街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2018年 02月 10日 ( 2 )

ロシア・ペルミ動物園時代のゴーゴ (現 白浜AWS) ~ 消え去りつつある「公的財産」としての貴重な記録

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ペルミ動物園での生後四か月のゴーゴとアンデルマお母さん (2005年4月)
(Белая медведица Амдерма и медвежонок Гого в Пермском зоопарке)
  Photo(C)Пермский зоопарк

現在は白浜のアドベンチャーワールドで飼育されているゴーゴ(ロシア名 クライ - 2004年12月3日生まれ 血統番号#1773 国際血統名 OSK 25) のペルミ動物園時代の写真は以前にはペルミ動物園のHPに何枚か存在していたのですが現在ではもうなくなっています。私はホッキョクグマの貴重な写真や映像は公的財産であって権利の所有者が著作権などを主張して公的なページから自らの都合や意思で削除してしまうのは権利の乱用であるとさえ考えています。より多くの人々に見てもらうということが必要だろうと思っています。かなり以前に「ロシア・ペルミ動物園時代のゴーゴとアンデルマお母さん」という投稿を行っているのですが、その投稿でペルミ動物園時代のゴーゴ(とアンデルマ)の写真を何枚が使用していますので、その時代のゴーゴの写真を見ていない方がいましたら是非ご参照下さい。また、「ロシア・ペルミ動物園で一般公開された生後3ヶ月のゴーゴ(現・天王寺動物園)の様子」という投稿もご参照下さい。ペルミ動物園がこういった貴重な写真の数々を削除してしまうのは、いかにそれが写真の権利者であっても許されないと思います。

ホッキョクグマたちの貴重な写真や映像はそれらが削除される前に「救い出してやる」ということが必要なのです。前述しましたように、彼らの貴重な写真や映像は「公的財産」であると私は考えるからです。動物園やメディアの方々は、こういった写真を「削除することから得られる利益」と「削除することによって失われる損失」のどちらが大きいかを公益の観点から考えてみる必要があるでしょう。私は後者の方が圧倒的に大きいと思います。それは我々の側にとっても同じなのです。

一年ほど前だったでしょうか、ロシアのカザンのマスコミが私の撮影したカザン市動物園のマレイシュカの動画から静止画を切り出して記事に利用したことがありました。それを見た時に私は非常にありがたいと思いました。記事の内容はまさにマレイシュカに関することだったからです。マレイシュカは素晴らしいホッキョクグマなのですが国際的認知度はほとんどありません。ですからネット上で間違いなくこれがマレイシュカの姿であるといったクレジットのある写真や映像は非常に少ないのです。ですからその記事を書いた記者が私の撮影したものを利用したことは彼女の個体としての認知度を少しでも高めることに役立っただろうと思います。それはもちろん私に無断で行われたことですが、私にとっては非常に嬉しいことでした。別のホッキョクグマの写真を記事で用いて「これがマレイシュカだ。」などとされるとマレイシュカにとっては不本意だろうと思います。

あの疑いもなく偉大だった故アンデルマであっても国際的認知度は決して高いわけではありません。シルカのほうが国際的には圧倒的に知られているでしょう。私がそういった偉大であるにもかかわらず認知度の高くないアンデルマの生前の姿を写真や映像で現地や帰国後に何枚もネット上にアップしたのは、それらがいかに私の非力な撮影技術で撮影されたものであっても彼女の偉大かつ貴重な姿を「公的財産」として残しておきたいと私が望んだからです。

(過去関連投稿)
ロシア・ペルミ動物園時代のゴーゴとアンデルマお母さん
ロシア・ペルミ動物園で一般公開された生後3ヶ月のゴーゴ(現・天王寺動物園)の様子
by polarbearmaniac | 2018-02-10 06:00 | Polarbearology

スウェーデンのオルサ・ロフユルシュパルクに移動したホープの近況 ~ アンデルマの来孫 (5親等) の姿

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オルサ・ロフユルシュパルクでのホープ
Photo(C)Orsa Rovdjurspark
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1月19日にオルサ・ロフユルシュパルクに到着したホープ
Photo(C)Orsa Rovdjurspark

