街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2019年 08月 16日 ( 1 )

カザフスタン・アルマトイ動物園の間もなく30歳になるアリコル、元気な姿を見せる

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アリコル Photo(C)Казинформ

私はいつも不思議に思うのですが、メディア、特に新聞の関係者は自分たちの第一の存在意義を「権力の監視」であると位置付けていることです。私にはこれは到底納得のできない考え方です。私見では彼らの存在意義は「事実の報道」がアルファでありオメガであるはずで「権力の監視」は「事実の報道」の単なる副次的効果であるにすぎません。「権力の監視」が自分たちの一義的存在理由であると考える旧ソ連圏のメディア関係者は旧ソ連圏における地方権力の腐敗やマフィアの存在といったものを追及しようとして無理してまで取材を行うものの、その代償を自分の生命で支払わねばならないケースはロシアをはじめとしてよくある話です。こういった事情で、メディア関係者が自分の命という代償を支払わずに安直に何かを追及しようとする時に、動物園といったものは格好のターゲットになります。動物園というのは社会的には弱い立場にありますので彼らメディアの「追及」の格好の餌食になってしまうのです。
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Photo(C)Казинформ

中央アジア・カザフスタンのアルマトイ動物園 (Алматинский зоопарк) に暮らす現在29歳の雄(オス)のホッキョクグマのアリコル (Алькор) については今までもかなり投稿してきました。このアリコルも国際的には認知度が非常に低いホッキョクグマですので、何か報じられると可能な限り漏れの無いように投稿してきたつもりです。このアリコルがメディアに今まで登場する場合の多くは、彼の飼育環境が悪いために彼の健康状態は悪化しているといった文脈での報道が行われた時が多いわけです。今年の7月にまたこの種の噂話が流布されたわけですが、アルマトイ動物園、及びそのホッキョクグマ飼育展示場の新設工事の資金を負担したスポンサーの人物はメディア関係者、及び保護活動家などを集めた場所でこの噂話を否定し、間もなく30歳になるアリコルの健康状態は良好であることを明らかにし、そして実際にアリコルの元気な姿を見せて噂話を打ち消しています。そのTVニュースをご紹介しておきます。





アリコルは夏の初め頃は暑さのために体重を落としたそうで、来園者は彼がプールに飛び込んだりするシーンを期待するもののアリコルは日中は休んでいることが多いそうです。高齢になってきていますので、まあこれは仕方のないところでしょう。
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さて、秋に予定しているノヴォシビルスク動物園の第三期訪問ですが、その機会を利用してアルマトイ動物園を訪問しようと思っています。カザフスタンは他にいろいろと行きたい場所もあるのですが、そういったものと組み合わせて....などといつまでも考えていると彼に会う機会はなくなってしまうでしょう。私はこのアリコルの母親であるカリーニングラード動物園の故スネジンカには実際に会っていますのでよく知っています。さらにアリコルの孫であるビル(現 ゲルゼンキルヘン動物園)、コメタ(現 ロストフ動物園)、ナヌク(現 ムィコラーイウ動物園)にも会っていますので私にとってアリコルは全く無縁のホッキョクグマではないということです。さらにこのアリコルには日本のホッキョクグマ界とは不思議な縁があるのです。「カザフスタン・アルマトイ動物園の29歳のアリコルの近況 ~ アルマトイ、上野、徳島を結んだ不思議な関係」という投稿を是非ご参照下さい。

そういえばソチの冬季五輪の男子フィギュアスケートで銅メダルをとったデニス・テンは2018年7月にアルマトイで刺されて殺されたわけですね。その時の地元のTVニュースが下です。彼の車はレクサスだったようですね....。





(資料)
Казинформ (Jul.20 2019 - Как живет старый белый медведь в зоопарке Алматы)
NewTimes.kz (Jul.19 2019 - За гибель животных наказали замдиректора и ветврача алматинского зоопарка)

(過去関連投稿)
カザフスタン・アルマトイ動物園、アリコルの独居の「孤独」
カザフスタン ・ アルマトイ動物園に暮らすアリコルへの朗報 ~ 動物園大改修計画による飼育環境改善へ
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの近況 ~ 地元のファンの温かいまなざし
カザフスタン・アルマトイ動物園の「国際ホッキョクグマの日」のアリコルの姿 ~ 氷のケーキのプレゼント
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの夏の日 ~ 情報の少ない旧ソ連圏のホッキョクグマたち
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルが飼育展示場で三匹の猫たちと平和に共存
カザフスタン・アルマトイ動物園、アリコル(Алькор) の「国際ホッキョクグマの日」
デンマークのオールボー動物園が雌のメーリクとヴィクトリアのパートナー候補の雄を世界中に求めて調査中
カザフスタン・アルマトイ動物園がアリコルのパートナー探しを開始 ~ 旧ソ連圏の事情の背景を読む
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの近況、そして同園のスキャンダルと背後の「黒い影」
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコル、抜歯治療はX線検査の結果次第とモスクワ動物園主任獣医が診断
カザフスタン・アルマトイ動物園がモスクワ動物園主任獣医の診断に反発 ~ アリコルのX線検査は様子見へ
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルが病気であることを同園が明らかにする
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カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの27歳の誕生会が開催 ~ 動向不明期間が長い旧ソ連圏の個体
カザフスタン・アルマトイ動物園のアリコルの新しい飼育展示場が完成 ~ 27歳で初めて芝のある飼育展示場へ
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カザフスタン・アルマトイ動物園の29歳のアリコルの近況 ~ アルマトイ、上野、徳島を結んだ不思議な関係
by polarbearmaniac | 2019-08-16 23:45 | Polarbearology

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