街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャの近況 ~ 「幻のホッキョクグマ」へのオマージュ

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グーリャ (Белая медведица Гуля/Gulya the Polar Bear) 
Photo(C)Большереченский зоопарк

ロシア・西シベリアのボリシェリェーチェ動物園 (Большереченский зоопарк) で余生を送っている野生出身で推定29歳の雌(メス)のホッキョクグマであるグーリャ (Гуля – 正式には Гулина - グリーナ) については私はいつもその動向を気にしています。彼女の不幸な幼年時代、その後の恵まれなかった繁殖への試みなどについては今までの投稿でご紹介してきました。現在は恵まれた余生を過ごしていますが彼女も高齢になっていますのでボリシェリェーチェ動物園が時々公開する彼女の写真を見ますと何かホッとした気持ちになります。

9月に入ってからのグーリャについてボリシェリェーチェ動物園はその様子を写真で公開しています。この地方に訪れた秋の日にグーリャは芝生の上で休んだり池で長い時間泳いだりと、深まりつつある秋を楽しんでいるそうです。池でのおもちゃ遊びにも余念がなく、また魚、野菜、果物といったような給餌も楽しんでいる様子が語られています。ここで昨年の今頃の季節のグーリャの様子を報じる地元メディアのTVニュース映像を再びご紹介しておきます。



ペルミ動物園のアンデルマ亡き後、ロシアで最年長のホッキョクグマはレニングラード動物園のウスラーダのはずですが、そのウスラーダの次はこのグーリャということになります。彼女はロシアで肥育されているホッキョクグマとしては最も恵まれた環境で暮らしていますので是非とも長生きしてもらいたいと願っています。
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Photo(C)Большереченский зоопарк

彼女についてはボリシェリェーチェ動物園が時々公開する情報以外にはほとんどその動向を報じる情報がありません。欧米からもほとんど話題すら聞こえてこないという「幻のホッキョクグマ」といった状態になっています。非常に残念なことです。私はそういった状況を打破したいと思っています。そうすることこそが私のこのロシアのホッキョクグマに対するオマージュなのです。

(資料)
Большереченский зоопарк (Sep.6 2018 - Белая медведица Гуля, живущая в Большереченском зоопарке.)
БК55 - Журнал Бизнес-курс, г. Омск (Jul.9 2018 - Белая медведица Гуля из Большереченского зоопарка радуется жаре)

(過去関連投稿)
ロシア・西シベリアのオムスク近郊、ボリシェリェーチェ動物園に暮らすグーリャ ~ 人間への不信と無関心
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ロシア最大の石油会社 ロスネフチがロシアの動物園の全ホッキョクグマへの援助・保護活動開始を表明
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャにロスネフチ社より飼育場整備の資金援助
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ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャ(Гуля)、乏しい情報から知るその動向
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャ、情報欠如の「幻のホッキョクグマ」としての存在
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ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園に訪れた秋 ~ 季節の味覚を楽しむグーリャ
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャの旺盛な食欲 ~ ロシアで上がる彼女の知名度
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャに早々とクリスマス用の木のプレゼント
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャの冬の日 ~ 心温まる地元のファンとの関係
ロシア・ボリシェリェーチェ動物園の「国際ホッキョクグマの日」~ グーリャとウスラーダの運命の分岐点
ロシア・西シベリア、ボリシェリェーチェ動物園のグーリャ (Гуля) が過ごす豊かな余生
by polarbearmaniac | 2018-09-30 01:00 | Polarbearology

モスクワ動物園のホッキョクグマに日本発泡スチロール協会から魚のプレゼント

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ウランゲリ (Белый медведь Врангель) 
Photo(C)МИР/Московский Зоопарк

日本の動物園で夏に「シロクマキャンペーン」としてホッキョクグマへ発泡スチロール容器に入れた魚のプレゼントを行っている組織として日本発泡スチロール協会 (JEPSA) の名前を記憶していられる方は多いと思います。その日本発泡スチロール協会が、なんと昨日9月29日にモスクワ動物園でホッキョクグマたちに魚のプレゼントのイベントを行ったことがモスクワのTV局によって報じられました。その様子を見てみましょう。最初に同協会の専務理事である武田導弘氏とモスクワ動物園のスヴェトラーナ・アクーロヴァ園長が登場しています。登場しているホッキョクグマはウランゲリ(旭川のイワンの父)です。



日本発泡スチロール協会の一行はこのイベントの後で来園者の子供たちに発泡スチロール製のおもちゃをプレゼントしたそうです。このイベントは「ロシアにおける日本年2018」の一環として行われたものだそうです。ここをクリックしていただきますとモスクワ動物園での「シロクマキャンペーン ストップ!地球温暖化! 」のイベントの開催告知が掲載されています。

(資料)
МИР (Sep.29 2018 - Японские ученые накормили рыбой медведей в Московском зоопарке)
Московский Зоопарк (Sep.28 2018 - Экологическая акция «Белый медведь»)

(過去関連投稿)
モスクワ動物園のウランゲリ (Белый медведь Врангель)、その「偉大な時代」への讃歌
モスクワ動物園に到来した本格的な夏 ~ ホッキョクグマたちの夏の日
by polarbearmaniac | 2018-09-30 00:30 | Polarbearology

ロシア・ノヴォシビルスク動物園のカイ(クラーシン)とゲルダに週二回の活魚のプレゼント開始

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カイ(クラーシン) Photo(C)Андрея Полякова

