街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2018年 02月 03日 ( 1 )

ロシア極北・ヤマル半島の掘削工事現場に現れたホッキョクグマ ~ 「手から口へ」というロシア人的発想

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ヤマル半島の掘削工事現場にあらわれたホッキョクグマ
Photo:Агентство нефтегазовой информации

ロシア極北・ヤマロ・ネネツ自治管区にあるヤマル半島で行われている天然ガスの掘削工事現場に現れたのが一頭の空腹だったらしいホッキョクグマです。工事現場にいた労働者たちはそのホッキョクグマにある種に親近感を感じたようです。彼らは自分たちが作った惣菜パン(つまりピロシキでしょう)をそのホッキョクグマに投げ与え始めます。やがて一人の労働者が親愛の情でしょうか、そのホッキョクグマと友達になろうとして大きな肉を持ってきます。そういったシーンを下の映像でご覧ください。



ホッキョクグマは最初は警戒気味でしたが急にその労働者に突進しようとしています。労働者はあわてて逃げてしまうわけです。この一連のシーンですが、やはりロシア以外では起きにくいシーンだと思います。まず野生のホッキョクグマに食べ物を与えています。さらにホッキョクグマと親しくなりたいという態度を見せています。こういったことはカナダでは見られないシーンです。そしていざそのホッキョクグマが突進してくると労働者は逃げるのですが、それも中途半端な逃げ方です。カナダでしたら自らの身を守るためにホッキョクグマを何か音の出るもので威嚇して追い払おうとするでしょう。やはりロシア人はホッキョクグマに対しては特殊な感情を持っているようです。「ロシア極北・ネネツ自治管区のアンデルマの街とホッキョクグマたち ~ 人に身近な存在のホッキョクグマ」という投稿でご紹介した写真をご覧ください。こういったシーンというのはロシア特有のものなのです。

以下の映像をご覧ください。音声はonにして下さい。このロシア人たちには「ホッキョクグマは猛獣で危険である」といった発想など、まるでないようです。しかも比較的付近にはこのホッキョクグマの母親がいますので本来は極めて危険なのです。「困った人たち」と言うべきか、それとも「幸せな人たち」と言うべきか....。



下の映像をご覧ください。野生動物に食べ物を与えてはいけないなどと、こういう人に説いても全く無駄なのです。仮にこの行為を認めたとします。そうすると次にまた不思議な感じが生じてきます。食べ物を与えるのだったら窓から外に地面に投げれば済む話です。ところが危険であるにもかかわらずこうやって手からホッキョクグマの口に直接与えているのです。そういえばロシアの動物園では飼育員さんがホッキョクグマに対して「手から口へ」をやりますね。ところが欧米や日本の動物園の飼育員さんたちはこれはまずやりません。



最初の掘削工事現場の映像で労働者が肉をもってきましたが、おそらくあれは食べ物を投げ与えるだけではあきたらなくて「手から口へ」をやろうとしたのでしょう。それからもうひとつ、ロシアの動物園のホッキョクグマ担当飼育員さんは欧米や日本の動物園の担当飼育員さんがほとんど行わないことをやります。それは、ホッキョクグマたちに絶えず話かけ続けるという行為です。これは実に不思議です。

ロシア人とホッキョクグマは相性が良いということを否定するのは難しいでしょう。要するにロシアという国は「謎の国」であるということです。

(資料)
Вести.Ru (Feb.1 2018 - "Надо его стрелять": белый медведь атаковал вознамерившегося его погладить вахтовика)
ГТРК Ямал (Feb.2 2018 - Медведь-пирожкоед набросился на вахтовика)
РЕН ТВ (Feb.2 2018 - Видео: строитель чуть не стал добычей белого медведя)

(過去関連投稿)
ロシア極北・ネネツ自治管区のウスチ・カラ村に現れたホッキョクグマ ~ 人とホッキョクグマの生命の尊重
ロシア極北・ネネツ自治管区のアンデルマの街とホッキョクグマたち ~ 人に身近な存在のホッキョクグマ
ロシア極北 チュクチ自治管区の村落、リィルカイピの人々とホッキョクグマとの関係
ホッキョクグマ・アイカ と レディン一家の物語 ~ 愛情の日々、そして悲劇的な終末へ
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ロシア東北端・チュクチ半島のリィルカイピ村の約20頭のホッキョクグマたち ~ 正論 vs. 文化的思考
by polarbearmaniac | 2018-02-03 00:15 | Polarbearology

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