街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2018年 01月 28日 ( 2 )

男鹿水族館のクルミが亡くなる ~ 貫いた独立自尊の美学

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クルミ (Eisbärin Kurumi /Белая медведица Куруми)
(2013年9月14日撮影 於 男鹿水族館)

男鹿水族館より突然、発表がありました。同水族館で飼育されていた21歳の雌(メス)のクルミの死亡が本日1月28日に確認されたそうです。死因その他については調査中とのことです。 (*追記 - 報道によりますと「28日午前8時前、水族館の職員が展示場で横になって寝ている状態のクルミが呼吸をしていないのを発見しました。死んだ原因についてはわかっていません。クルミは去年の夏に体調を崩し、その後回復しましたが、それ以降も体調のよくない状態を繰り返していました。1日2回のエサも27日は全く食べなかったということです。」秋田放送 1月28日付け)ということだそうです。
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クルミ(右)とミルク(左) (2013年9月14日撮影 於 男鹿水族館)

現時点では詳しい発表がありませんので彼女の死について特に何も述べることができません。ただ私の感想では、クルミは自分の生き方を見事に貫いたということです。それは、ある場面においては多くのファンの期待に沿っているという外形的な形を見せていたことで、そしてその同じ場面においては私の本当の期待に沿わない形で....そういうことでした。しかしそれらは全て彼女の美学に基づいたものだったことは間違いないと思われます。クルミは一応は昨年2017年の繁殖シーズンに参戦したことにはなっています。しかしそれが彼女の生き方にとって不本意なものであったとすれば彼女の突然の死は、私には何らかの運命の liquidation であったのかなという印象が頭の片隅をよぎったということも事実です。いずれにせよ彼女の自身の美学は貫徹されたのだと私は考えています。その彼女の美学の結晶こそがミルクという唯一無二の美しい宝石のような存在であるということだと私は理解しています。"Rien n'existe après Milk"....これが彼女の美学の結論なのです。

謹んで心よりクルミの死に哀悼の意を表します。

(後記)地元のTVニュースです。
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(資料)
男鹿水族館 (Jan.28 2018 - ホッキョクグマ クルミについて
秋田魁新報 (Jan.28 2018 - ホッキョクグマのクルミが死ぬ 男鹿水族館GAO)

(過去関連投稿)
男鹿水族館のクルミの体調不良について考える ~ これ以上の繁殖への挑戦からはもう解放してやるべき
(*クルミとミルク関連)
・男鹿水族館の赤ちゃん、はじめまして!!
・クルミの赤ちゃん(クーシャ - 仮称) の素顔と性格 ~ 一般公開日初日の印象
・クルミお母さんの性格と母親像 ~ その 「対象非関与型母性」への評価について
・梅雨期の出羽の国、男鹿水族館でクルミ母娘との再会
・美しく成長を遂げつつあるミルク ~ その素顔と性格
・クルミお母さんの母親像を再度考える ~ 「求心性」、「非求心性」の第三の座標軸から見えてくること
・クルミ母娘の夏の日 ~ 大きな展示場へ移動した親子との再会
・"La tristesse allante de Milk" ~ クルミとミルクの母娘関係と行動の基本的構図を探る
・悪天候、そして夏の終わりの男鹿水族館 ~ 転換点を迎えたクルミとミルクとの母娘関係
・驚くべき進化を遂げつつあるミルク ~ "Efforcez-vous d'entrer par la porte étroite..."
・過ぎ去らない夏の残る男鹿水族館 ~ クルミとミルクの母娘模様
・ミルクの楽しいおもちゃ遊び ~ 超一流の遊びの能力
・冬の日の日本海と男鹿水族館、そして別れの迫ったクルミとミルクの母娘 ~ 感傷の存在しない爽やかさ
・クルミ、その特異なる母性へのオマージュ ~ 「母親」 たることを拒絶した、その逆説的母親像への敬意
・独立自尊のミルク、その涙無しの旅立ち ~ また釧路でお会いしましょう、お元気で
(*ホッキョクグマの母親像)
・「情愛型」 と 「理性型」、「対象関与型」 と 「対象非関与型」 のそれぞれの母親像の違いを探る
・クルミお母さんの母親像を再度考える ~ 「求心性」、「非求心性」の第三の座標軸から見えてくること
by polarbearmaniac | 2018-01-28 16:00 | Polarbearology

