街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2018年 05月 30日 ( 3 )

モスクワ動物園のウランゲリ (Белый медведь Врангель)、その「偉大な時代」への讃歌

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ウランゲリさん、こんにちは!
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このウランゲリは27歳になっているがレニングラード動物園のメンシコフ亡き後、ロシアのホッキョクグマ界の雄(オス)の頂点に立っていることは間違いない。
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その彼もシモーナという彼にとっては最高のパートナーがヴォロコラムスク附属保護施設に移ってからは実質上はパートナーのいない形になっている。ムルマはいるものの、彼にとっては相性の良くない相手なのである。
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彼に深く同情したくなってくる。彼は今までモスクワ動物園におけるホッキョクグマの繁殖に大いに貢献したのである。
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彼の性格的な優しさや人間に対する信頼感はモスクワ動物園のスタッフが大いに賞賛している。
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そういったことは彼の行動や表情でよく伝わってくるのである。
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彼はまだまだ元気であるが「ウランゲリの時代」というものは終わりつつあることは間違いない。残念な話ではあるが、しょうがない。
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ウランゲリはモスクワ動物園で一時代を築いた名ホッキョクグマとして記憶さrてることになるだろう。そして私は彼の時代を10年ほど体験できたのはありがたい話だった。
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なにしろ私は旭川で彼の息子であるイワンに会った回数よりもモスクワで彼に会った回数の方が多いくらいである。
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ウランゲリさん、お元気で!
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(May.29 2018 @モスクワ動物園)
by polarbearmaniac | 2018-05-30 05:00 | 異国旅日記

モスクワ動物園のムルマ (Белая медведица Мурма) の初夏の日の憂鬱

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ムルマさん、こんにちは!
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ペレジェルキノから戻って午後にモスクワ動物園にやってきた。
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相変わらずムルマ(左)とウランゲリ(右)は昼寝をしている。
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ウランゲリはあまり顔を上げないがムルマは時々顔をこちらに向ける。
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このムルマは微妙な立場に置かれている。
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モスクワ動物園が繁殖可能年齢を過ぎた個体を地方都市の動物園に移動させてそこで余生を送らせる可能性を示しているからである。それが実現するとすれば彼女には不本意な話となるだろう。
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彼女をモスクワ動物園で見られなくなる日は近いのかもしれない。
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しかしすでに繁殖からは引退させられてしまったシモーナが一般来園者には基本的に非公開であるヴォロコラムスク附属保護施設に移動させられてしまったことと比較すれば地方の動物園に移動するとはいっても、そこで会うことが可能となるのはむしろありがたい話なのかもしれない。
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ムルマさん、お元気で!
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(May.29 2018 @モスクワ動物園)
by polarbearmaniac | 2018-05-30 04:30 | 異国旅日記

パステルナークの家博物館 (Дом-музей Пастернака) を訪ねて ~ ペレジェルキノでの回想

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雲一つない快晴の日、午前中にモスクワから車を飛ばしてペレジェルキノ村にやってきた。
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作家・詩人であるボリス・パステルナーク (Борис Леонидович Пастернак 1890~1960) が1936年から彼の死の1960年まで住んだ家を訪ねるためである。ここは「パステルナークの家博物館 (Дом-музей Пастернака) 」として公開されている。
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何を隠そう、このパステルナークは私にとってはロシア文学で最も好きな文学者である。この「パステルナークの家博物館」は11時にオープンなので到着した時にはまだ開いていなかった。今日はモスクワのクトゥーゾフ大通りを猛スピードで運転してきたのでホテルから僅か25分でここに到着してしまった。
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パステルナークといえばやはり「ドクトル・ジヴァゴ (Доктор Живаго)」が代表作である。この作品で彼は1958年にノーベル文学賞受賞者として発表されたがソ連当局の圧力で辞退を余儀なくされた。
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彼はそのわずか二年後の1960年にこの住居で病死している。
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「ドクトル・ジヴァゴ」がソ連で刊行されたのはゴルバチョフ時代の1987年になってからのことだそうである。
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パステルナークはこの住居で愛人であるオリガ・イヴィンスカヤ (Ольга Всеволодовна Ивинская 1912~1995) と暮らしていた。ちなみに、彼女の回想である「パステルナーク詩人の愛」という本はなかなかおもしろい。


Борис Пастернак и Ольга Ивинская

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この「パステルナークの家博物館」は内部の写真撮影は自由だそうで非常にありがたい。
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ピアニストのスタニスラフ・ネイガウス (Станисла́в Ге́нрихович Нейга́уз 1927~1980) は自身の母親であったジナイーダと共に幼少期をパステルナークと共に過ごしているが、それはジナイーダが自分の夫であった有名なゲンリフ・ネイガウス (Генрих Густавович Нейгауз 1888~1964) を捨ててパステルナークに走ったからである。ちなみにこのゲンリフ・ネイガウスはリヒテルやギレリスといったソ連の巨匠たちの師匠であった非常に著名なピアニスト・教育者である。さらにスタニスラフはその自身の晩年をこのペレジェルキノのパステルナークの家で過ごしており、そしてなんと彼も1980年にやはりこのペレジェルキノのパステルナークの家で亡くなっている。それはパステルナークの死から20年後のことであった。ちなみにスタニスラフ・ネイガウスはあのスタニスラフ・ブーニンの父親である。
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スタニスラフ・ネイガウスは勿論のことスヴャトスラフ・リヒテルもこの部屋でこのピアノを弾いたそうである。
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ここはパステルナークの書斎だが机は当時のものではないだろう。
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二階の部屋の窓からの風景。
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これはパステルナークの亡くなった部屋である。左端のソファーにも見えるベッドで彼は亡くなったそうである。
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小鳥のさえずりだけが聞こえる。それは多分彼が亡くなった1960年5月も同じであったろう。明日5月30日はパステルナークの命日である。


Ист. Хроники: 1958 - Пастернак и Стрельцов


Борис Пастернак. Будем верить, жить и ждать - Документальный

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このあたりは秋に来るのも独特の雰囲気があって素晴らしいかもしれない。
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静寂の支配するペレジェルキノ村である。

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(May.29 2018 @モスクワ郊外・ペレジェルキノ村)
by polarbearmaniac | 2018-05-30 04:00 | 異国旅日記

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