街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2018年 03月 05日 ( 1 )

ロシア・ペルミ動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ セリクとミルカ(ユムカ)の新時代

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セリク Image:Рифей-Пермь

ロシアの中央を南北に走るウラル山脈の西側の山麓にあるペルミの動物園では2月7日に、別格の存在であったアンデルマが亡くなってしまいました。彼女が後見役を務めていた5歳の雌(メス)のミルカ(ユムカ)と同じく5歳の雄(オス)のセリクがアンデルマ亡き後の今後のペルミ動物園のホッキョクグマ展示を支えていくことになるわけです。ペルミ動物園は当初は今年2018年3月に新動物園が完成するはずだったのですが、工事はやや遅れてはいるものの猛ピッチで進められており、おそらく4月に完成して動物たちの引っ越しが行われ5~6月にはオープンするのではないかとも予想されますが、まだ流動的だと思います。

現在のペルミ動物園はもともと教会の墓地だった場所にできたわけで、スターリン時代にこの地区の行政当局が宗教弾圧の一環として教会から土地を強制的に没収し、その場所に動物園ができたということなのです。そして現在の動物園の土地は新動物園の開園後に教会に返還されることになっています。アンデルマはそういったペルミ動物園の新しい時代への転換期に亡くなってしまったわけです。アンデルマが姫路のホクトや白浜のゴーゴを育てた現在のペルミ動物園のホッキョクグマの飼育展示施設は、アンデルマという偉大なホッキョクグマの死と軌を一にする形で間もなくその幕を下ろすことになります。私個人的には非常に寂しく感じます。非常に小さなあのペルミ動物園で何日もホッキョクグマたちに向き合っていた思い出は尽きないものがあるわけです。アンデルマの死後も私はミルカ(ユムカ)とセリクという若いペアを応援し続けていくつもりです。何故なら彼らはアンデルマが親身になって面倒を見てきた個体だからです。この若いペアを応援し続けてやることこそが、私のアンデルマに対してのせめてもの恩返しだと思っています。

ペルミ動物園では今年は2月27日の「国際ホッキョクグマの日」の来園者のための特別なイベントはなかったようです。しかし地元メディアはこの日のセリクとミルカ(ユムカ)に対するトレーニングと給餌の様子を報じていますのでその映像を見てみましょう。最初のシーンは2013年10月のセリクとミルカ(ユムカ)の初顔合わせの時の懐かしい映像です。



やはりアンデルマの姿が見えないのは非常に寂しく感じます。

さて、このミルカ(ユムカ)もセリクも私にとっては非常に思い入れのあるホッキョクグマなのです。ミルカ(ユムカ)は2012年12月にカザン市動物園でマレイシュカから誕生しているのですが、私は翌年の9月末にマレイシュカとミルカ(ユムカ)の親子が離れ離れになる前日にようやくカザン市動物園を訪問してこの親子の最後の一日の光景を見ることが出来ました。またセリクについては彼が2013年8月に野生孤児として極北のベルィ島で保護されペルミ動物園に移送されてきてから日の浅い時期に彼に初めて会っているわけで、この二頭に関しては忘れ難い記憶を持っているのです。ここで2013年9月のカザン市動物園でのミルカ(ユムカ)の映像を再度ご紹介しておきます。


カザン市動物園でのミルカ(ユムカ)と母親のマレイシュカ(2013年9月)- Yumka and her mother Malyshka at Kazan Zoological Garden, Russia, on Sep 28 2013


それから2013年8月に野生孤児としてケガをした状態で保護されたセリクがペルミ動物園に到着した様子についてのニュース映像を再度御紹介しておきます。詳しくは下の過去関連投稿の「セリク関連」を御参照下さい。



次の映像はペルミ動物園に到着した直後の映像です。以下をワンクリックして下さい。
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こうしてアンデルマ亡き後のペルミ動物園はミルカ(ユムカ)とセリクの若いペアが主役になっていくわけです。ロストフ動物園のテルペイ(ヤクート)が果たしてペルミ動物園に帰還するかも注目したいところです。彼はロストフ動物園でコメタとの相性が良くないらしいですのでペルミに帰還する可能性は大きいような気がしますが、これにも注目しておきたいと思います。

(資料)
Рифей-Пермь (Feb.27 2018 - Пермские белые медведи отмечают свой профессиональный праздник)
Ямал-Регион (Feb.27 2018 - Сирота с острова Белый стал звездой в Перми)

(過去関連投稿)
*ミルカ(ユムカ)関連
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*セリク関連
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(*アンデルマの死関連)
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by polarbearmaniac | 2018-03-05 01:30 | Polarbearology

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