ロシア・クラスノヤルスク動物園で「新血統」の誕生、今回はならず ~ セードフ司令官が5月に帰還へ

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オーロラ(左)とフェリックス(右)
Photo(C)sibnovosti.ru/"Роев ручей" Красноярский зоопарк

ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園に暮らす12歳の雄(オス)のフェリックスと8歳の雌(メス)のオーロラ(本名 ヴィクトリア)という共に野生出身のペアでの繁殖が期待されておりm地元ではオーロラの出産に大いに期待する声が上がっていたわけです。ここにきてクラスノヤルスク動物園は自元メディアの取材に答える形でオーロラが現時点でも出産していないことを認め、事実上昨年2017年の繁殖シーズンにおいては繁殖に成功しなかったことを認めました。もう1月も終わりが近づいていますので出産が期待されているホッキョクグマを依然として産室内に留め置くことは意味がないということでしょう。そもそもホッキョクグマには妊娠期間 (Pregnancy Duration/Total Gestation times) はデータ上は164~294日となっており、それを遥かに超えても出産を期待するということは意味のない話です。

このククラスノヤルスク動物園の今までのオーロラの出産準備についてメディア等に語ってきた内容には何か安定感の欠けた腰の据わらない内容が感じられていたわけですが、それはやはり同園にはホッキョクグマ繁殖にまだ成功していないという実績の無さが現れていたように私には感じられました。今年2018年のシーズンには当然またオーロラは繁殖に挑むことになると思いますがクラスノヤルスク動物園はもっと実績のある他園からのアドバイスを得たほうがよいと私には思えます。とにかくこのオーロラとフェリックスのペアは野生個体同士のペアですから繁殖に成功すれば「新血統」の誕生ということになります。クラスノヤルスク動物園での今後のこのペアの推移を日本のホッキョクグマ界は注意深く見守っていく必要があるわけです。ここで昨年2017年に放送されたTVニュースの中でオーロラとフェリックスの登場しているものを再度ご御紹介しておきましょう。





さて、クラスノヤルスク動物園の所有であるホッキョクグマにはあと一頭、ウスラーダの産んだ三つ子のうちの一頭であり15歳になった雄(オス)のセードフ司令官 (Командор Седов - ロシア語では「コマンドル・セドーフ」と発音します) がいるわけですが、彼はBLで現在ゲレンジークのサファリパークで暮らしています。クラスノヤルスクでは大人気であるこのセードフ司令官がとうとう今年の5月にクラスノヤルスク動物園への帰還が決まったそうです。おそらくこれはクラスノヤルスク動物園では待望の新しいホッキョクグマ飼育展示場が完成・オープンするのに合わせて帰還するということなのだと思います。このセードフ司令官は16頭もいるウスラーダの子供たちのうちの一頭ですので野生出身のオーロラと繁殖上のペアを組ませることは得策ではないとして他園にBLで出張させられたわけですが、仮に彼がクラスノヤルスク動物園に帰還した場合にパートナーはどうするのかといった疑問が湧いてきます。しかし彼はクラスノヤルスクのファンからは大人気のホッキョクグマですので帰還するのは当然といえば当然でしょう。

(*追記)別の報道によりますとセードフ司令官は2018年の11~12月あたりまでを目途に帰還すると述べています。そして新飼育展示場のオープンは2018年だと報じています。

