街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2017年 11月 27日 ( 2 )

ロシア・ペルミ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 残念ながら食害で死亡するも来年への期待

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ミルカ(ユムカ)(Белая медведица Милка/Юмка)
(2017年7月20日撮影 於 ペルミ動物園)
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産室内のミルカ(ユムカ) Photo(C)Пермский зоопарк

ロシア・ウラル地方のペルミ動物園が本日17日付けで発表したところによりますと、同園で飼育されている4歳の雌(メス)のミルカ(ユムカ)が11月14日の夜に一頭の赤ちゃんを出産したそうです。出産の直前にミルカ(ユムカ)は産室内を歩き回るということを四時間も続け、そして出産に至ったようですが、モニターカメラの映像の端の場所での出来事であったためカメラは赤ちゃんの姿を捉えることはできなかったそうです。そこで残念なことにその後になって食害が行われてしまったそうです。何故ミルカ(ユムカ)がその行為を行ったかについては原因は特定できないとのことですが、しかしそれはやはりミルカ(ユムカ)の母親としての若さゆえの経験の欠如といったことに同園の複数のスタッフの意見は傾いているようです。尚、翌朝に赤ちゃんの体の一部が産室で見つかったとのことです。以前にもご紹介していますが仮に4歳で繁殖に成功していたならば最年少出産成功のタイとなっていたはずです。
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(出典)"Reproductive trends of captive polar bears in North American zoos: a historical analysis" (Figure 2 - Age distribution of dams and sires at time of litter birth.)

本日になってミルカ(ユムカ)は飼育展示所に復帰し、アンデルマやセリクと再び顔を合わせたとのことです。アンデルマは飼育展示場に復帰したミルカ(ユムカ)を受け入れてうれしそうに歩き回っているとのことです。
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Photo(C)Пермский зоопарк

非常に残念ではありますが将来への大きな可能性を実感できるニュースです。ミルカ(ユムカ)は今回の出産時点ではまだ4歳であり来月にやっと5歳になるという年齢なのですが、私は今年のシーズンはやはり繁殖成功は難しいだろうと思っていました。しかしミルカ(ユムカ)にせよ彼女のパートナーである同年齢のセリクにせよ完全に繁殖能力が証明されたということです。ペルミ動物園からはますます眼が離せなくなりました。実はここ数日私はペルミ動物園でホッキョクグマの赤ちゃんが誕生したらしいことは間違いないと感じていました。あまりこういうことを書いてはマズイとは思うのですが、担当飼育員さんのSNSの投稿がある時期から止まってしまったわけで、私は多分これはミルカ(ユムカ)に出産があったからだろうと思ったわけです。それから冒頭のペルミ動物園の産室内の写真ですが、この産室でホクト(姫路)やゴーゴ(白浜)が誕生したわけで、感慨深いものがあります。ペルミ動物園はロシアの地方都市の小さな動物園です。施設の環境も決して十分とは言えません。HPも素朴で簡素なものです。しかしミルカ(ユムカ)の出産に向けての準備の状態なとを簡潔に、そして的確に伝えてきました。今回の発表もミルカ(ユムカ)の飼育展示場への復帰というタイミングで彼女の出産の事実とその後についてファンに情報を伝えるというセンスの良さです。「温かく見守ってください。」などといったことよりも私にはこうしたペルミ動物園の淡々として素っ気ないほどに簡潔に、しかし的確に的を射た情報を発信する姿勢を大いに支持したいと思います。


出産が期待されていたミルカ(ユムカ) - Is Yumka (Milka - Белая медведица Милка в Пермском зоопарке) the Polar Bear at Perm Zoo expecting her first offspring at the end of this year ?   (Jul.19 2017)

(資料)
Пермский зоопарк (Nov.17 2017 - Белые медведи в ноябре)
Аргументы и Факты (Nov.17 2017 - В Пермском зоопарке погиб детёныш белого медведя)
Сайт города Пермь 59.ru (Nov.17 2017 - В пермском зоопарке погиб детёныш белого медведя)
Комсомольская Правда (Nov.17 2017 - В Пермском зоопарке белая медведица растерзала своего детеныша)

(過去関連投稿)
ロシア・ペルミ動物園の歴史を物語る貴重な写真 ~ ペルミ州知事が公開のコレクションより
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ロシア・ペルミ動物園の90周年を記念した同園の紹介映像 ~ 日本のファンに是非お勧めしたい同園への訪問

(*ユムカ、セリク、アンデルマの三頭同居)
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ロシア・ペルミ動物園が間もなくミルカ(ユムカ)の出産準備体制移行へ ~ 運気を引き寄せる流れに乗る同園
ロシア・ペルミ動物園のミルカ(ユムカ)が産室へ ~ ゴーゴ誕生以来13年振りの赤ちゃん誕生なるか?
by polarbearmaniac | 2017-11-27 14:00 | Polarbearology

ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドの誕生会が開催 ~ 彼の名前の由来について

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ウド (Белый медведь Уд) Photo(C)Северский зоопарк

ロシアの地方都市の小さな動物園、それも飼育環境がお世辞にも良好とは言えない動物園でひっそりと暮らしているホッキョクグマのニュースを追っていきますと彼らには深い同情を感じるものの。その一方で彼らの持つふてぶてしさとでもいったものに気が付き、ある種の安堵感のようなものを感じてしまいます。しかしそういったことは彼らの現状について嘆くことを一時的ではあれ止めてくれるものの、一方でそれは単なる人間の側の正当化にしか過ぎないわけです。ロシア・西シベリアの閉鎖都市であるセヴェルスクの動物園で一頭で暮らす雄(オス)のホッキョクグマであるウドについて私はいつも気に懸けています。
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このウドの26歳の誕生会が19日にセヴェルスク動物園で開催されたそうです。この誕生会を支援したのはロシアにおける飼育下のホッキョクグマたちを援助しているロスネフチ社だそうですが、誕生会そのものはいたって素朴なイベントではゲームなどが行われ地元の子供たちの交流会といった趣きだったようです。もちろん主役のウドには好物が入った氷のケーキがプレゼントされたようです。
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ウドの誕生会に動物園を訪れた人々
Photo(C)Северский зоопарк

セヴェルスク動物園はこの「ウド」という名前の由来を説明しています。彼はカザン市動物園生まれで母親はあの「伝説の名ホッキョクグマ」であったディクサ (1973 ~ 2006) であり父親はウムカ (1974~1998)であるということですから、このウドはあのレニングラード動物園のウスラーダの弟でありカザン市動物園のマレイシュカの兄にあたるわけです。この両親の名前の一部を組み合わせたのが「ウド (Умка+Дикса)」という名前であるとセヴェルスク動物園は述べています。こういったカザン市動物園のホッキョクグマの命名のやり方は以前にユムカ(現在ペルミ動物園で飼育されミルカと改名)が誕生した時にすでにご紹介していました。「ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の赤ちゃんの命名は最終的にネット投票へ」、及び「ロシア連邦 ・タタールスタン共和国、カザン市動物園の雌の赤ちゃんの名前が 「ユムカ 」 に決定!」という二つの投稿を御参照下さい。カザン市動物園はユムカの命名に際して父親であるユーコンと母親であるマレイシュカの名前を組み合わせて「ユムカ (Юмка = Юкон+Малышка)」としたわけです。ところがいざこのユムカがペルミ動物園に移動になるとペルミ動物園は彼女の到着した日に「ミルカ」と改名してしまいました。これは全く感心できないことでした。セヴェルスク動物園のウドの場合はそういった改名がなされなかたっために「ウド」という名前は現在でも維持されているということです。

ウドももう26歳ですか....。 どうかこれからも元気でいてほしいと思います。

(資料)
Северский зоопарк (Nov.13 2017 - День рождения белого медведя) (Nov.18 2017 - Зимняя рыбалка)
(Nov.21 2017 - День рождения Уда) (Nov.21 2017 - День рождения Уда)
ЗАТО Говорим (Nov.18 2017 - Уд зовет на день рождения)

(過去関連投稿)
ロシア・セヴェルスク動物園で空腹に悩むホッキョクグマ ~ 地方小都市動物園の窮状
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドに差し入れによるご馳走のプレゼント
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園で暮らすウドの避暑 ~ 新動物園計画への子供たちの夢
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のホッキョクグマ、ウドに地元企業から救いの手
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のホッキョクグマ、ウドに市民からおもちゃのプレゼント
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園で初めて開催される 「ホッキョクグマの日」 の催し物
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園の「プール開き」 ~ ひっそりと暮らすカイとロッシーの叔父のウド
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園で暮らすウドの近況 ~ 光の当たらぬロシア地方都市の小動物園
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園に訪れた春 ~ プール開きの日のウド
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドの元気な姿と同園の飼育環境改良への努力への声援
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドの近況 ~ 冬の寒波到来で豊富な種類の給餌
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のホッキョクグマ、ウドは健在 ~ 同園開園50周年のイベントが開催
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドのニンジンとレタスを給餌の最初に食べる風変わりな嗜好
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドのおもちゃ調達に苦労する同園 ~ 市民に提供を呼びかけ
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドの夏の日 ~ 充実したロスネフチ社の支援プログラム
ロシア・西シベリア、セヴェルスク動物園のウドへの活魚のプレゼント ~ エンリッチメントとしての位置付け
by polarbearmaniac | 2017-11-27 00:30 | Polarbearology

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