ロシア・西シベリアのノヴォシビルスク動物園で暮らしているのは間もなく11歳になる雄(オス)のカイ(クラーシン)と雌(メス)のゲルダというペア、そして大阪のシルカの弟である間もなく3歳になるロスチクの三頭です。ゲルダは今年の11~12月の出産が期待されており現在はカイ(クラーシン)とは別区画で暮らしています。ノヴォシビルスク動物園はこのカイ(クラーシン)とゲルダに対して今月から毎週二回(火曜日と木曜日)、エンリッチメントとして活魚のプレゼントが行われるようになったそうです。この活魚のプレゼントはロシアの動物園におけるホッキョクグマ飼育プログラムの一環として行われるようになったそうです。その様子を地元メディアの報じる映像で見てみましょう。登場しているのはカイ(クラーシン)です。



上の映像を見る限りペルミ動物園の夏期の活魚のプレゼントのほうがずっと迫力があります。さて、地元のメディアはこの活魚のプレゼントの話題以外にカイ(クラーシン)とゲルダの毎日の給餌量についても述べています。魚に関してはカイ(クラーシン)は毎日5キロ、ゲルダは3キロが与えられているそうです。何種かの種類の魚が与えられているそうでその割合は季節によって異なるようです。朝食ではこの二頭共に白パンとライムギパンにそれぞれ1キロから1.5キロのニンジンに魚油を混ぜたものが与えられているそうです。肉が与えられるのは夕食時でカイ(クラーシン)は5キロ、ゲルダは3キロが与えらえるとのことです。それほど多い量ではないですね。

(資料)
НГС - Независимые Городские Сайты (Sep.11 2018 - Сашими для Кая: белые медведи вышли на рыбалку в Новосибирском зоопарке)
Сибкрай.ru (Sep.4 2018 - Белые медведи будут сами добывать себе рыбу в зоопарке)
Любимый город (Sep.4 2018 - Белые медведи Кай и Герда из зоопарка будут сами ловить рыбу)
VN.RU (Sep.3 2018 - В меню Кая и Герды впервые появилась живая рыба)
NGS.ru (Sep.11 2018 - Сашими для Кая: белые медведи вышли на рыбалку в Новосибирском зоопарке)
Комсомольская правда (Sep.17 2018 - Поправилась или беременна: сибиряки гадают, почему располнела белая медведица из новосибирского зоопарка)

(過去関連投稿)
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ ゲルダ親子を愛する「草の根のファン」
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダとロスチク、親子としての一つの「完成形」を達成か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクが母親ゲルダと別居となる ~ シルカもいた同園内の別の場所へ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「二つの愛の心」 ~ "Два любящих сердца"
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクが母親ゲルダと別居となる ~ シルカもいた同園内の別の場所へ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの別居は安全上の理由と同園は説明 ~ 移動先決定は難航か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園でゲルダとクラーシン(カイ)の同居が始まる ~ 従来の繫殖方針維持
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの欧州への移動は2018年以降の可能性が高い?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマ飼育展示場にガラスフェンスが設置の予定 ~ 減じる魅力
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの近況から、彼の今後の移動問題を考える
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシロ園長がロスチクの移動問題について語る ~ 決断できぬ欧州側
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「カイとゲルダ」の最近の話題 ~ このペアの名前の由来の真相を考える
ロシア・ノヴォシビルスク動物園が開園70周年を祝う ~ ホッキョクグマ飼育展示場に人工雪製造機が導入
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの待機続く ~ 移動先候補にフランスのセルザ動物園が急浮上か?
ロシア・ノヴォシビルスク動物園で本格的な冬の到来を待つホッキョクグマたち ~ 「美しさ」への視点
ロシア・ノヴォシビルスク動物園で二歳となったロスチク ~ 欧州行きの可能性は消えた模様
ロシア・ノヴォシビルスク動物園での2014年のゲルダとシルカの親子の思い出のページ
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の動物たちの暮らしを記録し続ける常連の来園者に大きな賞賛の声
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のホッキョクグマたちの冬の日の光景 ~ 掴めぬロシア国内の繁殖計画の情報
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のカイ(クラーシン)とゲルダのさらなる挑戦
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の「国際ホッキョクグマの日」
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のカイ(クラーシン)とゲルダの成就への道のり ~ 王道を歩む黄金のペア
ロシア・ノヴォシビルスク動物園の初夏の日のホッキョクグマたち
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のカイ(クラーシン)とゲルダに黄色いボールのプレゼント
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のゲルダに今年の繁殖シーズンの出産への期待高まる
ロシア・ノヴォシビルスク動物園のロスチクの近況 ~ 不透明な今後の状況
by polarbearmaniac | 2018-09-29 01:00 | Polarbearology

ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィの飼育展示場にイタリア製の人工雪製造機が設置される

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ベルィ Photo(C)Пензенский зоопарк

モスクワの南西約600キロにある都市であるペンザの動物園でたった一頭で暮らしているのは野生孤児出身の7歳の雄(オス)のベルィです。夏も終わりとなって9月になったところでベルィに素晴らしいプレゼントがありました。それはロシア最大の石油会社であるロスネフチ社の資金負担によってホッキョクグマの言飼育展示場にイタリア製の人工雪製造機(製氷機)が設置されたそうです。
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Photo(C)Пензенский зоопарк

ベルィが飼育展示場に登場すると彼はそこに見慣れない雪の山があることき気が付いたそうですが最初は非常に警戒して15分ほどあたりを動きまわて様子を探っていたようです。というのもこの機械は運転中に音を発していてそれに警戒していたようです。やがてその小さな雪の山で体を擦りつけて遊びだしたということだったそうです。そういった様子を地元のTV局がニュースで報じていますので見ておきましょう。