(資料)
Комсомольская правда в Красноярске (Jan.27 2018 - Разочарование да и только: белого медвежонка в красноярском зоопарке у Авроры и Феликса не будет)
(*追記資料)
sibnovosti.ru (Jan.29 2018 - Белый медведь Седов вернется в Красноярск в конце 2018-го года)

(過去関連投稿)
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の野生出身の新ペアの繁殖への期待 ~ 日本は果実を狙え
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の「プール開き」 ~ 夏に向けたフェリックスとオーロラの姿
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の野生出身のフェリックスとオーロラのペア形成への準備
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の「国際ホッキョクグマの日」のフェリックスとオーロラの姿
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックスとオーロラの同居開始 ~ 新血統の誕生への大きな期待
ロシア・クラスノヤルスク動物園、野生出身のフェリックスとオーロラが繁殖に向け驀進
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のホッキョクグマたちに欧州の来園者からプレゼント
ロシア・クラスノヤルスク動物園の新飼育展示場計画発表 ~ 欧露の「囲い込み」体制に日本はどう対応するか
ロシア・クラスノヤルスク動物園のフェリックスとオーロラ、来年の繁殖シーズンへの大きな期待
ロシア・クラスノヤルスク動物園でホッキョクグマのバレンタインデーが祝われる ~ 冬期の新しいイベント
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き ~ フェリックスとオーロラの夏の季節の始まり
ロシア・中部シベリアに記録的な最高気温の夏が到来 ~ フェリックスとオーロラの夏の過ごし方
ロシアのクラスノヤルスク環境監視検察庁が監査で問題視したクラスノヤルスク動物園のホッキョクグマの移動
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園の7歳のオーロラに出産の期待 ~ 「新血統」の誕生なるか?
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のオーロラの出産準備体制 ~ 一抹の不安を感じる経験不足
ロシア・クラスノヤルスク動物園のオーロラの出産準備体制に同園の大きな誤解の存在の危険性
(*セードフ司令官関連)
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の伊達男たち ~ 華麗なる独身生活を謳歌?
ロシア・クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・クラスノヤルスク動物園の夏の始まり ~ プールを雌2頭に占領されてしまったセードフ司令官閣下
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のプール開き
ロシア・シベリア中部のクラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の10歳のお誕生会 ~ 行方不明の兄弟たち
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官の希望無き恋 ~ 野生出身の雌は高嶺の花
ロシア・シベリア中部、クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官が今週末に同園を出発し新天地へ
ロシア・シベリア中部 クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官が同園を出発し、五千キロの移動の旅へ
ロシア・クラスノヤルスク動物園のセードフ司令官が陸路5日間で無事にスタロースコルィスク動物園に到着
ロシア西部、スタロースコルィスク動物園でのラパとセードフ司令官の近況 ~ ラパの健康状態への危惧
ロシア西部、スタールイ・オスコル市のスタロースコルィスク動物園で、ラパとセードフ司令官の同居が始まる
ロシア・スタロースコルィスク動物園のラパとセードフ司令官が黒海沿岸のゲレンジーク・サファリパークへ
ロシア・黒海沿岸、ゲレンジークのサファリパークで暮らすセードフ司令官とサーカス出身のラパの近況
ロシア・黒海沿岸、ゲレンジークのサファリパークのホッキョクグマ展示場にライブカメラ設置
所有権を持つロシア・クラスノヤルスク動物園の同意無しに他園に移動させられた出張中のセードフ司令官
ロシア・クラスノヤルスク動物園に所有権のあるセードフ司令官の無断移動問題、ほぼ一件落着へ
ロシア・ゲレンジーク、サファリパークのセードフ司令官が来年2016年にクラスノヤルスク動物園に帰還が決定
ロシアのクラスノヤルスク環境監視検察庁が監査で問題視したクラスノヤルスク動物園のホッキョクグマの移動
by polarbearmaniac | 2018-01-28 00:15 | Polarbearology

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