街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2018年 06月 13日 ( 2 )

大阪・天王寺動物園のシルカ (Шилка)、内的危機をほぼ克服し次なるフェーズへ

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シルカさん、お久しぶりです! いかがお過ごしでしょうか?
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約一年振りに大阪の天王寺動物園にやってきた。今日は日は照っているものの涼しさの感じる風も吹いてくる。梅雨期とも思えない快適さすら感じる。
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さて、早いものでこのシルカももう四歳になった。
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私は一年前に「シルカ (Шилка) の一日 ~ 授与物よりも授与者を重視するシルカと、正反対のララの娘たちとの関係」という投稿でシルカが直面しつつあった内的危機について述べたことがあった。
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それを煎じ詰めて言えば、彼女の欲求不満の解消に人間の手による外的刺激の継続が対応できない飽和点が見えてきているということであった。これを裏返して言えば、シルカには内的危機に陥っていたということである。一年経過して果たしてそういった状況に変化があったかどうかが問題だ。
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シルカの期待、そしてその実現 - Shilka the polar bear's expectation and its realization, at Tennoji Zoo, Osaka, Japan, on Jun.13 2018.
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午後のおやつタイムの時間となった。


シルカの定例おやつタイム - Shilka the polar bear's treat time, at Tennoji Zoo, Osaka, Japan, on Jun.13 2018

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シルカの行動を観察するにつけ興味深いことが感じられてきた。
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それは、彼女の行動のエネルギー量の変化が一時期と比較すると幾分フラットとなる傾向があるということである。
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この彼女の行動の微妙な変化の理由を私なりに説明してみれば、それはシルカは一日の行動の中でかつてほど忘我的ではなくなっていることだろうと思う。
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そういったことが彼女の行動に幾分かの平準化をもたらしている。


天王寺動物園のシルカの水遊び - Shilka the Polar Bear, playing in the water, at Tennoji Zoo, Osaka, Japan, on Jun.13 2018

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ところが、そういったほんの少しの変化が彼女の内側に存在していた危機から彼女自身を遠ざける結果を生み出しているように思える。
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私には彼女は危機を脱して次のフェーズに歩みを始めたように見える。
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ともかく、私は幾分安心した。
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もうすでに以前の担当者の方から次の担当者の方へと交代してから久しいはうであるが、私はどの方が現在の担当者なのかわからない。
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多分今日はその担当者の方がシルカにおもちゃを投げ入れているような気がするが確証は全く無い。
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しかし、なかなかこまめにおもちゃを与えている。
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現在の担当者の方はシルカの行動の変化をうまく引出し、そしてそれにうまく対応しているように感じる。
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次なるシルカの問題は彼女が将来のパートナーとの関係をどういう形で進展させていくかということだ。
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しかしこれは彼女だけでできることではなく、そのパートナーの姿勢が大いに関係してくる。このパートナーとの関係の構築が彼女の次なる試練となるだろう。
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SONY DSC-RX10M4
Panasonic HC-W870M
(Jun.13 2018 @大阪・天王寺動物園)
by polarbearmaniac | 2018-06-13 23:00 | しろくま紀行

ロシア・ノヴォシビルスク動物園の初夏の日のホッキョクグマたち

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カイ(クラーシン) Photo(C)Новосибирский зоопарк
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ゲルダ Photo(C)Новосибирский зоопарк

先日の四週間の海外遠征中ではホッキョクグマに関する大きなニュースは非常に少なかったわけですが、小さなエピソードはいくつかありました。ロシア・西シベリアのノヴォシビルスク動物園といえば大阪のシルカの生まれ故郷としても有名になっていますが、おのシルカの両親である共に十歳のカイ(クラーシン)とゲルダに5月27日に「熊の日(День медведя)」のイベントが行われたそうです。そのハイライトは活魚のプレゼントということでした。その様子を見ておきましょう。