尚、この人工雪製造機は一日に1.7トンの雪(実際は細かい氷)を製造する能力があるそうです。ロシアの地方都市の動物園の小さな話題なのですが地元ではニュースになるということです。

(資料)
ПензаИнформ (Sep.11 2018 - В Пензенском зоопарке появился генератор льда для белого медведя)
Пензенская правда (Sep.10 2018 - В пензенском зоопарке белому медведю устроили ледяную зиму)
PenzaNews (Sep.8 2018 - Оборудование из Италии будет производить лед для живущего в Пензе белого медведя)
ГТРК Пенза (Sep.19 2018 - В Пензенском зоопарке белый медведь оценил искусственный снег в вольере)
Пенза-взгляд (Sep.20 2018 - В Пензе белому медведю подарили ледогенератор)
Комсомольская Правда (Sep.18 2018 - В Пензенском зоопарке «выпал» снег)
Piter.tv (Sep.22 2018 - В Пензенском зоопарке для белого медведя сделали снежную горку)

(過去関連投稿)
ロシア極北で漁民に保護された1歳の野生孤児が中部ロシアのペンザ動物園での飼育が決定
ホッキョクグマ飼育経験のないロシア・ペンザ動物園が飼育準備を開始 ~ 「親和性」、「運」とは?
ロシア極北で保護された孤児のウムカ、依然としてモスクワ動物園で待機か? ~ 野生孤児保護の問題点
モスクワ動物園で待機中の野生孤児のウムカ、11月末までにペンザ動物園へ移動
モスクワ動物園で待機中だった野生孤児のウムカが陸路、ペンザ動物園に無事到着
ロシア・ヴォルガ川流域のペンザ動物園にモスクワから移動したウムカの近況 ~ 待たれる新施設の完成
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園のウムカの新しい名前を公募することが決定
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園のウムカの新しい名前が「ベルィ」に決まる
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園の苦境続く ~ ベルィ に仮仕様のプールが完成 
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園の2歳の野生孤児ベルィの近況
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園の野生孤児ベルィが間もなく3歳に ~ 完成が待たれる新展示場
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィがソチ冬季五輪のプロモーション映像に登場
ロシア最大の石油会社 ロスネフチがロシアの動物園の全ホッキョクグマへの援助・保護活動開始を表明
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園の野生孤児ベルィの新飼育展示場建設にロスネフチ社の援助決定
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園でのソチ冬季五輪開催イベント ~ 2026年札幌冬季五輪招致へ
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィの新飼育展示場建設計画が出直しの形で開始される
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園の 「国際ホッキョクグマの日」 のベルィの姿
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィの近況 ~ 遂に新展示場建設着工の見通し
モスクワ動物園のシモーナの双子が一歳となる ~ 双子のうち雌が来年にペンザ動物園へ移動か?
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィの新展示場建設工事が開始 ~ 雌の導入計画の謎
ロシア・ペンザ動物園のベルィの新展示場が秋に完成の予定 ~ ロシアの中小地方都市の動物園の苦闘
ロシア・ペンザ動物園の新ホッキョクグマ飼育展示場が9月にオープン ~ それが意味する重要なこと
ロシア・ペンザ動物園のベルィに夏の旧舎最後の特別給餌 ~ ロシア地方都市動物園の素朴なイベント
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園で最終段階に入りつつある新ホッキョクグマ飼育展示場の建設
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園のベルィに子供達が慈善活動の売上を寄付
ロシア・ヴォルガ川流域のペンザ動物園がベルィのパートナーにモスクワ動物園のニカを希望
ロシア・ペンザ動物園のベルィが完成した新飼育展示場へと移動する
ロシア・ペンザ動物園の新ホッキョクグマ飼育展示場が遂にオープン ~ 次なる課題はベルィのパートナー探し
ロシア・ヴォルガ川流域、ペンザ動物園のベルィは新飼育展示場に移動して伸びやかに遊ぶ
ロシア・ペンザ動物園の新飼育展示場で早々とベルィに「国際ホッキョクグマの日」のイベントが開催
ロシア・ペンザ動物園のベルィの近況 ~ ロシアの飼育下の野生出身個体の繁殖と再配置の問題点
ロシア・ペンザ動物園のベルィの「帰宅拒否」のエピソード ~ ロシア地方都市の素朴な報道
ロシア・ヴォルガ川流域のペンザ動物園、ベルィの健康管理のために入念なチェック体制をとる
ロシア・南ウラル地方、チェリャビンスク動物園がペンザ動物園のベルィの入手を画策 ~ 繁殖成功への執念
ロシア・ペンザ動物園のおもちゃの破壊王ベルィを報じる地元メディアの素朴な報道
ロシア・ペンザ動物園の過ぎ去った夏 ~ ベルィが三週間ぶりに飼育展示場に復帰
ロシア・ペンザ動物園のベルィの近況 ~ 血統的孤立度の優位性が生かせぬ将来への不安
ロシア・ペンザ動物園のベルィに対するロスネフチ社の援助 ~ 年間約130万ルーブルに加え施設整備費
ロシア・ペンザ動物園のベルィに待望のパートナーが決定か? ~ 野生出身個体の飼育下での繁殖の将来
ロシア・ペンザ動物園で寒波と積雪を堪能するベルィ
ロシア・ペンザ動物園のベルィがペルミ動物園へ移動か? ~ 大胆な個体再配置計画の可能性
ロシア・ペンザ動物園の「国際ホッキョクグマの日」 ~ 好男子ベルィの軌跡とその今後
ロシア・ペンザ動物園のベルィに雪を利用したエンリッチメント ~ 平面の飼育展示場にもたらされた変化
ロシア・ペンザ動物園のベルィの飼育展示場の補修作業が完了 ~ 報道されなくなったパートナー問題
ロシア・ヴォルガ河流域、ペンザ動物園のベルィにロスネフチ社からおもちゃのプレゼント
(*2017年7月 ペンザ動物園訪問記)
・快晴の土曜日、ペンザ動物園でのベルィとの対面へ ~ 抑制、洗練された行動を行うベルィの趣味の良さ
・ベルィ、謙虚さと「大陸的」なスケールの大きさを兼ね備えたロシア・ホッキョクグマ界の逸材
・ペンザ動物園訪問二日目 ~ 生活のペースが確立したベルィ、待ち望まれる彼のパートナーの決定
by polarbearmaniac | 2018-09-28 00:30 | Polarbearology

ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとハールチャーナの近況

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ウスラーダ Photo(C)Ленинградский зоопарк

ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園で暮らしているのは現在30歳のウスラーダ、そしてヤクーツク動物園で生まれたまだ1歳のハールチャーナという二頭の雌(メス)のホッキョクグマです。このウスラーダについては今更もう改めて述べるまでもないでしょう、現在世界のホッキョクグマ界の雌(メス)の個体としては間違いなくその最高峰として君臨しているホッキョクグマです。日本のホッキョクグマとの関係では、ラダゴル(カイ - 仙台)、ピョートル(ロッシー - 静岡)の母、イワン(旭川)、シルカ(大阪)の祖母、ということになります。ただしホクト(姫路)、ゴーゴ(白浜)、モモ(浜松)とは血の繋がりはありません。

今まで16頭の子供たちの育児を行ってきたウスラーダですが現在では繁殖からは引退しており悠々自適ともいえる暮らしをしています。彼女の特徴として真っ先に来るのは身体の頑健さでしょう。そしてさらに言えば、すでに16頭の子供たちの母であるといったバックグラウンドの知識が全くなくても彼女の姿を見ていて感じられる「何かが他のホッキョクグマとは全く違う」という確固とした存在感です。さて、レニングラード動物園の二区画あるホッキョクグマ飼育展示場は昨年から部分的な改修や修理などが行われており今年の夏にはプールの浄化装置が設置されてそれぞれの区画が独立して水の浄化が行えるような設備が整備されたそうです。8月14日のレニングラード動物園創設153年の記念日の翌日にはスイカのプレゼントのイベントと新しいおもちゃがウスラーダに与えられました。それは黄色い大きなボールだったそうです。その映像でウスラーダの姿を見てみましょう。悠然としていて堂々たる姿に魅せられます。この姿を見ているだけで彼女が他の普通のホッキョクグマとはまるで違う存在であることを感じ取ることができます。



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ハールチャーナ Photo(C)Ленинградский зоопарк

さて、次はハールチャーナです。彼女は依然として中の区画をぶち抜いた長屋のような場所で暮らしているのですがレニングラード動物園の創設記念日には好物のスイカの中に野菜、そしてお菓子のようなものを入れた特別のおやつが与えられました。その様子も見てみましょう。



夏期にはハールチャーナには週二回のスイカのプレゼントがあるそうで、同時に好物のリンゴや梨などの果物も与えらえるそうです。ただしモモは好きではないらしく全く食べないそうです。次の映像は地元のTV局の撮った映像です。下の写真をワンクリックしていただくと映像開始のページがあらわれます。スイカを一個、まるごともらったようです。

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Image:Телеканал «Санкт-Петербург»

さて、レニングラード動物園に二区画ある飼育展示場は一区画の改修や修理は完全に終了しており、もう一つの区画の修理の終了が間近だそうで、それが終わるとハールチャーナはウスラーダのいる隣の区画に移動するそうです。昨年12月にヤクーツクからサンクトペテルブルクの祖母のもとに移動してきたハールチャーナですが、ようやく正規の飼育展示場に登場する日は近いようです。

(資料)
Ленинградский зоопарк (Jul.27 2018 - В здоровом медведе здоровый дух!) (Aug.24 2018 - Праздничные сюрпризы для белых медведей.)
Телеканал «Санкт-Петербург» (Aug.7 2018 - Белая медведица Хаарчаана лакомится арбузом в Ленинградском зоопарке)
ЯСИА (Aug.8 2018 - В Ленинградском зоопарке белая медведица Хаарчаана открыла сезон арбузов)

(過去関連投稿)
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダが満30歳となる
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園でハールチャーナ到着の日のウスラーダの姿
ロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園に到着したハールチャーナの姿
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園でハールチャーナの引き渡し式が行われる
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のハールチャーナへの市民の関心の高さ
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園がハールチャーナのパートナー探しに早々と着手へ
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園での「国際ホッキョクグマの日」
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園の春のプール開き ~ 人気者となったハールチャーナ
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとハールチャーナの夏の日
by polarbearmaniac | 2018-09-27 01:00 | Polarbearology

ロシア・南ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンとアイリシャの近況

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アルツィン(左)とアイリシャ(右) Image:Телекомпания ОТВ

8~9月の旅行中にロシアのホッキョクグマ界では大きなニュースはありませんでしたが、それぞれの動物園に暮らすホッキョクグマたちには氷のプレゼントやら特別給餌といった小さなイベントによってその姿がネット上のニュース記事となって紹介されていました。そういった記事を通じて彼らの元気な姿が確認できたというわけです。そのいくつかをご紹介しておきたいと思います。まず今回は南ウラル地方のチェリャビンスク動物園です。

