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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園、早春の雪の日のザバーヴァ (Забава)の姿 ~ 遥かなるシベリアの動物園への憧憬

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サバーヴァ (Забава)  Image:Большереченский зоопарк

ロシア・西シベリアの都市であるオムスクから約200キロの距離にあるボリシェリェーチェ動物園 (Большереченский зоопарк) に暮らす9歳の雌(メス)のホッキョクグマであるザバーヴァ(Забава) の最近の様子について同園が述べています。

3月も後半になってオムスク地方は暖かくなり、ボリシェリェーチェ動物園で暮らすホッキョクグマのザバーヴァも氷の解凍を始めらようです。しかし22日には雪が降ったそうです。そういった中でのザバーヴァの様子を同園が映像でアップしていますのでご紹介しておきます。下をワンクリックして下さい。
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園、早春の雪の日のザバーヴァ (Забава)の姿 ~ 遥かなるシベリアの動物園への憧憬_a0151913_00322701.jpg
ザバーヴァは雪が降っていても、暖かくなることを望んでいないようだ、と同園は述べています。さて、ここで2月27日の「国際ホッキョクグマの日」のザバーヴァの映像を見てみましょう。


ウスラーダの末娘であるこのザバーヴァは、もうすっかりとボリシェリェーチェ動物園の風景の一部に溶け込んでしまいました。あとは、いつ彼女がパートナーを得られるかということになります。ウスラーダの孫というならばまだともかく、娘ということですから血統的にはなかなかパートナーを得ることは簡単ではないかもしれません。私はザバーヴァがまだ幼い時からレニングラード動物園で会って来ましたので、彼女については応援し続けていきたいと思っています。

ロシアの動物園に関するニュースは、ホッキョクグマだけでなく他の動物たちについての話題も、ウクライナ戦争勃発以降は欧米ではもう全く報道されることがなくなってしまいました。ましてやボリシェリェーチェ動物園のような国際的な認知度のほとんどなかった動物園についての情報を、西側で見かけるようなことは全くない状態です。残念なことです。

さて、ロシアの週刊誌である "Аргументы и факты (論拠と事実)" 誌は2月27日付けで «Белая Забава. Как живёт медведь в единственном в России сельском зоопарке» (白いザバーヴァ、ロシアで唯一の田園(田舎の)動物園でのホッキョクグマの暮らしぶり)という記事を掲載しています。その内容の一部を以下に御紹介しておきます。そこにはなんと、日本のホッキョクグマファンの訪問についても触れています・

「ボリシェリェーチェ動物園に初めてホッキョクグマが現れたのは1995年のことです。グーリャはレニングラード動物園からオムスク地方にやってきたときは子熊の状態でした。無防備な子グマは、母親がいない状態で(孤児として)レニングラード動物園のスタッフによって救出されたのでした。ボリシェリェーチェ動物園のプレスサービスによると、グーリャが動物園に来たときは地元の企業の援助にたよって飼育されていたそうです。2014年以降、ロシアの動物園では、大手石油会社がホッキョクグマの保護を担当し、その維持に資金を提供しています。また、オムスク州の文化省はこの動物園の責任者でもあります。ホッキョクグマは、他の肉食動物と同様、肉食動物部門に属しています。彼らの世話をするのは、特別な教育と技術を持った動物園技師たちです。また、動物園には専属の獣医師がおり、毎日動物の診察を行っています。」

「ボリシェリェーチェ動物園にはホッキョクグマのための特別な囲いがあり、眠るだけではなく、魚を捕ることもできるのです。ホッキョクグマのために特別な土を運び、できるだけ自然の生息環境に近い環境を作っています。現在、囲いの中には3つの区画が設置されていますが、2023年には、動物園の経営陣はホッキョクグマの「家」をアップグレードし、さまざまな活動を行うためのエリアを追加することを決定しています。動物園によると、ホッキョクグマはとても活動的な動物だそうです。新鮮な空気の中で遊び、巨大なボールを引きずり、時には自分の住まいの屋根に引っかけて走ったり、氷柱をかじるのが好きです。夏には涼しいプールで水遊びをします。ダウンヒルスキーもホッキョクグマの好きな遊びのひとつです。肉、魚(カラフトマス、サバ、シロザケ)、パン、ケフィア、ベリー類、穀類(オートミール、ヘラクレス)、野菜(ニンジン、ビートルート、クルジェット、カボチャ)、果物(リンゴ、スイカ、メロン)、魚油、ビタミンミネラル剤、緑の小枝などを豊富に食べています。一般的に、ホッキョクグマはよく食べ、よく味わっています。」