この二頭のごく最近の映像を見ておきましょう。





今の季節は飼育下のホッキョクグマたちのニュースの非常に少ない時期になっています。ですから何か特別のイベントでもないと彼らのニュースがメディアに登場する機会は少ないです。問題はゲルダの第二子である現在は二歳半になっている雄(オス)のロスチクなのですが、私は彼がニジニ・ノヴゴロドに移動する時期は非常に早く到来するだろうと考えています。その件については「ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクがニジニ・ノヴゴロドのニジェゴロド動物園への移動が濃厚となる」という投稿を御参照下さい。どう考えても消去法でロスチク以外ではありえないと考えています。ロスチクは一歳になったかならないかというような時期に欧州に移動する予定となって母親であるゲルダから引き離されて現在もノヴォシビルスク動物園の別の場所で一頭で暮らしていますが、その彼の欧州行きの話がほぼ消えてしまっている現状ではロスチクは母親であるゲルダとの二年目が無くなってしまたことは今から翻って考えてみれば非常に不運でした。タリン動物園のやはり雄(オス)のアロンはフリーダお母さんと悠々と二年目の同居を楽しんでいるわけです。ここでロスチクの最近の映像を見ておきましょう。





ゲルダの第二子のロスチクは二歳半になってもこういった状態ですから、仮にゲルダが今年の年末に第三子を産んだとしてもまた同じことが繰り返されるのではないでしょうか。ノヴォシビルスク動物園はせっかくカイ(クラーシン)とゲルダという素晴らしいペアを有していても、ロシア国内の動物園におけるホッキョクグマの繁殖でいったいどういう役割を果たしていくのかが見えなくなってきている状態だと思います。

私は先日の旅行でペルミからノヴォシビルスクに行こうと考えていたわけですが結局はモスクワに戻って、その後に帰国してしまいました。しかし近いうちには必ずノヴォシビルスク動物園を再訪したいと思っています。年内には行くでしょう。

(資料)
НГС.НОВОСТИ (May.27 2018 - Видео: в зоопарке устроили кормление белых медведей на публику)
Аргументы и факты - Новосибирск (May.30 2018 - В Новосибирском зоопарке отметят День защиты детей)
Комсомольская правда в Новосибирске (May.28 2018 - В Новосибирском зоопарке прошло показательное кормление белых медведей)
БК54 (May.27 2018 - В Новосибирском зоопарке устроили показательное кормление белых медведей)

(過去関連投稿)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ ゲルダ親子を愛する「草の根のファン」
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチク、親子としての一つの「完成形」を達成か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクが母親ゲルダと別居となる ~ シルカもいた同園内の別の場所へ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「二つの愛の心」 ~ "Два любящих сердца"
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクが母親ゲルダと別居となる ~ シルカもいた同園内の別の場所へ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの別居は安全上の理由と同園は説明 ~ 移動先決定は難航か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園でゲルダとクラーシン(カイ)の同居が始まる ~ 従来の繫殖方針維持
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの欧州への移動は2018年以降の可能性が高い?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマ飼育展示場にガラスフェンスが設置の予定 ~ 減じる魅力
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの近況から、彼の今後の移動問題を考える
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシロ園長がロスチクの移動問題について語る ~ 決断できぬ欧州側
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「カイとゲルダ」の最近の話題 ~ このペアの名前の由来の真相を考える
ロシア・ノヴォシビルスク動物園が開園70周年を祝う ~ ホッキョクグマ飼育展示場に人工雪製造機が導入
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの待機続く ~ 移動先候補にフランスのセルザ動物園が急浮上か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園で本格的な冬の到来を待つホッキョクグマたち ~ 「美しさ」への視点
ロシア・ノヴォシビルスク動物園で二歳となったロスチク ~ 欧州行きの可能性は消えた模様
ロシア・ノヴォシビルスク動物園での2014年のゲルダとシルカの親子の思い出のページ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の動物たちの暮らしを記録し続ける常連の来園者に大きな賞賛の声
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマたちの冬の日の光景 ~ 掴めぬロシア国内の繁殖計画の情報
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のカイ(クラーシン)とゲルダのさらなる挑戦
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「国際ホッキョクグマの日」
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のカイ(クラーシン)とゲルダの成就への道のり ~ 王道を歩む黄金のペア
by polarbearmaniac | 2018-06-13 03:00 | Polarbearology

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