このチェリャビンスク動物園で暮らしているのは野生出身で推定17歳の雄(オス)のアルツィン (Алтын) と15歳の雌(メス)のアイリシャ (Айриша) に二頭です。このうちアイリシャはペルミ動物園の故アンデルマの娘であり姫路のホクトの妹、白浜のゴーゴの姉に当たります。チェリャビンスク動物園のホッキョクグマたちのスポンサーとなっているのは地元の強豪アイスホッケーチークであり、時々このチームの選手たちがプレゼントを持って動物園を訪れてホッキョクグマたちにそれを与えるということをやっています。9月21日にも数名の選手たちがアルツィンとアイリシャにサバのプレゼントを行いました。その様子を地元TV局がニュースで報じていますので見てみることにしましょう。冒頭の写真をワンクリックして下さい。

チェリャビンスク動物園では9月になってから動物たちに雪のプレゼントがあったそうですが、とりわけホッキョウグマの飼育展示場にはこのたび新しく人工雪製造機が設置され夏期にはアルツィンとアイリシャに雪のプレゼントが常時与えられるようになったそうです。その映像を下にご紹介しておきます。ホッキョクグマたちは開始後1分43秒あたりから登場しています。



このアルツィンとアイリシャには私は昨年夏に現地で会うことができたのですが、見ていて心の温まるホッキョクグマという感じでした。この動物園ではもちろん一番人気が彼らであることは間違いないようです。

(資料)
СТС-Челябинск (Sep.20 2018 - Первый снег в середине сентября)
Телекомпания ОТВ (Sep.23 2018 - «Белые медведи» кормят Алтына и Айришу)
Обл-ТВ (Sep.21 2018 - Молодежка «Трактора» покормила рыбкой белых медведей)

(過去関連投稿)
・ロシア・地方都市の動物園で人々に愛されるホッキョクグマ
・ロシア・チェリャビンスク動物園の体重700キロの心優しきホッキョクグマ
・有力企業のホッキョクグマ飼育への支援申し出に喜ぶロシア・チェリャビンスク動物園
・ロシア・チェリャビンスク動物園のホッキョクグマのイベント
・ロシア・チェリャビンスク動物園のホッキョクグマのおもちゃはなんと黄色いスケートボード!
・ロシア・チェリャビンスク動物園のアルツィン  ~ 飼育下では世界最大の体重か?
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスクの動物園のプール開き
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスクの動物園の夏 ~ ホッキョクグマにオモチャのプレゼント
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のペアの演じる「タンゴ」
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のホッキョクグマたちの夏の日の姿
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンの頭のタイヤが抜けなくなりレスキュー隊が出動
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園の動物たち、近郊への隕石落下の被害から全頭無事が確認
・ロシア・カザン市動物園に短期出張したアルツィンがチェリャビンスク動物園に帰還 ~ 行方不詳のユーコン
・ロシア・チェリャビンスク動物園のホッキョクグマたちに地元アイスホッケーチームがプレゼント
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンの行動に対する専門家の奇妙な(?)解釈
・ロシア・チェリャビンスク動物園でホッキョクグマと共に祝われた地元アイスホッケーチームの新年
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のホッキョクグマたちの夏のシーズンのプール開き
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンとアイリシャ ~ 地元アイドルの座は不動
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンとアイリシャの近況 ~ 施設の一部改修工事が終了
・ロシア・ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンの2001年の物語 ~ 野生孤児の秘史
・ロシア・南ウラル地方、チェリャビンスク動物園がペンザ動物園のベルィの入手を画策 ~ 繁殖成功への執念
・ロシア・チェリャビンスク動物園がロスネフチ社の資金援助でホッキョクグマの室内飼育展示場をオープンへ
・ロシア・南ウラル地方、チェリャビンスク動物園のホッキョクグマたちのプール開き
・ロシア・南ウラル地方、チェリャビンスク動物園のアルツィンとアイリシャのおもちゃ遊び
(*2017年8月 チェリャビンスク動物園訪問記)
・チェリャビンスク動物園の夏の日 ~ アルツィンとアイリシャの姿
・アルツィン (Белый медведь Алтын) の素顔とその性格
・アイリシャ (Белая медведица Айриша) の素顔とその性格
・地方都市のチェリャビンスク動物園で体を寄せ合って暮らすアルツィンとアイリシャ ~ 心動かされるその姿
by polarbearmaniac | 2018-09-26 02:00 | Polarbearology

カナダ・アシニボイン公園動物園のジュノーがトロント動物園へ帰還へ ~ 「適応化 (socialization)」の達成

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ジュノー (Juno)  Photo(C)Assiniboine Park Zoo

カナダのトロント動物園で2015年11月に誕生して人工哺育で育てられた雌(メス)のジュノー (Juno) は2017年3月に「適応化 (socialization)」のために多くの野生出身の若年個体が飼育されているウィニペグのアシニボイン公園動物園に移動したわけですが、その目的が達成されたとして来b月に生まれ故郷のトロント動物園に帰還することになったことがアシニボイン公園動物園によって発表されました。ジュノーはアシニボイン公園において何頭もの他の若年個体との肌を接しての交流を深めてホッキョクグマとしての特性が得られたという判断のようです。

カナダの場合は人工哺育で育ってもアシニボイン公園動物園のように野生孤児個体の保護・飼育を行っている動物園がありますから、そういった他の若年個体たちと同居させることによって「適応化 (socialization)」を達することができるというわけです。人工哺育というのはそこまでやって初めて達成されることであり、単に人間が育てるだけでは不十分なのです。トロント動物園はこのあたりのことをよく熟知しています。

(資料)
CBC (Sep.21 2018 - Juno the polar bear set to leave Assiniboine Park Zoo)
ChrisD.ca (Sep.21 2018 - Assiniboine Park Zoo Bidding Farewell to Juno, Loaned Polar Bear from Toronto)
Manitoba Post (Sep.23 2018 - Assiniboine Park Zoo Bids Farewell to Juno)