「初代のホッキョクグマのグーリャは、長く幸せな生涯を送りました。内向的な性格で、平和と静けさ、プライバシーを大切にしていました。この人気者は甘いものが大好きで、プールで魚を狩るのが大好きな釣り好きでした。 彼女の名声は日本にも届き、日出ずる国のブロガーたちは、このシベリアの美女についての記事をいくつも掲載したのです。グーリャは2020年に31歳で亡くなりました。人間の基準では、彼女は約100歳の熟年まで生きたことになります。現在の動物園には、1頭のホッキョクグマ、ザバーヴァが飼育されています。彼女もグーリャと同じくレニングラード動物園から来ました。彼女は2020年にイジェフスク動物園からオムスク地方に運ばれてきたのです。彼女はまだ9歳で、この間に囲いの中で完全に順応し、人間好きになってしまいました。ザバーヴァの好きなご馳走は、肉、野菜、氷柱です。」

「ボリシェリェーチェ動物園では、毎年「世界ホッキョクグマの日」を祝い、来場者を招いてアクティブな競技やダンスを開催しています。今年のメインヒロインは、もちろんザバーヴァです。動物園の来園者は、このホッキョクの美女と一緒に写真を撮った後、温かいお茶を飲むことができました。ボリシェリェーチェ動物園のショップでは、オムスク地方のこのホッキョクグマの記念品を購入することができます。」

ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園、早春の雪の日のザバーヴァ (Забава)の姿 ~ 遥かなるシベリアの動物園への憧憬_a0151913_02303401.jpg
サバーヴァ (Забава) Photo(C) Большереченский зоопарк

ボリシェリェーチェ動物園は、まさかロシア国外からグーリャに会うためにわざわざボリシェリェーチェ動物園を訪問する外国人がいたことについて大きな驚きと、喜びを感じていたことは、オムスクのその他のメディアの記事でもよくわかります。どうしてもまた、この動物園に行って見たいと願っています。私自身の年齢的なこともあり、次回訪問するときはオムスクで誰か運転手を手配して行きたいと思います。以前のように、もう自分で運転して行くのはキツイという感じです。

(資料)
Большереченский зоопарк (Mar.22 2023 - Купальный сезон открыт!!) (Mar.23 2023 - Друзья,а за окном снова зима.)

(過去関連投稿)
ロシア・イジェフスク動物園のザバーヴァがボリシェリェーチェ動物園に向け出発! 
ロシア・西シベリアのボリシェリェーチェ動物園に無事到着したイジェフスク動物園のザバーヴァの検疫中の姿

(*2018年10月 ボリシェリェーチェ動物園訪問記)
・ボリシェリェーチェ動物園へ ~ グーリャさん、初めまして!!
・グーリャ (Гуля)、その素顔と性格 ~ 慎み深さと浄化された静謐さ
・ボリシェリェーチェ動物園訪問二日目 ~ 神はグーリャを見捨てなかった
・グーリャさん、お元気で! ~ 心洗われる体験の二日間
(*2019年7月 ボリシェリェーチェ動物園訪問記)
・ボリシェリェーチェ動物園で慎み深きホッキョクグマ、グーリャ (Гуля) との素晴らしき再会
・グーリャ (Гуля) ~「人生の師」、そして諦念のなかに漂う不思議な希望の明るさ
・ボリシェリェーチェ動物園訪問二日目 ~ グーリャ (Гуля) の規則正しい生活、そしてその楽しみ方
・グーリャ (Гуля)、深い精神性に内在した生命への肯定的価値観 ~ "Das Wunder Gulya"

by polarbearmaniac | 2023-03-24 02:00 | Polarbearology

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