街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2018年 10月 11日 ( 2 )

グーリャ (Гуля)、その素顔と性格 ~ 慎み深さと浄化された静謐さ

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このグーリャは私が予想していたよりも遥かに感銘を与えてくれるホッキョクグマである。
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それは肉体的なものから発せられるものではなく何か精神性なものに由来しているような感覚がある。
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それはおそらく、彼女に与えられた静かで平穏な余生が生み出した一種の浄化された安らかさが彼女自身をそのようなホッキョクグマへと変えていったからではないかと思われる。疑いもなくこのボリシェリェーチェ動物園のホッキョクグマ飼育展示場はロシアで最も素晴らしいホッキョクグマの飼育展示場である。
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彼女は飼育展示場で暮らしているというよりは、その本質的な意味において自然の中に暮らしているのである。
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そういったグーリャの姿を見ていると、こちらまで心が洗われた気持ちになってくる。


静かにくつろぐボリシェリェーチェ動物園のグーリャ - Gulya the Polar Bear, relaxing herself at Bolsherechye Zoo, Russia, on Oct.10 2018.

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こういう雰囲気を持ったホッキョクグマに私は今まで一度も出会ったことがない。強いてあげればハバロフスク動物園の故ゴシである。グーリャと故ゴシとの間には共通点がある。それは、どちらも人間からひどい扱いを受けた経験を持っているという点である。ところが故ゴシとこのグーリャとの違いは、故ゴシにはペーソスが存在の底流に流れていた。
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しかしグーリャにはそういった悲しみの感情がもう見えないという点である。
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それが可能となったのは一種の浄化作用によるものだろう。この動物園のスタッフの方々も非常に人間的にグーリャに接している。やはりロシア人とホッキョクグマとの間には親和性があるのだ。
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ペルミ動物園のアンデルマ亡き後、ロシアではこのグーリャが最高のホッキョクグマであるといって過言ではない。
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金と時間と手間をかけてグーリャにわざわざ会いに来た甲斐があった。
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動物園を出る。これからまた車で200キロの距離を三時間弱かけてオムスクに戻る。
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また金曜日にこの動物園を訪問するつもりである。グーリャは実に素晴らしいホッキョクグマである。感動の一日。

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(Oct.10 2018@ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園)

(*後記)私の訪問についてモスコフスキー・コムソモーレツ紙が記事を書いています。以下です。
Московский комсомолец (Oct.11 2018 - Японский блогер навестил омскую медведицу Гулю)

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by polarbearmaniac | 2018-10-11 02:30 | 異国旅日記

ボリシェリェーチェ動物園へ ~ グーリャさん、初めまして!!

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オムスクから車でなんと2時間45分かけて念願のボリシェリェーチェ動物園 (Большереченский зоопарк) にやってきた。オムスクからは約200km の距離がある。私は今までこの動物園を「オムスク近郊」などと書いてきたが、とても近郊などという場所ではない。
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この動物園はロシアでは唯一の「田園動物園」として知られているが場所が場所だけに簡単に来ることのできない動物園である。ロシア国外ではほとんど知られていない動物園である。この動物船に暮らすホッキョクグマは、ほとんど「幻のホッキョクグマ」といってよいほど一般的にはほとんど知られていない。
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シンプルな園内表示がある。
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非常に素朴な感じのする動物園だ。


ボリシェリェーチェ動物園の正門よりホッキョクグマ飼育展示場まで - From the main gate to the exhibit of polar bear at Bolsherechye Zoo, Russia, on Oct.10 2018.

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グーリャさん、初めまして!
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ホッキョクグマの飼育展示場に行くと、なんと動物園の方が二人、私を出迎えてくれた。私の訪問について事前に御存知だったらしい。お二人はグーリャに関していろいろな説明をしてくれた。グーリャはレニングラード動物園でやはりメンシコフに気に入られなかったようである。彼女の幼年時代の不幸などについても話していただいた。(内容については過去関連投稿ですでにご紹介している。)
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グーリャへの給餌の様子も近くで見せていただいた。


ボリシェリェーチェ動物園のグーリャへの給餌 - Feeding time to Gulya the Polar Bear at Bolsherechye Zoo, Russia, on Oct.10 2018.

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グーリャはやはり視力はほとんど失っているようだが自分の回りにあるものはよく認識している様子がわかる。
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グーリャは間もなく推定30歳になるはずだが、さすがに年齢的な影響を感じさせる。以前の彼女の姿を動画などで見ていたが、やはり彼女も年齢は隠せないようである。しかし、彼女がこうして元気なうちに会うことができて本当に嬉しく思う。


グーリャの表情の変化 - Gulya the Polar Bear, a variation of her facial expression, at Bolsherechye Zoo, Russia, on Oct.10 2018.

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確かにグーリャは老いているようには見えるが頭脳や感覚はじっかりしているのが心強い。
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彼女はこの動物園で本当に丁寧できちんと飼育されていることがよくわかる。スタッフの方々が彼女を本当に大事にしているのがわかるのである。
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そういうグーリャを見ているだけで私も幸福な気持ちになってくる。
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(Oct.10 2018@ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園)

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by polarbearmaniac | 2018-10-11 02:00 | 異国旅日記

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