(過去関連投稿)
カナダ・トロント動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 母親の母乳が出ずに人工哺育へ
カナダ・トロント動物園の人工哺育の赤ちゃんのジュノー、危機的状況から回復の事実が明らかになる
カナダ・トロント動物園で人工哺育されている赤ちゃんのジュノーが生後6週間経過となる
カナダ・トロント動物園で人工哺育されている雌の赤ちゃんのジュノーが間もなく生後二か月へ
カナダ・トロント動物園で人工哺育されている雌の赤ちゃんのジュノーが無事に生後二ヶ月となる
カナダ・トロント動物園の雌の赤ちゃんのジュノーが生後三か月となり初めて室外へ
カナダ・トロント動物園の雌の赤ちゃんのジュノーが27日の「国際ホッキョクグマの日」より一般公開へ
カナダ・トロント動物園の雌の赤ちゃんの愛称の「ジュノー」が正式な名前として採用となる
カナダ・トロント動物園、ジュノーの「国際ホッキョクグマの日」 ~  一般公開開始となる
カナダ・トロント動物園の雌の赤ちゃんのジュノーが生後半年を無事に経過
カナダ・トロント動物園のジュノーが生後8ヶ月となる
カナダ・トロント動物園のジュノーが生後9ヶ月へ ~ 外部の事象に対する全面的な興味と関心の持続
カナダ・トロント動物園のジュノーが生後10ヶ月となる ~ 同園の描く優れたロードマップ
カナダ・トロント動物園のジュノーが生後11ヶ月へ ~ メインの展示場に初登場
カナダ・トロント動物園のジュノー、全ての面に活発な性格で力強い成長で間もなく一歳へ
カナダ・トロント動物園のジュノーの満一歳の公式誕生会が行われる
カナダ・トロント動物園のジュノーがアシニボイン公園動物園へ ~ 「適応化」への重要なステップ
カナダ・アシニボイン公園動物園で公開されたトロント動物園より来園したジュノー
by polarbearmaniac | 2018-09-25 01:00 | Polarbearology

アメリカ・メリーランド動物園のアノーキが生まれ故郷のロチェスターのセネカ動物園へ

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アノーキ (Anoki) Photo(C) Seneca Park Zoo

アメリカのコロンバス動物園で2016年11月に誕生した三頭の幼年個体のうち雌(メス)のアメリア・グレーとニヴァの二頭がメリーランド州ボルチモアのメリーランド動物園へ移動することになったわけですが、この二頭と交代するような形でメリーランド動物園で飼育されていた21歳の雌(メス)のアノーキ (Anoki) が生まれ故郷であるニューヨーク州・ロチェスターのセネカ動物園 (Seneca Park Zoo) に移動することとなり20日にセネカ動物園に到着したことが同園によって明らかにされました。アノーキを送り出したメリーランド動物園でのアノーキの最後の映像と地元TVニュースの映像を見ておきましょう。





そしてセネカ動物園に到着したアノーキについて報じるロチェスターの地元TV局のニュース映像です。



セネカ動物園では飼育していたオーロラ(札幌のデナリの姉)が今年の3月に亡くなってからはホッキョクグマが不在となっていました。55年のホッキョクグマ飼育の歴史を持つセネカ動物園ではオーロラの死後に新しいホッキョクグマの入手を求めていたわけですが、AZAのSSPを担当するホッキョクグマ繁殖推進委員会が討議の末にメリーランド動物園のアノーキをセネカ動物園に移動させることが決まったそうです。このアノーキは1996年11月20日にセネカ動物園で生まれており、今回の移動は里帰りということになります。セネカ動物園の地元のロチェスターでもアノーキの帰還を大いに歓迎しているそうです。セネカ動物園はこのアノーキの幼年期の写真を公開しました。
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幼年期のアノーキ (1997年) Photo(C)Betty Louth/Seneca park Zoo

アノーキはメリーランド動物園でパートナーであったゼロとの間の繁殖を大いに期待されていたものの成功せずシカゴ・ブルックフィールド動物園の雄(オス)のハドソンの精子の提供を受けて人工授精が行われたわけですが出産には至りませんでした。間もなく22歳になるアノーキですが果たしてセネカ動物園でパートナーを得て再び繁殖を狙えるかに注目したいと思います。ちなみにセネカ動物園は世界で初めてホッキョクグマへの人工授精が試みられた動物園です。

(資料)
Baltimore Sun (Aug.30 2018 - Maryland Zoo to swap Anoki the polar bear for two cubs)
Rochester Democrat and Chronicle (Sep.19 2018 - A polar bear born at Seneca Park Zoo in 1996 is coming back)
13WHAM-TV (Sep.19 2018 - Polar bear 'Anoki' returns to Seneca Park Zoo)

(過去関連投稿)
(*メリーランド動物園関連)
アメリカ・メリーランド州ボルチモアのメリーランド動物園のアラスカ逝く ~ サーカス後の安住の地での死
アメリカ・メリーランド州ボルチモア、メリーランド動物園のマグネット逝く
アメリカ・メリーランド州ボルチモアのメリーランド動物園のアノーキ、故マグネットとの間の繁殖は成功せず
アメリカ・ボルチモア、メリーランド動物園のアノーキは人工授精での世界初の出産に成功するか?
(*セネカ動物園関連)
アメリカ・ニューヨーク州 ロチェスターのセネカ動物園が史上初のホッキョクグマの人工授精を行う
デナリ (円山動物園) とその母親、兄弟姉妹たちの姿 ~ ユタ州・ソルトレイクシティーの地元紙の記録
アメリカ・ニューヨーク州 ロチェスターのセネカ動物園でのオーロラへの人工授精、結果は実らず
アメリカ・ニューヨーク州 ロチェスターのセネカ動物園の26歳のゼロが亡くなる
アメリカ・ニューヨーク州・ロチェスターのセネカ動物園のオーロラが亡くなる ~ 札幌のデナリの姉の死
by polarbearmaniac | 2018-09-24 02:00 | Polarbearology