南フランス・アンティーブのマリンランドであの有名なフロッケから誕生した3歳の雌(メス)のホープ (Hope) がスウェーデンのオルサ・ロフユルシュパルク (Orsa Rovdjurspark) に移動することになった件は投稿していましたが、そのホープは1月19日にオルサ・ロフユルシュパルク(以下、オルサ動物園と記述します)に到着し、その飼育展示場での元気な姿をオルサ動物園は初めて公開しました。以下をワンクリックして下さい。
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陽光溢れる南フランスのコートダジュールから北欧スウェーデンとの気候の違いは大きいわけですが段々と順応しつつあるようです。オルサ動物園の担当者は、ホープは精神的な強さを持つと同時に遊び好きなホッキョクグマであると考えているようです。そういったことは雪の上でのホープの活動的な姿と表情を見てそう判断したようです。オルサ動物園ですでに飼育されている10歳の雄(オス)のヴィルベアと12歳の雌(メス)のエヴァとは将来引き合わせるそうですが、具体的にいつになるはか決めてはいないとのことです。

このオルサ動物園でのホープの将来の繁殖に関してですが、メディアの取材に対してオルサ動物園の担当者は、エヴァと交代させてヴィルベアのパートナーとすることを視野に置いている内容の発言を行っています。期待されていたヴィルベアとエヴァとの間の繁殖は成功してろらず、かつヴィルベアの血統は貴重であるためになんとか彼を繁殖に寄与させたいといった意向を強く滲ませています。さらにエヴァは欧州の大きな血統グループであるロストック系ですので繁殖でしたらエヴァよりもホープのほうがヴィルベアのパートナーとしては確かに血統的に優位性がありますね。
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ホープ Photo(C)Orsa Rovdjurspark

このホープは「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」に属しています。つい三日前に亡くなったペルミ動物園のアンデルマ、その彼女の第一子が故メンシコフ、彼の第一子がシモーナなのですが、そのシモーナの子供たちの中で最も年長の個体で繁殖に成功したのが雌(メス)のヴェラであり、その彼女の第一子がフロッケ、そのフロッケの第一子がホープというわけです。仮に性別にかかわらず長子が「家督相続」を行うとすれば、このホープが「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」の現時点での「家督相続者」になるというわけです。しかし旭川のイワンが繁殖に成功すれば彼の子供がホープから「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」の「家督相続者」の座を奪い返すということになります。イワンはフロッケの母親であるヴェラのすぐ上の兄でありシモーナの第一子だからです。まあ、あくまでこれは人間の世界、それも第一子や長子といったものに特別な地位のある世界での話を無理やりホッキョクグマの世界に当てはめてみればの話ですが。 
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要するにアンデルマの孫がシモーナ、そのシモーナの曾孫がホープということです。5親等ということになるはずですからホープはアンデルマの来孫 (great-great-great-grandchild) ということになるはずです。ごく単純に言い換えれば愛子内親王殿下(2001年生まれ) がホープ、明治天皇(1852年生まれ) がアンデルマだと考えていただければよいということです。人間でいえば約150歳の年齢差ということになります。明治天皇が故アンデルマ(ペルミ)、大正天皇が故メンシコフ(サンクトペテルブルク)、昭和天皇がシモーナ(モスクワ)、今上陛下がヴェラ(ニュルンベルク)、皇太子殿下がフロッケ(アンティーブ)、そして愛子内親王殿下がホープ(オルサ)....こういうことです。

(資料)
Orsa Rovdjurspark (Nya isbjörnen Hope)
Mynewsdesk (Feb.9 2018 - Nya djur har flyttat in i Orsa Rovdjurspark)

(過去関連投稿)
スウェーデン、オルサ・グレンクリット、ベアパークのヴィルベア、静かに 「偉大なる父」 となる日を待つ
南フランス・アンティーブ、マリンランドのホープがスウェーデンのオルサ・ロフユルシュパルク(動物園)へ
by polarbearmaniac | 2018-02-10 00:30 | Polarbearology

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