街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2018年 11月 21日 ( 1 )

札幌・円山動物園のララが満24歳となる ~ 偉大なホッキョクグマを支える人々

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ララとリラ (Lara the Polar Bear with her female cub Lilas)
(2015年4月1日撮影 於 札幌・円山動物園)

札幌・円山動物園の雌(メス)のホッキョクグマであるララは11月20日に満24歳の誕生日を迎えました。そしてそれは同時に旭山動物園で飼育されているララの双子姉妹であるルルも満24歳になったということを意味しています。血統番号はララが#1514、ルルが#1513ですので血統登録上ではルルが姉でララが妹ということになりますが、これはたいした問題ではないでしょう。
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ララ (Lara the Polar Bear/Белая медведица Лара/Eisbärin Lara) (2015年6月21日撮影 於 札幌・円山動物園)


芝の上でくつろぐララ - Lara the Polar Bear, having the time of her own on the grass at "Polar Bear Museum" at Sapporo Maruyama Zoo, Japan, on Jun.24 2018.

ララに関しては今まで何度も投稿してきましたし彼女がいったいどういうホッキョクグマであるかについてはそういった投稿で語り尽くしてきたつもりです。彼女はいまや世界でも屈指の雌(メス)のホッキョクグマとして世界のホッキョクグマ界に存在しているわけで、その彼女はたまたま日本で暮らしているということにすぎないというのが私の率直な印象です。私は過去十年間にわたって国外でいろいろなホッキョクグマの親子に会ってきましたが、彼女について語るための比較の対象は日本には存在しておらず欧米やロシアのごく一握りの非常に優秀であり、かつ偉大なホッキョクグマたちと共に語るべき存在となっています。ララはそれだけ偉大なホッキョクグマであるというのが彼女の客観的評価であり、それが彼女が「世界のララ」である所以であると私は思っています。
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ララとアイラ (Lara the Polar Bear with her cub Aïra)
(2011年12月19日撮影 於 札幌・円山動物園)

北海道にある十勝毎日新聞が「つなげ 命のバトン」という三回の連載シリーズを行っており、そのうちの第一回と第二回が公表されていますので、まだお読みでない方がいましたら下の資料の欄をクリックしてみて下さい。非常に平易にバランスがとれた記事だと思います。ただし「ララの出産記録」というイラストと本文の記述にはもっと深く掘り下げた内容となればもっとよかったでしょう。2000年、2001年、2002年のララの出産について「死亡」とだけ書かれています。たしかにこれは正しいのですが「死亡」の事実よりも食害の事実の方がその後の彼女の繁殖の成功の理由を解く鍵があるのです。2007年の出産についても「死亡」となっていますが、この時は食害が起こっていないという点で2000年、2001年、2002年の出産とは状況が異なっていたはずなのです。この件について正確に記載されているのは円山動物園の以前の飼育員さんが書いた「ホッキョクグマの繁殖に関する一考察」(pdf)ですのでそちらもご参照下さい。ここで現在の担当飼育員さんの二つのインタビューも公開されていますので見てみましょう。





私はこの現在の飼育員さんを高く評価しています。札幌の地元のファンの方々も含め多くのファンは、この飼育員さんは前任者が作り上げた土台の上に立脚して成功していると理解しているようですが私の意見は全く異なっています。この現在の飼育員さんは意識的か無意識的かはわかりませんが前任者の方の行ってきたことをアプリオリには踏襲せず自分の頭で考え、そしてそれを実行して成功した方だというのが私の意見です。そしてその一方で(詳しくは述べませんが)欧米のいくつかのやり方をこっそりと、そしてファンにはわからないような形で巧みに飼育に取り入れたのです。ですからこの現在の飼育員さんのやり方は前任者の方のやり方とは「断絶」しているというのが私の意見です。その「断絶」を私は高く評価します。次は担当獣医さんへのインタビューです。



さて、問題はララ以降の世代の日本におけるホッキョクグマの繁殖なのですが、それについて十勝毎日新聞の連載の第三回で触れられるようです。「血統」がテーマとなるようです。その記事が公開されましたら日本のホッキョクグマ界におけるこの問題について再度投稿したいと思っています。

ここでララとリラの水遊び(2015年6月)、及びララと同じ年齢で来る11月27日に24歳となる当時モスクワ動物園のシモーナと三つ子の水遊び(2015年9月)の様子を再度ご紹介しておきます。


ララとリラの水遊び - Lara the polar bear plays with her female cub in the water(2), at Sapporo Maruyama Zoo, Japan, on Jul.23 2015.


シモーナと三つ子の水遊び - Simona the Polar Bear and her triplet cubs are playing with a plastic material at Moscow Zoo, on Sep.20 2012.

(資料)
十勝毎日新聞 (Nov.19 2018 -  第一回「ララの子育て物語」(上)
(Nov.20 2018 - 第二回「ララの子育て物語」(下)

(過去関連投稿)
ララが忘れぬ童心 ~ 新しい感情領域 ("Larasophia") を切り開き、新境地を開拓した名ホッキョクグマ
ララ、その世界屈指のホッキョクグマの発散する魅力
by polarbearmaniac | 2018-11-21 03:00 | Polarbearology

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