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2018年 02月 25日 ( 1 )

アメリカ・タコマのポイント・ディファイアンス動物園のボリスに世界初の幹細胞移植治療が行われる

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ボリス (Boris the Polar Bear) Photo(C)TripAdvisor

アメリカ・ワシントン州、タコマ (Tacoma) のポイント・ディファイアンス動物園 (Point Defiance Zoo & Aquarium) で飼育されている32歳の雄(オス)のホッキョクグマであるボリス (Boris) はその年齢もあってか近年において関節炎の進行による炎症に悩まされており、段々と動き回ることがつらくなってきているそうです。いくつかの治療が行われてきたものの効果は表れていないそうです。
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ボリス Photo(C)Point Defiance Zoo & Aquarium

同園の獣医師長であるカレン・ウォルフ博士は、ある会議で幹細胞に関する報告を行ったコロラド州立大学のヴァレリー・ジョンソン博士と知り合い、それを治療に応用することによって関節炎に悩まされているボリスを救えないかと考えたわけでした。こうしてウォルフ氏とジョンソン氏は共同してボリスの治療を行うこととなったわけです。それはボリスの関節炎の治療に幹細胞移植を行うということでした、この幹細胞移植治療 (Stem-cell therapy) は世界では今までホッキョクグマに対しては行われたことのないものだそうです。ここでポイント・ディファイアンス動物園の制作した映像、及びコロラド州立大学の制作した映像の二つをご紹介しておきます。音声はonにして下さい。





上の最初の映像でもジョンソン博士が説明していますが、ボリスの脂肪組織からサンプルを採取してはコロラド州立大学に持ち帰って実験室で幹細胞を培養して2017年11月にそれをタコマのポイント・ディファイアンス動物園に再び持って行くということを何回か繰り返して、ボリスに対しての幹細胞移植を行ったそうです。その結果としてボリスの関節炎は幾分好転したそうですが、劇的な効果といったものはなかったそうです。ジョンソン博士が語るには、他の若いホッキョクグマの脂肪組織から培養した幹細胞をボリスに移植するのがベストのシナリオだろうということだそうです。ボリスももう32歳ですので、このように麻酔を使用して幹細胞移植を行うということ自体が危険を伴うわけですが、なんとかボリスの関節炎の治療を行いたい桑園の獣医師長のウォルフ博士は、新しい治療方法をジョンソン博士との共同作業において切り開いていこうという気概を持った獣医師である点で実に意義深い話だと思います。

(資料)
Point Defiance Zoo & Aquarium (Feb.21 2018 - Stem cell therapy)
Colorado State University (Source/Feb.23 2018 - Boris the polar bear, 32, receives stem cell treatment)

(過去関連投稿)
アメリカ・ワシントン州タコマ、ポイント・ディファイアンス動物園のケネス逝く
アメリカ・ワシントン州 タコマのポイント・ディファイアンス動物園のボリスに4時間半の複合治療処置
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アメリカ・ワシントン州タコマのポイント・ディファイアンス動物園のグレイシャーが亡くなる
by polarbearmaniac | 2018-02-25 01:00 | Polarbearology

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