アメリカ・コロンバス動物園のニューニクがヘンリー・ヴィラス動物園に到着

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ニューニク (Nuniq) Photo(C) Columbus Zoo and Aquarium

一つ前の投稿でアメリカ・オハイオ州のコロンバス動物園で2016年11月に誕生した三頭のホッキョクグマたちの移動が決まったものの雄(オス)のニューニクについては移動先は決定していないと述べました。それは8月末の状況だったわけですが、9月21日にウィスコンシン州のマディソン市にあるヘンリー・ヴィラス動物園が発表を行い、コロンバス動物園からニューニクが到着したことを明らかにしました。さらに同園は、このニューニクがヘンリー・ヴィラス動物園で長いこと飼育されていたナヌークの息子であることについても触れてニューニクと同園との縁の深さをにじませる言葉でニューニクを歓迎する気持を表しています。

ヘンリー・ヴィラス動物園はアメリカにおいてAZAの認証を受けた入園料が無料である8つの動物園のうちの一つであり、今後このニューニクを飼育していくために必要は費用、そして今回の移動の輸送費について一般市民から三万ドルの寄付を募りたいとも述べています。なにしろアメリカのことですからこの程度の寄付ならばすぐに集まるでしょう。AZAのSSPを担当するホッキョクグマ繁殖推進委員会もなかなか配慮した個体移動を行ったものです。

(資料)
WMTV (Sep.21 2018 - Henry Vilas Zoo welcomes new polar bear)
WISC-TV3 (Sep.21 2018 - Henry Vilas Zoo announces newest animal debut)

(過去関連投稿)
アメリカ・ミネソタ州 コモ動物園のスーカーとサカーリがウィスコンシン州のヘンリー・ヴィラス動物園へ
アメリカ・ウィスコンシン州のヘンリー・ヴィラス動物園で新展示場 ”The Arctic Passage”がオープン
アメリカ・ウィスコンシン州、ヘンリー・ヴィラス動物園のサカーリが繁殖のために他園移動が決定
アメリカ・ウィスコンシン州マディソン、ヘンリー・ヴィラス動物園のサカーリのお別れ会が開催される
アメリカ・シンシナティ動物園のベリットがウィスコンシン州のヘンリー・ヴィラス動物園へ
アメリカ・ウィスコンシン州のヘンリー・ヴィラス動物園の18歳のベリットに人工授精が行われる
アメリカ・ウィスコンシン州、ヘンリー・ヴィラス動物園のスーカーが繁殖目的で他園に移動へ
アメリカ・デトロイト動物園に突然姿を現したヘンリー・ヴィラス動物園のスーカー
(*ナヌーク関連)
繁殖のために住み慣れた動物園を旅立ったホッキョクグマ ~ ヘンリー・ヴィラス動物園のナヌークへの期待
アメリカ・バッファロー動物園のナヌークがコロンバス動物園へ ~ 新ホッキョクグマ展示場の建設開始
アメリカ ・ オハイオ州、コロンバス動物園に登場したナヌークへの期待 ~ 25歳の雄の繁殖能力への希望
アメリカ・コロンバス動物園のノーラがポートランドのオレゴン動物園へ ~ その背景を読み解く
北米の過去約100年間の飼育下のホッキョクグマ出産記録が語ること ~ 再び考えるキャンディの今後
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダとメンシコフの不屈の挑戦
アメリカ・コロンバス動物園のノーラの展示時間延長に慎重な同園 ~ 父親ナヌークへの期待と配慮が理由か
アメリカ・コロンバス動物園、「遅咲き」の28歳の雄のナヌークに最後の栄光は輝くか?
アメリカ・コロンバス動物園のナヌーク逝く ~ 生涯の最後に咲かせた満開の花
by polarbearmaniac | 2018-09-24 01:00 | Polarbearology

アメリカ・コロンバス動物園の間もなく二歳のアメリア・グレー、ニヴァ、ニューニクの三頭が他園へ

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(左より)アメリア・グレー、ニューニク、ニヴァ
Photo(C)Columbus Zoo and Aquarium

旅行中の8月30日のニュースです。アメリカ・オハイオ州のコロンバス動物園で飼育されている双子姉妹のオーロラアナーナ(2006年11月25日生まれ) が2016年11月にダブル出産した件は快挙でした。「双子姉妹の神話」が生きていたというわけです。アナーナ2016年11月8日に産んだ雌(メス)の赤ちゃんは "アメリア・グレー (Amelia Gray)"と命名されオーロラ11月14日に産んだ双子の赤ちゃんは雌(メス)が "ニヴァ (Neva)"、雄(オス)が "ニューニク (Nuniq)" と命名されたわけでした。この三頭は間もなく2歳になるわけですがいよいよ移動の話が出てきました。アメリア・グレーとニヴァの二頭の雌(メス)がメリーランド州ボルチモアのメリーランド動物園へ、そして雄(オス)のニューニクについてはコロンバス動物園は近く決定されるとだけ述べています。この移動はAZAのSSP (Species Survival Plan) を担当するホッキョクグマ繁殖推進委員会による「推薦 (recommendation)」による移動だそうです。以前にも述べましたが「推薦」というのは強制力を伴うものではないために用いられている表現であってコロンバス動物園は拒否自体は可能ですが、そうなると以降のホッキョクグマ繁殖に関する自園への個体受入れなどが不可能となりますので事実上は拒否は不可能です。特にオーロラとアナーナという二頭の母親のパートナーだった雄(オス)のナヌークは亡くなっていますので、彼女たちの新しいパートナーが他園からコロンバス動物園に来園するための調整を行うのもAZAのSSPの委員会ですからこの三頭の幼年個体の他園への移動の拒否はありえないわけです。現在のこの三頭の様子、そして彼らが移動することになったことを報じるTVニュースを見てみましょう。





