アメリカ・デトロイト動物園にトレド動物園からヌカ (Nuka) が帰還 ～ スーカー (Suka) との同居が開始

デトロイト動物園に帰還したヌカ (Nuka)

Photo(C) Detroit Zoo

アメリカ合衆国・オハイオ州のトレド動物園の18歳の雄（オス）のヌカ (Nuka) は、昨年2022年の繁殖シーズンにクリスタルとの間での繁殖に成功し、そして他園に移動したという事実をトレド動物園はすで明らかにしていましたが（「アメリカ・オハイオ州 トレド動物園のヌカ (Nuka) が同園での繁殖成功の実績を携えて他園へ移動」）、そのヌカはもともと飼育されていたミシガン州のデトロイト動物園に帰還したことをデトロイト動物園は発表しています。これはもちろん、同園で飼育さえている10歳の雌（メス）のスーカー (Suka)との間での繁殖を狙ってのことでしょう。

このヌカのデトロイト動物園への帰還のニュースが明らかにされると早速、一部のファンから懸念の声があがりました。それは「アメリカ・デトロイト動物園で雌（メス）のアナーナが雄（オス）のヌカに殺害される！ ～ 札幌のデナリの妹の突然の死」という投稿でも御紹介した通り、ヌカは2021年2月に繁殖上のパートナーだったアナーナを殺してしまった個体であるということが記憶に残っていたからです。デトロイト動物園は早速この懸念に対して、アナーナの死因は進行していた心臓病によるもので、繁殖を試みる前や最中に急性心不全や致命的な不整脈を経験していたことが検死によって判明し、アナーナの死は多巣性心筋線維症 (multifocal myocardial fibrosis)という臨床症状のない心臓病であることを改めて説明しています。死亡したアナーナの傷は、ホッキョクグマの繁殖時によく見られるようにヌカが歯でアナーナを抱きかかえたことによるものと考えられ、またアナーナが反応しなくなった後、ヌカはそのアナーナの行動に戸惑ったのか、アナーナを飼育展示場内で移動させる様子も観察されていたそうです。そういう検死結果については「なるほど」とは思うものの、ヌカがアナーナを「攻撃」したという事実は、やはりあったのではないかという気はします。なかなか納得できないファンがいるというのも、無理からぬところといった感じがしないでもありません。

同居を開始したスーカー(左 Suka) とヌカ（右 Nuka)

Photo(C) Detroit Zoo

さて、デトロイト動物園ではヌカとスーカーとの同居が早速開始されたようです。今年の年末にかけて、デトロイト動物園ではこの二頭の間での繁殖を再び成功させることに注力していくことになるでしょう。

（資料）

Detroit Z00 (Mar.8 2023 - Nuka the Polar Bear Returns to the Detroit Zoo) (Mar.9 2023 - Guess who’s back, back again?) (Mar.10 2023 - The perfect polar pair – Suka and Nuka have been reunited!)

WXYZ (Mar.9 2023 - Detroit Zoo said polar bear Nuka returns after successful breeding at Toledo Zoo)

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