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2018年 03月 16日 ( 1 )

ドイツ・ハノーファー動物園のシュプリンターの50キロの重さのボール遊び

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シュプリンター (Eisbär Sprinter)  Photo(C)Udo Weger/Bild

ドイツのハノーファー動物園 (Erlebnis Zoo Hannover) で飼育されているのは10歳の雄(オス)のシュプリンター、同じく10歳の雄(オス)のナヌーク、そして昨年2017年の1月にモスクワ動物園から来園した8歳の雌(メス)のミラーナという三頭のホッキョクグマたちです。雄(オス)が二頭に雌(メス)が一頭というのは実はかなり微妙な性別構成であり雄(オス)の二頭が闘争を行う危険性が絶えず内包されているからです。さて、モスクワ動物園から来園したミラーナについて私は彼女が生後半年ほどの時に母親であるシモーナとまだ同居していた時代の姿を見ています。このミラーナがいったいシュプリンターとナヌークのどちらをパートナーにするのかについては私はよくわかりません。ハノーファー動物園はミラーナが2017年の1月に来園した時にこの点についてはまだ決めていない旨の発言を行っており、あるいは他園から別の雄(オス)が来園してシュプリンターとナヌークはハノーファー動物園から移動する可能性もあることを語っていましたが、それから一年以上経過しても特別な動きはないようですから結局はミラーナとの相性を航路しつつシュプリンターとナヌークのどちらかがミラーナのパートナーになるように思われます。

さて、地元メディアはシュプリンターのボール遊びの映像を公開しています。これは硬質プラスチックでできた50キロの重さのあるボールだそうです。その様子を見てみましょう。



(*追記)ハノーファー動物園よりその後、逆側から撮影された映像が公開されました。ワンクリックして下さい。
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日本の幼年・若年個体のホッキョクグマたちの器用なおもちゃ遊びと比較するとシュプリンターはかなり不器用なホッキョクグマにも見えますが、しかし日本のホッキョクグマたちは50キロもあるボールと遊んだことはないでしょうから、あながちシュプリンターが不器用だとも言えないでしょう。ただし日本の若いホッキョクグマたちはいろいろな形状のおもちゃを与えられてそれなりにうまく遊んでいますから、やはり日本のホッキョクグマたちが器用であることだけは間違いないでしょう。さて、問題はシュプリンターが不器用なのか器用なのかではなく、彼は今の時期に上の映像のように一頭で飼育展示場に登場している点です。つまりこれはミラーナのパートナーとして期待されているのがシュプリンターではなくナヌークではないかという推測でできるようにも思います。「ロストック系」であるシュプリンターよりもナヌークをミラーナと組ませたほうが良いという理屈はよく理解できます。次は今年の2月のシュプリンターへの給餌イベントの様子です。ここでも彼は一頭で登場しています。



しかし一方で、下の昨年12月7日の特別給餌の映像ではシュプリンターとミラーナがかなり距離はあるものの同時に飼育展示場に登場している姿を見ることができます。体が汚れているのが朱プリンターで体が白くて太った「ロシア体型」をしているのがミラーナです。さすがにミラーナは母親であるシモーナに似ています。体型的には父親のウランゲリにも似ているように思います。



さて、こうなるとハノーファー動物園ではミラーナのパートナーとしてシュプリンターとナヌークのどちらを考えているのかがよくわからなくなってきます。成り行き次第といったところでしょうか。

(資料)
Neue Presse (Mar.15 2018 - Eisbär zeigt im Zoo Hannover seine Kraft)

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by polarbearmaniac | 2018-03-16 02:00 | Polarbearology

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