街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2018年 03月 20日 ( 1 )

ウクライナ・ムィコラーイウ動物園のジフィルカ親子の屋外登場以降の近況 ~ 優れた母親の出現

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Image: HN "Spike Show"

昨年2017年の12月8日にウクライナのムィコラーイウ動物園で6歳のジフィルカ (Зефирка) が産んだ赤ちゃんがすでに屋外に登場した件はすでにご紹介しています。このジフィルカお母さんはモスクワ動物園でシモーナの産んだ三つ子の一頭として2011年11月に誕生しているのですが私は翌年の3~4月と9月にわざわざモスクワまで出向いてこのシモーナが三つ子にいかに接するのかをじっくりと観察することができ非常に充実感を味わった思い出があります。
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ジフィルカお母さんと赤ちゃん Image: HN "Spike Show"

さすがにジフィルカはシモーナの娘だけあってこの赤ちゃんに接する姿勢には母親譲りのものがあるように感じます。少ない映像からでも感じることは、このジフィルカは私なりの母親のタイプの分類では「情愛型」に該当するように思います。私は国内外で何頭ものホッキョクグマの母親たちを見てきましたが、このジフィルカはまだ6歳にもかかわらずトップクラスの母親であることはもう間違いないように思います。そして彼女には天性としての母親の能力と素質が備わっていることがよく感じ取れます。3月13日の赤ちゃんの屋外初登場から18日までの期間のこの親子のいろいろな姿をまとめた映像がありますので下にご紹介しておきます。途中には父親のナヌクの姿も登場しています。



ウクライナの、それも地方都市の動物園ですのでこの赤ちゃんの成長を追っていくような地元のファンが果たしているのかはわかりませんが、大いに盛り上げてやってほしいものです。久々に実に素晴らしい母親らしい母親が世界のホッキョクグマ界に登場したことを実感させます。
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Image: HN "Spike Show"

ムィコラーイウ動物園のトプチィイ園長は、この赤ちゃんは将来は欧州などに移動するという発言を行っているのですが、この赤ちゃんの権利を有しているのはモスクワ動物園ですのでモスクワ動物園経由で国外に移動することになると思います、ただし母親のジフィルカと父親のナヌクは共に祖母がウスラーダ、祖父が故メンシコフですのでいとこ同士の関係となり、そうするとこの赤ちゃんを果たしてEAZAがすんなりとEEPを構成する個体群に入れるかどうかはやや疑問の余地があります。
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Image: HN "Spike Show"

この赤ちゃんの性別はまだ判明していませんが仮に雄(オス)だった場合に果たして円山動物園は入手に手を挙げてモスクワ動物園と交渉するべきかという問題はやはり生じます。やはり止めておくべきでしょう。「アンデルマ/ウスラーダ系(カザン血統)」の血が濃い赤ちゃんですから日本への導入には無理があります。それよりも実は円山動物園はこのジフィルカ自体を入手しておいてイコロやキロルのパートナーにしておくということだったらよかったのかもしれません。今さら何を言っても過去の話ですのであまり意味はありませんが2010年代の前半に円山動物園はもっとロシアに目を向けておくべきでした。このジフィルカこそがララの後継者としての十分な資格のある素晴らしい母親として札幌に君臨できたでしょう。

この下は私が2012年3月にモスクワに滞在していた時に流された英語版のTV番組ですが、ここではシモーナと彼女の三つ子を紹介しています。このうちの一頭がジフィルカです、この時の赤ちゃんがもう母親になっているというのですから時の経つのは早いといいますか、それともホッキョクグマの人生 (Bear's life) の流れはあっという間であるとでもいいますか、いろいろと考えさせられます。音声は on にして下さい。



(資料)
СЕГОДНЯ (Mar.19 2018 - В украинских зоопарках прошел беби-бум: детеныши уже стали "звездами")

(過去関連投稿)
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(ジフィルカ関連)
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by polarbearmaniac | 2018-03-20 03:00 | Polarbearology

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