刻だった時には、すぐにはできなかったことでした。この2カ月でディクソンは成熟し、状態も安定したため、命へのリスクを最小限に抑えて麻酔をかけることができるようになりました。牙を残すことは危険でした。牙は全長にわたってひどく折れており、歯根の周囲には炎症がありました。感染がさらに広がり、深刻な炎症を引き起こす可能性がありました。また、犬歯自体は機能的ではないので、それがなくなっても咀嚼に影響はありません。ディクソンは狩りをする必要がなく、必要に応じて食べ物を切ってあげることができます。手術は約2時間半かかりました。いつも通り手際よく、手術は成功しました。医師たちのフォローで、ディクソンは無事に目を覚ました。今後数日間、非ステロイド性抗炎症薬と鎮痛剤を投与する予定です。」

・02:01 - 03:18  (11月22日)
「ディクソンは無事に麻酔が解けましたが、今日はオペレーターのところに出てこず、内室で休んでいました。しかしディクソンは朝食を熱心に食べに来ました。今日は彼のために牛肉のスープに小さな肉片を入れた料理を作りました。牙を抜いた左側が治りつつある中、主に右側の口で噛んでいました。動物学者たちは、ディクソンの手術後の状態は良好であると述べています。獣医師は、ディクソンがまだ麻酔下にあるうちに、この機会を利用して詳しく調べることができました。傷口は徹底的に治療され、今日すでに、再生剤が肉芽を形成し、新しい毛髪が生えるなど、著しい改善が見られます。ディクソンが目を覚ますと、余分なものを全部取ってしまうので、ラップや絆創膏に慣れさせなければならないのです。一方、脊髄損傷は通常、尿路の障害を伴うため、医師はディクソンの膀胱の超音波検査を行い、状態を把握しました。超音波検査の結果、まだ膀胱や腎臓に深刻な問題はないとのことでしたが、彼の排尿コントロールが十分でないため、股間部に皮膚炎を起こした可能性があります。専門医が患部を治療し、今後も皮膚や泌尿器系を観察していく予定です。歯科手術中のMRI検査は行わないようにしました。第一に、他の理由によって行われることになっていました。 第二に、ディクソンの体重は160キログラムであり、MRI装置はそのような重い体重に耐えられるようには設計されていないため、限界があったのです。長期的にはCTスキャンを行う予定ですが、しばらくすると、ディクソンはすべての処置から休まなければなりません。」

・03:19 - 04:00  (11月25日)
「ディクソンの囲いは一定の温度、5〜10℃前後に保たれています。犬歯の抜歯手術後にディクソンがより良く回復するために必要なことです。ディクソンの囲いはPVC製のラメラが透明なカーテンの役割を果たし、外部からの冷気を遮断することで、暖かさを保っているのです。エアコンは暖房にも使えます。このような措置は、今後数日間、専門担当者によって観察されることになります。一方、ディクソンは「ちゃっかり」振る舞っています。」

・04:01 - 05:06  (11月28日)
「私たちは通常の仕事モードに入り、一方でディクソンはトレーニングの日々を続けています。賢くて、素直で、物わかりのいいホッキョクグマさん、よく頑張っていますね。しかし、それでも、その背後にある専門の担当者たちの苦労を忘れてはならないのです。」

こういったところです。

モスクワ動物園のディクソン(Диксон)、抜歯手術を受ける ~ ディクソンを支えるスタッフ、声援を送るロシア国内の多くの人々_a0151913_02192862.jpg
ディクソン (Диксон)  Image: Московский зоопарк

11月21日に行われた、折れた歯の除去手術ですが、当然のことながら全身麻酔をかけるわけで、その危険性を十分に認識しており、ディクソンの体力が十分に回復するをを待って、満を持して行われたということですね。日本の動物園のホッキョクグマたちに歯科治療措置が行われたという話は聞いたことがありませんが、欧米やロシアでは比較的よく行われています。
モスクワ動物園のディクソン(Диксон)、抜歯手術を受ける ~ ディクソンを支えるスタッフ、声援を送るロシア国内の多くの人々_a0151913_03433890.jpg
モスクワ動物園のディクソン(Диксон)、抜歯手術を受ける ~ ディクソンを支えるスタッフ、声援を送るロシア国内の多くの人々_a0151913_03440913.jpg
Image: Московский зоопарк

ここでディクソンの歯科治療(折れた歯の除去)が行われた11月21日の夕方から夜にかけてのロシアのTVニュースを御紹介しておきましょう。下をワンクリックして下さい。

モスクワ動物園のディクソン(Диксон)、抜歯手術を受ける ~ ディクソンを支えるスタッフ、声援を送るロシア国内の多くの人々_a0151913_02402860.jpg
それから、脊髄の損傷は通常、排尿障害を伴うということを初めて知りました。獣医師はディクソンの状態を把握するため、膀胱の超音波検査を行ったそうで、その超音波検査の結果、まだ膀胱や腎臓に深刻な問題はないという結果だったのはよかったです。ただしディクソンの排尿ノコントロールが完全に十分ではないため、股間部に皮膚炎を起こした可能性があるというのも、なるほどと思いました。非常に勉強になることばかりです。ここで11月25日の夜のTVニュースを見てみましょう。下をワンクリックして下さい。

モスクワ動物園のディクソン(Диксон)、抜歯手術を受ける ~ ディクソンを支えるスタッフ、声援を送るロシア国内の多くの人々_a0151913_02574735.jpg
ディクソンの暮らす室内は気温が5~10℃に保たれているというのも興味深いです。ホッキョクグマだから寒くてもよいだろうというのは、少なくとも歯科手術後に体力と体調を回復しようとするディクソンのようなケースには当てはまらないようです。

モスクワ動物園のスヴェトラーナ・アクーロヴァ園長は、このディクソンの保護と治療、特別の食事調理、トレーニング、リハビリなどについて何名ものスタッフが協力してチームワークで行っていることを強調しています。そしてロシア国内でディクソンに声援を送り、応変してくれる非常に多くの人々に深く感謝する旨を語っています。当ブログでは、このディクソンの極北の地での保護、モスクワ動物園への移送、そしてその後の治療など、非常に詳しくその経過を追い続けています。そして感じることは、さすがにホッキョクグマに関してモスクワ動物園の実力は凄いと思いました。あと、カナダのトロント動物園もホッキョクグマに関しては大変な実力を誇っています。アメリカでしたら.....デトロイト動物園あたりではないでしょうか。

(資料)
Северный город (Nov.16 2022 - Медведь Диксон радует врачей)

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by polarbearmaniac | 2022-11-29 03:00 | Polarbearology

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