街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2018年 02月 01日 ( 1 )

ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマたちの冬の日の光景 ~ 掴めぬロシア国内の繁殖計画の情報

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ゲルダ (Белая медведица Герда/Eisbärin Gerda)
Photo :Новосибирский зоопарк

ロシアを襲った冬の大寒波もひとまずは一息ついたようですが、それでも我々日本人の感覚ではまだまだかなりの寒さが感じられるであろうシベリアのノヴォシビルスクです。最高気温がマイナス20℃以上ならば寒さとはいえないというように日本とはかなり寒さの尺度が違うようです。ノヴォシビルスクのファンの方々もここのところは動物園への出足が鈍っていたようですが幾分寒さも和らいだだめか動物園に出かけられて元気で暮らすホッキョクグマたちの様子を映像でアップしていますので見てみましょう。1月28日と2月2日の映像です。最初にカイ(クラーシン)です。来園者が少ないようで、こちらから呼びかけると反応しているようです。





次はゲルダです。やはりガラスボードの表面が氷結しているようでゲルダを撮影するためには彼女がプールの場所から上に登ってこなければできないようです。





このカイ(クラーシン)とゲルダはまだ同居が行われていないようです。ノヴォシビルスク動物園が今後のこのペアの繁殖について従来通りの考え方で臨むのかどうかはよくわかりません。ロスチクが欧州の繁殖計画(EEP)を構成する個体群には入らずに事実上は欧州行きが無くなったというわけですから、仮にカイ(クラーシン)とゲルダが今年の繁殖に成功してもその赤ちゃんはやはり欧州には行かないことになるはずです。となると、このペアの間での量産体制を続けることにはブレーキがかけられるであろうという予想がつくわけです。モスクワ動物園のシモーナがすでに繁殖からは強制的に「引退」させられていますので彼女の弟であるカイ(クラーシン)がこのままゲルダをパートナーとして繁殖の成果を着々と上げていくとすれば、これはシモーナを「引退」させた意味がないことになるわけです。つまりシモーナが繁殖から「引退」してもそれに代わる形でカイ(クラーシン)とゲルダのペアが繁殖に成功し続ければ同一血統(「アンデルマ/ウスラーダ系 - カザン血統」)がどんどん増えていってしまうということに変わりはないわけです。

近年になって設立された ロシア動物園水族館連合 (Союз Зоопарков и Аквариумов России - 設立準備当初には「ロシア動物園水族館協会 Союз российских зоопарков и аквариумов」という名前で表記していましたが正式名称が決まったようです) においてロシア国内のホッキョクグマの繁殖計画をたてているはずのモスクワ動物園がノヴォシビルスク動物園にどのような指示を行っているのかについても情報がないためにまだよくわかりません。このロシア動物園水族館連合を主導しているモスクワ動物園がロシア国内におけるホッキョクグマの繁殖についておおまかな方針を発表しているのですが、それについては「モスクワ動物園が、今後ロシア国内で誕生の個体はロシア国内と欧州だけで飼育の意向を表明」という投稿を是非ご参照下さい。これは日本のホッキョクグマ界においても実に重要なことなのです。もう少しいろいろな情報を探ってみたいと思います。

さて、次はロスチクです。ノヴォシビルスク動物園は欧州のEAZAから彼の移動先の指示があるのを待っていたわけですが、結局はそれがなく独自で彼のパートナー(又は移動先)を探さねばならなくなってしまったという状況です。こんなことだったら母親のゲルダとの二年目を過ごさせてやるほうがよかったということになります。これはあくまでも結果論ですが。





ノヴォシビルスク動物園はよほど注意してロスチクの将来を考えてやらないといけないと思います。彼の動向を注視して見守りたいと思います。

(資料)
МК в Новосибирске (Jan.31 2018 - Северные хищники благоденствуют в новосибирские холода)

(過去関連投稿)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ ゲルダ親子を愛する「草の根のファン」
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチク、親子としての一つの「完成形」を達成か?
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ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクが母親ゲルダと別居となる ~ シルカもいた同園内の別の場所へ
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ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマ飼育展示場にガラスフェンスが設置の予定 ~ 減じる魅力
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ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「カイとゲルダ」の最近の話題 ~ このペアの名前の由来の真相を考える
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ロシア・ノヴォシビルスク動物園での2014年のゲルダとシルカの親子の思い出のページ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の動物たちの暮らしを記録し続ける常連の来園者に大きな賞賛の声
by polarbearmaniac | 2018-02-01 18:30 | Polarbearology

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