この三頭はすでに離乳しており、また雄(オス)のニューニクの体重はすでに295kgsとなっていて母親のオーロラを上回っているそうです。コロンバス動物園のスタッフはこの三頭の幼年個体の他園への移動を悲しみながらも、次のステップとしてのホッキョクグマ繁殖に挑戦していく意気込みは十分のようです。

(資料)
Columbus Zoo and Aquarium (Newsroom/Aug.30 2018 - Polar Bears Nuniq, Neva and Amelia Gray to Move This Fall)
The Columbus Dispatch (Aug.30 2018 - Columbus Zoo: Three polar bears moving to other zoos)
Fox 28 (Aug.30 2018 - Farewell, polar bear cubs; Columbus Zoo's Nuniq, Neva & Amelia Gray to move this fall)
10TV (Aug.30 2018 - 3 Columbus Zoo polar bears will move to other zoos this fall)
nbc4 (Aug.30 2018 - Polar Bears Nuniq, Neva and Amelia Gray leaving Columbus this fall)
The Baltimore Sun (Aug.30 2018 - Maryland Zoo to swap Anoki the polar bear for two cubs)

(過去関連投稿)
(*アナーナの出産関連)
アメリカ・コロンバス動物園でのオーロラとアナーナの出産準備態勢
アメリカ・コロンバス動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 「双子姉妹の神話」は生きていた!
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナの赤ちゃんが間もなく生後三か月へ
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナお母さんと一頭の赤ちゃんの近況
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナの赤ちゃんが一般公開へ ~ お披露目の様子がライブ中継の予定
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナの赤ちゃんがお披露目となる ~ 性別は雌(メス)と判明
アメリカ・コロンバス動物園の三頭の赤ちゃんが間もなく生後半年へ ~ 稀有な同一園での二組の親子の存在
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナの雌(メス)の赤ちゃんが生後半年の誕生日を迎える ~ 成長の確かさ
(*オーロラの過去の出産関連)
アメリカ・オハイオ州、コロンバス動物園のアナーナとオーロラの双子姉妹はダブル出産ならず
アメリカ・オハイオ州、コロンバス動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃんが誕生するも二頭ともに死亡
アメリカ・オハイオ州コロンバス動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ オーロラが待望の出産
アメリカ・コンロバス動物園のオーロラお母さん、赤ちゃんの育児を突然止める ~ 人工哺育へ
アメリカ・コロンバス動物園のノーラがポートランドのオレゴン動物園へ ~ その背景を読み解く
アメリカ・コロンバス動物園でのオーロラとアナーナの出産準備態勢
アメリカ・コロンバス動物園で再びホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 双子姉妹のダブル出産実現!
アメリカ・コロンバス動物園でオーロラお母さんの産んだ双子の赤ちゃんが生後一週間を無事に通過
アメリカ・コロンバス動物園のオーロラの双子の赤ちゃんが生後三か月を過ぎバックヤードに登場
アメリカ・コロンバス動物園のオーロラお母さんと双子の赤ちゃんの近況 ~ 水に親しむ
アメリカ・コロンバス動物園のオーロラの双子の赤ちゃんが一般公開へ ~ お披露目の様子がライブ中継へ
アメリカ・コロンバス動物園のオーロラの雌(メス)と雄(オス)双子の赤ちゃんが一般へのお披露目となる

アメリカ・コロンバス動物園の産室内の二組の親子(アナーナ親子 & オーロラ親子)の近況
アメリカ・コロンバス動物園で誕生の三頭の赤ちゃんたちの近況
アメリカ・コロンバス動物園の産室内の二組の親子の近況 ~ 三頭の赤ちゃんは全て両目が開く
アメリカ・コロンバス動物園の産室内の二組の親子の近況 ~ 元気に成育を続ける三頭の赤ちゃん
アメリカ・コロンバス動物園の三頭の赤ちゃんたち、生後二ヶ月を過ぎてのの近況 ~ 歩き始める
アメリカ・コロンバス動物園の二組の親子の最新の映像が公開される
アメリカ・コロンバス動物園の二組の親子の近況 ~ 情報を「出し惜しみ?」する同園
アメリカ・コロンバス動物園の三頭の赤ちゃんが間もなく生後半年へ ~ 稀有な同一園での二組の親子の存在
アメリカ・コロンバス動物園のアナーナの雌(メス)の赤ちゃんの名前は "アメリア・グレー (Amelia Gray)"
アメリカ・コロンバス動物園のオーロラの赤ちゃんの名前が "ニヴァ (Neva)" と "ニューニク(Nuniq)"
アメリカ・コロンバス動物園のアメリア・グレー、ニヴァ、ニューニクの三頭が間もなく満一歳へ
アメリカ・コロンバス動物園のアメリア・グレーの満一歳の誕生会が開催される
アメリカ・コロンバス動物園のニヴァとニューニクの双子の満一歳の誕生会が開催される
by polarbearmaniac | 2018-09-24 00:30 | Polarbearology

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